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出会い編
第4話
しおりを挟む身分証明書は、おばちゃんに協力してもらって発行することができた。
そして、家賃は給金から引くということで食堂の近くの一室を借りた。
おばちゃんが管理してる部屋らしい。
手洗い場もあるし小さめだがお風呂もある。トイレもキッチンも設備されている。
部屋の中は狭めだが、小柄な私には十分だ。
必要なものはまた調達していけばいい。
恵まれすぎて逆に怖い。
仕事場といい、住む場所といい、1日で宛が見つかって実に運がいい。
*****
これから住む場所となった部屋の鏡で自分の髪の毛をひとつにまとめる。
今日から食堂で働くことになった。
まだ不慣れなので最初の方は仕事場の人達に教えて貰いながら仕事をする。
少し、ワクワクする。
上機嫌で仕事場の服装に着替える。
村から出てきた時に着ていたワンピースよりも可愛いデザインだ。襟元には小さな赤いリボンが付いている。
鏡の前でくるりと回る。
大きなクリクリの目が特徴の私の顔。
鼻だって皆よりはだいぶ小ぶりだ。
そんな顔の私に可愛らしいワンピース。
ーーーーやっぱり···13歳に見えるかもしれない。
自分から見ても幼く見える事実に少し笑えた。
*****
意気揚々と仕事場である食堂に向かう。
徒歩たったの3分。
あっという間に着いた。
キッチンの中に入ると、皆は忙しそうに準備をしている。
まだ朝日が昇りかけの早い時間帯。
すごい。
昨日は見ることができなかったが、キッチン内には多くの場所で魔法が活用されていた。
洗い場では水が蛇口からではなく何も無い場所からジャージャー出ては消えている。
なるほど。排水除去も出来るらしい。
他にも色々な機能を持った魔法があったが、お客さんに料理を運びぶ事も魔法で出来そうだなーと思ってしまった。
でも人が運ぶことに意味があるのかもしれない。
皆が忙しく働く中、私はおばちゃんが来るのを今か今かと待ちわびた。
さて、待っている間にギルドの位置づけを確認しようと思う。
出入口の近くに受付嬢がいるギルドのカウンターがある。
そこで魔物討伐やら薬草取りやらの仕事の説明や許可、それに伴ったお金のやり取りが行われているそうだ。
もちろん、依頼などもそこでできるらしい。
そして依頼書が貼られたボードも受付カウンターの近くにデカデカと設置されている。
数え切れないほどの依頼書の数に昨日は驚いたものだ。
ギルド内の大半の場所にはは5人掛けの丸い木のテーブルと椅子がある。
それらは、仲間と話をする場所や私が働く食堂のご飯を食べる場所として活用されているらしい。
テーブルや椅子が並べられたギルド内は結構な距離で重労働そうだが、私にはイケメンを探すという目標もある。
イケメンとラブラブする時を夢見ながら、仕事に励もう。
そう私は心に誓ったのだった。
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