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尿酸値と痛風予防
しおりを挟む[尿酸とは]
尿酸はエネルギーの代謝等によって「プリン体」から生産される廃棄物です。「プリン体」は、運動や臓器を動かす為に必要なエネルギーで、常に体内で生成されています。ほとんどの動物は体内に尿酸を分解する酵素を持っていますが、ヒトを含む霊長類の一部の動物は尿素を分解する酵素(尿酸酸化酵素)が遺伝子的に欠損しており、体内に尿酸が溜まってしまいます。
[尿酸が溜まると痛風になる]
尿酸は血液中に溶け込んでいます。しかし、量が増えると血液に溶け切らない尿酸は結晶化し、間接(主に足の親指の付け根)に溜まってしまいます。すると、白血球が間接内にたまった結晶を異物と認識し、攻撃を始めます。この時、炎症を起こす物質が排出され、「激痛」「発赤」「腫れ」等の症状が出現します。これを「痛風」と呼びます。尿酸値が高い状態を放置すると10人に1人が痛風になり、3年後には5人に1人が何かしらの腎障害を引き起こすと言われています。
痛風はその名の通り、歩く事も出来ないくらい激しく痛みますが、その痛風発作自体で命に危険を及ぼす事はありません。しかし、尿酸結晶による血管炎症は動脈硬化を引き起こし、動脈硬化は脳卒中や狭心症等の原因となる為、結果的には尿酸値の放置は命を落とすリスクさえあると言えます。
[痛風にならない為に]
尿酸値の正常値は、3.1~6.9mg/dlです。つまり、7.0mg/dlを超えると痛風を発症するリスクが高まります。しかし、尿酸値は生涯一定ではなく、性別や年齢によって差があります。男性は10代から上昇し、30代から50代頃まで一定を保ち、それ以降は低くなる傾向にあります。これに対して女性は、40代頃までは男性より1.0mg/dl低いのが一般的です。
痛風にならない為には、プリン体の摂取を控え尿酸を適切に排泄するしかありません。レバーや魚卵はプリン体を多く含むので食べ過ぎに注意しましょう。「プリン体=ビール」と思われがちですが、アルコール自体が尿酸値上昇の原因になる為、お酒との付き合い方も工夫が必要です。反対に、野菜や果物、きのこ類等のアルカリ性食品を摂ると、尿酸の結晶を溶かす事が期待できます。
また、肥満やストレスは尿酸値を上昇させます。適度な運動により適正な体重を保つと共に、趣味やリフレッシュの時間を設けストレス解消し、尿酸値の上昇を防ぎましょう。
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