盲導犬

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盲導犬

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一休み(2)
 日常のささいな事柄を短編にてお話します。

--- すき家にて ---




 ついこの前、バイト達が全国的に一斉に不平を元に辞めて、BLACKの烙印を押された牛丼屋のすき家。僕は結構利用していて、その変化も肌で感じていた。




「ご注文よろしいですか?」




 と聞かれ、




「ええと、ネギ玉牛丼とトン汁サラダセット」




「はい」




 さすがにしごかれているのか、ハキハキした答え。




「あ、あと、スーパードライ」




「はっ?すーぱぁ?」




 良く聞こえなかった様だ。




「いや、スーパードライ一本」
「あ、すぱぁ一本ですかぁ?」




 何度言っても、良く僕の言っている事が分からないらしいウエイトレスを、あれ?と思って見た。



 名札を見ると、「カットユン」さんだった。




日本人かと思っていたが、そうか、なるほど。メニューの内容は教わっているけど、ビールは解かっても、「スーパードライ」は習っていないのだな。




 こんなコミュニケーションギャップがこれから多々あるだろう。













--- ひょうきんなオバサン ---




 電車の中で、2,3歳の女の子が大声で泣いていた。
 お母さんは何とかあやす様抱っこして揺らしていたが、一向に泣き止まない。周囲の人も子どもの事だからと我慢しているが、やはり周りに迷惑を掛けている事は明らかなので、お母さんは泣き止ませるのに必死だ。
 そのお母さんの背中ごしから、抱っこされているその女の子の気を引いて、何とか泣き止ませようとしているオバサンが居た。孫をあやしているおばあちゃんって感じだ。
そのオバサンはお母さんの背中の方に居て、女の子がお母さんの肩越しにそのオバサンと対面で女の子と顔を合わせた格好だ。




「べろべろ、バーっ!」




 周囲の目も気にせず、そのオバサンは一生懸命ヘン顔をしまくっていた。







 女の子が泣き止まない理由が解かった。













--- 盲導犬 ---




 混んでいる電車の中で、ふわっと、空間が出来た。
 見ると盲導犬を連れている盲目の女性がホームから入って来たからだった。




「あ、どうぞ」




 と若い女性が席を譲る。




「ありがとうございます」




 その女性は素直に好意を受け入れ座ると、連れている大きい真っ白な盲導犬は、彼女の足の間に入り、伏せて気持ちよさそうに目を閉じた。そのまま盲目の彼女と一体の様に寄り添っていた。
 周囲はみなそれを暖かい目で見ていた。




 近くにいたギャルっぽい二人組でさえも、




「えーっ、マジ、あのドウモウ犬カワイクない?」




 と言っていた。







 ドウモウ犬じゃない。


(了)
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