3 / 20
2話 アン(16)
しおりを挟む
「ここは、どこ……?」
美咲が目覚めると、そこは見たことも無い部屋だった。
そこは天井も壁も床も全てが木製のワンルームの部屋で、いつの間にか見たことがないワンピースに着替えている。
慌ててスマホを探すものの、スマホどころか着ていたはずのスーツも持っていた鞄も、美咲の持ち物は何一つその部屋には無かった。
「(待って、私……夢じゃなければ、トラックの前に飛び出して……)」
慌てて自分の体を確認するものの、擦り傷ひとつ見当たらない。
「(ということは、夢……? アレが? それともこれが……!?)」
バシン。
自分の頬を叩いてみると、叩いた手も、叩かれた頬にもじんわりとした痛みが走る。
「ってことは、これは夢じゃない……?」
ドンドン!!
「っはい!?」
急に叩かれた扉に思わず出た声は、しっかり扉の外に聞こえてしまったらしい。
すぐに扉の外から、上機嫌な女性の声が聞こえた。
「アンちゃん、おはよう!」
「(アンって誰!?)」
「朝ごはん持ってきたから、一緒に食べよう。ここを開けておくれ」
その扉にはインターホンどころかドアスコープもついていない。
相手がどんな人かも確認することも出来ず、美咲はドアの前で頭を抱えた。
「(この人誰!? っていうかここはどこ!? アンって誰!?)」
そうしているうちにも、美咲がドアを開けないことに痺れを切らしたかのようにドアはしつこく叩かれる。
「アンちゃん、どうしたの? 何かあった?」
「えっと、あの……」
「開けられない何かがあるのかい?」
「いや、えっと」
「アンちゃん、理由があるならハッキリ言いなさい」
「その……」
「アンちゃん! 開けなさい!」
「っ……!」
家の中を見回すが、自分以外誰もいない。
ここが「アン」の家だということは、自分は「アン」なのだろうか。
もしくは、「アン」が自分を助けて、この家に寝かせてくれたのかもしれない。
そうだったとして、記憶が無い自分には何も答えられないのだけれど。
「あっ……!」
美咲の目に、ひとつの扉が目に入る。
別の部屋に繋がっているだろうその扉の先に、「アン」がいるのかもしれない。
美咲はその扉に駆け寄ると、勢いよく扉を開いた。
扉を開いた瞬間、赤茶色の長い髪が目に入った。
その髪の持ち主は驚いたように美咲を見つめていた。
瞳は翡翠の色で、歳はどう見ても10代後半。
そして。
「これ……洗面台……」
その先にあったのはお風呂とトイレ。
そして、大きい鏡だけだった。
「ってことは、これ……私?」
鏡の中の人物は、美咲の動きに合わせて動き、引きつった笑顔を浮かべていた。
「えぇぇぇぇえええええ!?」
「アンちゃん!?」
ドアが壊れる音がした。
◇◇◇
「じゃあ、私はもう行くからね。そこの家にいるから、何かあったらすぐに頼ってちょうだい」
「ありがとうございます」
朗らかに笑って背を向けたのは、斜向かいの家に住むジュディという名の女性だった。
彼女こそ、「アン」を尋ね、扉を叩き壊した本人だった。
ジュディの話から察するに、どうやら「アン」は美咲のことで合っているらしい。
「アン」は魔獣に襲われて壊滅した街から昨日引っ越してきたところだという。年齢は16歳。
家族を全員魔獣の襲来で失ったアンを、ジュディは心から心配してくれているようだった。
どうやら昨日からアンの面倒を見てくれたようで、今日も様子を見に来てくれたらしい。
ジュディを一言で表現するなら「肝っ玉母ちゃん」だろう。
優しく豪胆で、自分の子も他人の子も分け隔てなく接してくれるような、気持ちのいい女性だった。
そしてジュディから聞いた話を総合すると。
「私、『愛の華』の世界に転生した……?」
◇◇◇
『愛の華』とは、佐藤美咲が生前大好きだった大人気BLゲームである。
主人公は『タツミ』という孤児の青年。
ある日、タツミが『救世主』として異世界に召喚されるところからゲームは始まる。
異世界では原因不明の魔力汚染が起こっており、世界全体が混沌としていた。
世界を救う方法は1つ。
各地に隠された『予言の書』を見つけ、それを解読すること。
『予言の書』には世界を救うヒントと、これから起こる厄災について記されている。
そして、『予言の書』を解読できるのは『救世主』のみ。
タツミは世界を救うべく、メインキャラクター達と契約を結び力を借りながら『予言の書』を求め、世界を救う旅に出る。
そしてその道中様々なイベントを通じ、タツミの眷属となったメインキャラクター達と愛も育んでいく。
「えぇ……っと、ディアナ歴1000年でタツミがこの世界に召喚される。で、今は990年……メインストーリーの10年前か……」
