【R18】オークの花嫁〜魔王様がヤンデレ過ぎてついていけません!!〜

湊未来

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後編【ディーク視点】

④ ※

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「ひぃ、あぁぁ……、あぁ、うぅぅ、やぁぁ……」

 淫雛な香りが漂う愛の巣には、天使が飛び交う天井図が描かれ、室内を照らす橙色の魔法石が、幻想的な光を放ち揺れている。『ここは天界なのか?』と見紛うほど、神々しい雰囲気に包まれた部屋の真ん中、精巧な金細工の装飾が施された巨大なベッドの上、薄緑色の肌を持つ女が踊る。

 見えぬ力で頭上へと手を拘束され、動けないのか脚をM字型に開かれた状態で、固定されている。その女の身につけている衣装は、初夜の花嫁が着る夜着。可憐な花が刺繍された真っ白な夜着は、女の腰が揺れるたびに肌蹴、今は尻の下で丸まり、原型をとどめていない。

「あぁぁ、ディ、ディ……クさま、はやく……」

 恋しい人の名を呼ぶ叫声混じりの声が部屋に響くが、それに応える者はいない。その切なさを滲ませた声に呼応するかのように、女の蜜口に深々と突き刺さった張り型が蠢く。

「あっ――――、あぁぁ、いいぃぃ……、も、もっと……」

 張り型が蠢くと同時に甲高い叫声が響き、腰を揺らす女の背が弓形に跳ねた。しかし、女は腰を浮かせたまま痙攣するだけで、それ以上の快楽を得ることは出来ない。深々と埋められた張り型によって、快感を煽られるだけ煽られて、突き抜けるような快感は与えられない。そんな生殺しの状態が永遠と続く。

「はやく、はやく……、はやく、きて……、ディークさま……」

 女の切ない声が、また部屋へと響き消えていく。そんな状態がどれくらい続いただろうか。魔王就任の宴が最高潮に達する夜更け、扉のドアノブが回され、この部屋の主人が帰ってきた。

「ミレイユ、待たせましたね」

「ディ、ディークさま……、はやく、はやく……ちょうだい」

「ふふふ、ミレイユ、腰が揺れていますよ。張り型は、お気に召しませんでしたか?」

「あなたじゃないと、逝けないの。これじゃ、ダメなの」

「そうですね。ミレイユの身体は、私の精液を注いでもらわなければ満足出来ない。でも、この張り型も、私の魔力を注いで造られたものですよ。私がいない間の慰めにはなりましょう」

「いや、いやぁ、拘束されてたら、動かせない」

「それは、仕方ない。あなたの手を自由にしたら、この張り型で狂ったように蜜道を穿つでしょ。大切なミレイユが傷つくのは本意ではありません。それに、私の名前を呼べば、この張り型が応えてくれるでしょ。私の魔力が注入されて、狂おしいほどの性衝動が少し抑えられるはずです」

「それじゃ、足りない、足りないの。もう、我慢できないから……、ディークさま、はやく」

「くくく、仕方ないですね。でも、私は帰ってきたばかりで、すぐにミレイユを満足させてあげられない。準備を手伝ってくれますね?」

「はやく、はやく、ちょうだい」

 急かすように紡がれるミレイユの言葉に、私の心が満たされていく。張り型が突き刺さった蜜口から涎を垂らし、キツすぎる快感に腰を揺らすミレイユは、妖艶な香りを放ち我を誘う。その甘い香りに頭がクラクラする。

 この部屋に充満する甘い香りは、ミレイユから放たれるものだ。快感が極まれば、極まるほど強く甘くなる香りは、媚薬のように男を誘う。私の精液がミレイユの媚薬となるのと同じように、ミレイユの放つ甘い香りは、雄を発情させる。この匂いを嗅ぐだけで、頭が酩酊し、男根が天を向く。並の男であれば、その強すぎる香りに、理性を失い獣となることだろう。

