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抑え込まれた衝動【廉視点】
俺は何をやっているんだ……
頭上から降り注ぐ冷たいシャワーを浴びながら、燻り続ける熱を冷まそうと躍起になるがうまくいかない。美咲の妖艶な痴態が脳裏をかすめ、身体の中を荒れ狂う熱は昂るいっぽうだ。
まさか美咲から求められるとは思っていなかった。逃げられないように手を回し、無理やり同居へと持ち込んだ。後悔などしていない。
ただ、美咲の言葉に理性が焼き切れた。
あの場面で思いとどまれたのは奇跡としか言えない。
あそこまで追いつめるつもりはなかった。可愛くない言葉ばかり並べる美咲を少しだけ懲らしめるつもりだった。ただ、それだけだったのに、感じやすい美咲の身体は愛撫に反応し、艶めいた声をあげる。そんな可愛い反応を見せられ、煽られない男はいない。
今も美咲の痴態を思い出すだけで、欲望が頭をもたげる。熱くたぎる欲望を見下ろし、廉はため息をこぼす。
盛りのついた獣でもあるまいし。
美咲と別れてからの三年、女の影がなかったとは言わない。面倒にならない女とのワンナイトラブ。
抱いている女を美咲に重ねても欲が満たされることはなかった。身体を重ねれば重ねるほど心は死んでいく。いつしか満たされない心は壊れ、執着とも呼べる狂気を生みだした。
満たされない心を満たすように、美咲の周辺を探り、あらゆる手段を用い、美咲を囲い込むことに成功した。
姑息な真似をしている自覚はある。ただ、もう止められない。
「貴方を好きになることなんて、絶対にないんだから、か……」
虚しい想いだけが、心につもっていく。
美咲の手首を縛り、思いのまま彼女の身体を貪ったところで、ぽっかりと空いた心が満たされることはない。
「くくく、さらに嫌われたか……」
美咲のアパートを勝手に引き払い、強制的にこのマンションに連れて来た時から嫌われている。さらに嫌われたところで、今さらか。美咲を手放すことは出来ないのだから。
嫌われていようと、追いつめ頼る者が居なければ、俺の手に落ちてくるしかない。
仄暗い感情を内に秘め廉は、今後の策を頭の中で巡らす。
美咲の行動は全てGPSアプリで追跡可能だ。変な行動を起こせば直ぐに連絡が来るようになっている。大学は女子大だから問題はない。しかし、バイト先の内情まではわからない。
親しい男がいないとも限らない。美咲との関係を脅かす存在は、早急に排除しておく必要がある。
(本格的な身辺調査を依頼する必要が出てくるかぁ。確かバイト先は、イタリアンレストランだったな。一度、行ってみるか……)
突然、店に現れた廉を見て慌てふためく美咲を想像し、笑みが浮かぶ。
(さて、彼女はどんな反応を見せるか)
顔を真っ赤にして自分を睨む美咲の顔が、快感に瞳を潤ませ自分を睨んだ艶めいた顔と重なる。
上気していく頬に、飛び散る汗。裸体をくねらせ快感に翻弄されながらも、決して堕ちないとでも言うように強い意思を宿す瞳に煽られる。そして、立ち昇る妖艶な香りに、欲望は際限なく昂っていく。
本当、堪らないな。
『入れて……』
あの言葉は美咲の本心だったのだろうか。それとも、欲望が魅せた幻想だったのか。
完全に立ち上がり主張する屹立を見つめ、苦笑を漏らす。身体は冷え切っているのにおさまることを知らぬ欲望を見つめ、美咲の痴態を脳裏に浮かべる。
冷たいシャワーが降り注ぐ浴室には、いつまでもくぐもった艶声が響いていた。
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