美咲もといアンは、自ら知る限りの情報をメモに書き出していく。
『異世界転生』もののジャンルはアンも読んだことがあったが、大体の主人公はこの『記憶』を頼りに未来を切り開いていくのだ。
それに、時が進む度に『記憶』が薄れていく展開も王道である。
異世界に転生したとして、自分はメインキャラクターでもなければここはBLの世界なのだ。
この記憶で無双するようなよくある展開にはならないだろうが、それでも軽々しく手放せるものでは無い。
「今日は眠れないな……記憶がはっきりあるうちに書いておかないと」
アンは記憶力には自信があった。
それに、アンは誰にも明かしたことは無かったが、秘密の趣味があった。
それが、『愛の華』の二次創作。
アンは二次創作小説を書いては投稿サイトへ投稿も行っていた。
小説を書くにあたって、矛盾が起きないよう細々とした設定まで纏めることも楽しんでいた。
だから、アンは『愛の華』に関する情報には自信がある。
「推しカプはエルタツだけど、あくまでも雑食でよかった~! 全キャラルート穴があくまで見たからね……!」
『愛の華』はどのキャラのルートに進むかによって起こるイベントも必要なアイテムも全て変わるのだ。
もし推しカプ・エルタツだけを見ていたら持っている情報は心許なかっただろう。
「はぁ……せっかくなら推しカプちゃんを生で拝みたいな……エルヴィンの美形っぷりを目の当たりにしたい……」
ぴたりとノートにペンを走らせる手が止まる。
「もしかしなくても、エルタツちゃん……生で拝める可能性ある……?」
タツミが召喚されるまであと10年。
エルタツを語る上で欠かせないのが、エルヴィンの鉱物である『クロワッサン』だった。
なんと言っても、エルヴィンの趣味は『パン屋巡りならぬクロワッサン巡り』。
エルタツの初デートでもクロワッサンを買いに行く位である。
つまり。
「10年で超有名なクロワッサン屋さんになれば……エルタツちゃんが買いに来てくれる……!?」
何の因果か、ジュディはパン屋の女将さんである。
これはもうパン屋になれという神からの思し召しとしか思えない。
きっと、男の子の代わりに死んだ自分を憐れに思った神様が、最後に温情をかけてくれたのだろう。
「神様……感謝します……!!」
絶対に推しカプを生で拝んでみせる。
美咲は力強く頷き、ノートに大きく『エルタツちゃんを拝む』と記すのだった。
美咲が目覚めると、そこは見たことも無い部屋だった。
そこは天井も壁も床も全てが木製のワンルームの部屋で、いつの間にか見たことがないワンピースに着替えている。
慌ててスマホを探すものの、スマホどころか着ていたはずのスーツも持っていた鞄も、美咲の持ち物は何一つその部屋には無かった。
「(待って、私……夢じゃなければ、トラックの前に飛び出して……)」
慌てて自分の体を確認するものの、擦り傷ひとつ見当たらない。
「(ということは、夢……? アレが? それともこれが……!?)」
バシン。
自分の頬を叩いてみると、叩いた手も、叩かれた頬にもじんわりとした痛みが走る。
「ってことは、これは夢じゃない……?」
ドンドン!!
「っはい!?」
急に叩かれた扉に思わず出た声は、しっかり扉の外に聞こえてしまったらしい。
すぐに扉の外から、上機嫌な女性の声が聞こえた。
「アンちゃん、おはよう!」
「(アンって誰!?)」
「朝ごはん持ってきたから、一緒に食べよう。ここを開けておくれ」
その扉にはインターホンどころかドアスコープもついていない。
相手がどんな人かも確認することも出来ず、美咲はドアの前で頭を抱えた。
「(この人誰!? っていうかここはどこ!? アンって誰!?)」
そうしているうちにも、美咲がドアを開けないことに痺れを切らしたかのようにドアはしつこく叩かれる。
「アンちゃん、どうしたの? 何かあった?」
「えっと、あの……」
「開けられない何かがあるのかい?」
「いや、えっと」
「アンちゃん、理由があるならハッキリ言いなさい」
「その……」
「アンちゃん! 開けなさい!」
「っ……!」
家の中を見回すが、自分以外誰もいない。
ここが「アン」の家だということは、自分は「アン」なのだろうか。
もしくは、「アン」が自分を助けて、この家に寝かせてくれたのかもしれない。
そうだったとして、記憶が無い自分には何も答えられないのだけれど。
「あっ……!」
美咲の目に、ひとつの扉が目に入る。
別の部屋に繋がっているだろうその扉の先に、「アン」がいるのかもしれない。
美咲はその扉に駆け寄ると、勢いよく扉を開いた。
扉を開いた瞬間、赤茶色の長い髪が目に入った。
