従業員の健康管理「人事担当者が書く健康トピックス」（衛生委員会や保険便りのネタにお役立てください）

喫煙と血圧の関係（禁煙の勧め）

[喫煙は一時的に血圧を上昇させます]
 タバコに含まれるニコチンは交感神経を刺激し血圧を上昇させます。喫煙により最高血圧は3～12mmHg、最低血圧は5～10mmHg上昇します。また、タバコ1本の喫煙では血圧の上昇は30分以内に解消されますが、2本連続で喫煙をすると30分以上経過しても安定時の血圧に戻りません。

[血圧は喫煙者の方が低い？]
　喫煙に起因する血圧上昇は一時的であり、喫煙が高血圧の直接的な原因とは言えません。むしろ、喫煙者の方が非喫煙者よりも血圧が低いという研究結果も出ています。
　喫煙者の血圧が低くなる理由は明らかではありませんが、非喫煙者の方が肥満の割合が高く、肥満が血圧を上昇させているという説があります。しかしながら、喫煙により一時的に血圧が上昇することは事実であり、24時間の平均血圧や中心血圧（心臓に近い大動脈の血圧）は喫煙者の方が高くなります。また、これらの数値は喫煙歴の長さよりも一日の喫煙本数の多さが影響していると言われています。

[将来の健康の為にも禁煙をお勧めします]
　喫煙により血圧の変動が繰り返される度、血管には負荷がかかり動脈硬化の原因になります。また、高血圧患者のうち、喫煙者は非喫煙者と比べ死亡率が非常に高くなることが知られています。
　最近では、健康診断時に測定する上腕血圧よりも中心血圧の方が重視される傾向にあり、益々喫煙が健康に悪影響を及ぼすと言われています。喫煙者の方は、健康診断で所見が無かったとしても、将来の健康の為に禁煙されることをお勧めします。