 腰を揺らし、私を誘うミレイユの拘束を解いてやる。それと同時に、獣ように私に飛びついたミレイユに唇を塞がれる。性急な動きに、心の中で笑みを浮かべながら、嬉々として彼女の舌を口腔内へと迎え入れた。己の口内を縦横無尽に動き回る舌を追いかけ、捕まえ、絡ませる。口淫を続けるミレイユは、私の下腹部へと手を伸ばし、ベルトを外すと、器用にトラウザーズの前ボタンを開け、反応し始めた男根を取り出した。

 滑らかな手に握られ、指先で亀頭の裏側をツ、ツーっと擦られれば、男根は硬さを増し天を向いていく。身体を重ねて数日、日々の性交で男を喜ばせるテクニックを身につけたミレイユは、妖艶に男を翻弄する女へと変わった。筋肉質だった身体は、ほどよく筋肉が削がれ、丸みを帯びた女性らしい身体へと変化し、赤髪は艶めきキラキラと輝く。この世のものとは思えないほどの美しく妖艶な魅力を備えたミレイユは、この魔界でも随一の美女へと変貌を遂げた。自分の容姿に極度のコンプレックスを持っていた過去のミレイユが、今の変貌ぶりを見たら、歓喜の涙を流したことだろう。

 しかし、その変貌をミレイユが気づくことはない。

 ミレイユの劣等感は、彼女の愛を我に繋ぎ止めておくための枷となる。だから、知らない方がいい。

 仄暗い独占欲が心を満たし、黒い笑みが浮かぶ。

「どうしました? ミレイユ」

「ディークさま、ミレイユの愛撫は、気持ちよくないですか?」

 夢中で男根をいじっていたミレイユの手が止まり、不安そうな碧色の瞳が私を見上げる。仄暗い感情を堪能している間に、心ここにあらずになっていたようだ。

「いいえ、とても気持ちいいですよ。あまりの気持ちよさに、気をやっていました」

「……うそ、ばっかり」

「嘘ではありませんよ。ここ数日で、ミレイユは私を喜ばせる性技を幾つも身につけてくれましたよね。それも、始めは拙かった愛撫も、あっという間に上達した。全て私のためだけに、覚えてくれたのでしょ。それを聞いて、嬉しいと思わない男はいませんよ。さぁ、次はミレイユを気持ちよくしてあげましょうね」

「えっ、ちょ、待って……」

 スッと指先を動かせば、ミレイユの身体が宙を舞い、私の望む姿勢へと固定される。私の顔を跨ぐように四つん這いに固定されたミレイユの眼前には、天を向いた己の男根が見えていることだろう。
『この体勢で、お互いを慰めたことはなかったな』と、そんなどうでもいいことを考えながら、眼前に晒された蜜口の二つの花弁の縁をぐるりと舐め回す。

「ひっ――――、んぅぅ……、はぁぁ~んぅ……」

 待ち侘びた刺激を受け、ミレイユの口から甘い叫声が響き、腰が激しく上下に蠢く。逃げを打つ腰に魔法をかけ、固定してしまえば、逃げることは出来なくなった。ぐっぽりと張り型が突き刺さった蜜口の上部、赤く熟れた蜜芽が顔を覗かせる。始めは慎ましく包皮をかぶっていた蜜芽は、舐められ、潰され、捏ねられ、私がいない時も常に豪奢なリングの装飾をつけられ、今やぷっくりと膨れ常時、勃起した状態を保っている。我を誘う淫雛な蜜芽を口に含み転がし食めば、敏感に躾けられた蜜芽は強烈な快感をミレイユへと与えた。

 張り型の持ち手を伝い、愛液が滴り落ちる。きっと、ミレイユの蜜道は私の男根を欲しがって蠢いていることだろう。だが、まだだ。すぐに、望むものを与えてしまっては面白くない。

 ミレイユには、狂うほどに私を欲しがってほしい。
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