その髪の持ち主は驚いたように美咲を見つめていた。
瞳は翡翠の色で、歳はどう見ても10代後半。
そして。
「これ……洗面台……」
その先にあったのはお風呂とトイレ。
そして、大きい鏡だけだった。
「ってことは、これ……私?」
鏡の中の人物は、美咲の動きに合わせて動き、引きつった笑顔を浮かべていた。
「えぇぇぇぇえええええ!?」
「アンちゃん!?」
ドアが壊れる音がした。
◇◇◇
「じゃあ、私はもう行くからね。そこの家にいるから、何かあったらすぐに頼ってちょうだい」
「ありがとうございます」
朗らかに笑って背を向けたのは、斜向かいの家に住むジュディという名の女性だった。
彼女こそ、「アン」を尋ね、扉を叩き壊した本人だった。
ジュディの話から察するに、どうやら「アン」は美咲のことで合っているらしい。
「アン」は魔獣に襲われて壊滅した街から昨日引っ越してきたところだという。年齢は16歳。
家族を全員魔獣の襲来で失ったアンを、ジュディは心から心配してくれているようだった。
どうやら昨日からアンの面倒を見てくれたようで、今日も様子を見に来てくれたらしい。
ジュディを一言で表現するなら「肝っ玉母ちゃん」だろう。
優しく豪胆で、自分の子も他人の子も分け隔てなく接してくれるような、気持ちのいい女性だった。
そしてジュディから聞いた話を総合すると。
「私、『愛の華』の世界に転生した……?」
◇◇◇
『愛の華』とは、佐藤美咲が生前大好きだった大人気BLゲームである。
主人公は『タツミ』という孤児の青年。
ある日、タツミが『救世主』として異世界に召喚されるところからゲームは始まる。
異世界では原因不明の魔力汚染が起こっており、世界全体が混沌としていた。
世界を救う方法は1つ。
各地に隠された『予言の書』を見つけ、それを解読すること。
『予言の書』には世界を救うヒントと、これから起こる厄災について記されている。
そして、『予言の書』を解読できるのは『救世主』のみ。
タツミは世界を救うべく、メインキャラクター達と契約を結び力を借りながら『予言の書』を求め、世界を救う旅に出る。
そしてその道中様々なイベントを通じ、タツミの眷属となったメインキャラクター達と愛も育んでいく。
「えぇ……っと、ディアナ歴1000年でタツミがこの世界に召喚される。で、今は990年……メインストーリーの10年前か……」
美咲もといアンは、自ら知る限りの情報をメモに書き出していく。
『異世界転生』もののジャンルはアンも読んだことがあったが、大体の主人公はこの『記憶』を頼りに未来を切り開いていくのだ。
それに、時が進む度に『記憶』が薄れていく展開も王道である。
異世界に転生したとして、自分はメインキャラクターでもなければここはBLの世界なのだ。
この記憶で無双するようなよくある展開にはならないだろうが、それでも軽々しく手放せるものでは無い。
「今日は眠れないな……記憶がはっきりあるうちに書いておかないと」
アンは記憶力には自信があった。
それに、アンは誰にも明かしたことは無かったが、秘密の趣味があった。
それが、『愛の華』の二次創作。
アンは二次創作小説を書いては投稿サイトへ投稿も行っていた。
小説を書くにあたって、矛盾が起きないよう細々とした設定まで纏めることも楽しんでいた。
だから、アンは『愛の華』に関する情報には自信がある。
「推しカプはエルタツだけど、あくまでも雑食でよかった~! 全キャラルート穴があくまで見たからね……!」
『愛の華』はどのキャラのルートに進むかによって起こるイベントも必要なアイテムも全て変わるのだ。
もし推しカプ・エルタツだけを見ていたら持っている情報は心許なかっただろう。
「はぁ……せっかくなら推しカプちゃんを生で拝みたいな……エルヴィンの美形っぷりを目の当たりにしたい……」
ぴたりとノートにペンを走らせる手が止まる。
「もしかしなくても、エルタツちゃん……生で拝める可能性ある……?」
タツミが召喚されるまであと10年。
エルタツを語る上で欠かせないのが、エルヴィンの鉱物である『クロワッサン』だった。
なんと言っても、エルヴィンの趣味は『パン屋巡りならぬクロワッサン巡り』。
エルタツの初デートでもクロワッサンを買いに行く位である。
つまり。
「10年で超有名なクロワッサン屋さんになれば……エルタツちゃんが買いに来てくれる……!?」
何の因果か、ジュディはパン屋の女将さんである。
これはもうパン屋になれという神からの思し召しとしか思えない。
きっと、男の子の代わりに死んだ自分を憐れに思った神様が、最後に温情をかけてくれたのだろう。
「神様……感謝します……!!」
絶対に推しカプを生で拝んでみせる。
美咲は力強く頷き、ノートに大きく『エルタツちゃんを拝む』と記すのだった。
0
あなたにおすすめの小説
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
乙女ゲームのヒロインに転生したのに、ストーリーが始まる前になぜかウチの従者が全部終わらせてたんですが
侑子
恋愛
十歳の時、自分が乙女ゲームのヒロインに転生していたと気づいたアリス。幼なじみで従者のジェイドと準備をしながら、ハッピーエンドを目指してゲームスタートの魔法学園入学までの日々を過ごす。
しかし、いざ入学してみれば、攻略対象たちはなぜか皆他の令嬢たちとラブラブで、アリスの入る隙間はこれっぽっちもない。
「どうして!? 一体どうしてなの~!?」
いつの間にか従者に外堀を埋められ、乙女ゲームが始まらないようにされていたヒロインのお話。
女性が少ない世界に転生した控えめ伯爵令嬢、なぜか五人の婚約候補に選ばれて少しずつ恋を知っていきます
ノッポ
恋愛
女性が極端に少ない異世界に転生した私は、気づけば伯爵令嬢になっていた。
前世は日本で普通に生きていたせいか、貴族令嬢らしい強気な振る舞いがどうしても苦手。
社交界デビューを迎えても、「どうして私が選ばれるの?」と戸惑うばかりだった。
けれど今年デビューする高位令嬢はわずか三人。
家同士の思惑も重なり、騎士団長家の息子、宰相子息、魔術師団長の息子、幼なじみの侯爵子息、そして英雄騎士――
五人の若きエリートとのお見合いが次々と始まってしまう。
遠慮がちで控えめな性格は、この世界では珍しく、気づけば少しずつ距離を縮めていく彼ら。
異世界での恋愛に戸惑う日々。けれど出会いを重ねるたびに、私は少しずつ変わっていく――。
女性希少世界で、自分の幸せを選べるようになるまでの逆ハーレム恋愛ファンタジー。
私の作るおにぎりが、騎士団の士気を異常に上げています(犯人は副団長)
星乃和花
恋愛
おにぎりを配っただけで、騎士団の士気が異常値になりました。
団長は警戒、監察部は呪術検査、国まで動きかけるのに――副団長だけが平然と断言。
副団長「彼女のご飯は軍事物資です」
私「えっ重い」
胃袋で落ちた策略家副団長の“最適化溺愛”に巻き込まれ、気づけば専属補給係(=婚約)寸前!?
ほのぼの爆笑&甘々の騎士団ラブコメです。
(月水金21:00更新ー本編16話+後日談6話)
乙女ゲームの中の≪喫茶店の店長≫というモブに転生したら、推しが来店しました。
千見るくら
恋愛
社畜OL、乙女ゲームの世界に転生!?
でも私が転生したのは――女主人公でも攻略対象でもなく、ただの喫茶店の店長(モブ)だった。
舞台は大人気乙女ゲーム『ときめき☆青春学園~キミの隣は空いてますか?~』。
放課後、女主人公と攻略キャラがデートにやってくるこの店は、いわば恋愛イベントスポット。
そんな場所で私は、「選択肢C.おまかせメニュー」を選んでくる女主人公のため、飲料メーカーで培った知識を駆使して「魂の一杯」を提供する。
すると――攻略キャラ(推し)の様子が、なんかおかしい。
見覚えのないメッセージウインドウが見えるのですが……いやいや、そんな、私モブですが!?
転生モブ女子×攻略キャラの恋愛フラグが立ちすぎる喫茶店、ここに開店!
※20260116執筆中の連載作品のショート版です。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
【ご報告】
最終回まで予約投稿済みです。
毎日8時・20時に更新予定です。
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
男女比バグった世界で美女チート無双〜それでも私は冒険がしたい!〜
具なっしー
恋愛
日本で暮らしていた23歳喪女だった女の子が交通事故で死んで、神様にチートを貰い、獣人の世界に転生させられた!!気づいたらそこは森の中で体は15歳くらいの女の子だった!ステータスを開いてみるとなんと白鳥兎獣人という幻の種族で、白いふわふわのウサ耳と、神秘的な白鳥の羽が生えていた。そしてなんとなんと、そこは男女比が10:1の偏った世界で、一妻多夫が普通の世界!そんな世界で、せっかく転生したんだし、旅をする!と決意した主人公は絶世の美女で…だんだん彼女を囲う男達が増えていく話。
主人公は見た目に反してめちゃくちゃ強いand地球の知識があるのでチートしまくります。
みたいなはなし
※表紙はAIです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる