1軍陽キャ幼なじみの猛攻♡

すももゆず

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猛攻編

成人式にて*

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 年の暮れに起こった璃央との騒動。
 そう、俺は1軍陽キャでしかもイケメンである、格が違いすぎる幼なじみの璃央から告白をされた。しかも酔った勢いでセッ……クスまでしてしまった。

『だってオレ、勇気出して告白したんだぞ。お前を落とすまで続けてやる。覚悟しろよ?』

 そんな宣言までされ……

 年が明けて早々、SNS警備をしてソシャゲにログインしていると、璃央から『あけおめ』ってメッセージがきた。いつもは来ないのに。それから数日間、ちまちまとしたやりとりが続いたりした。

 また会ったりするのかなと思ったけど、誘いはなかった。あっちも予定があるんだろ。人気者だし。
 冬休みが終われば璃央は一人暮らし先に戻るのか。いや、会いたいってわけではないし期待してるわけでもないけど……つか、あれから璃央のことばっかり考えてる。そりゃリアルでの恋愛経験ゼロだし……はっ、あえて距離を取ることにより相手に自分のことを考えさせる……これも璃央の作戦なのか!?

 自分でもよくわからない感情に悶えていると、ふと思い出した。

 明日、成人式だ。





 陰キャで出不精の俺にとって、成人式はとてつもなくめんどくさかった。でも親が張り切る手前行くしかなかった。スーツを着て、なんとか見てくれだけは整えた。

 会場で待ち合わせた中学の頃の友達(もちろんオタク)と合流。久しぶりに話すやつもいて、最近ハマってるジャンルとかの話で盛り上がった。最初は渋っていたものの、なんだかんだわりと楽しく過ごしていた。

 その時、わいわいと騒ぐ集団が目に入った。あれは、中学の頃のパリピ集団筆頭! 

 待てよ、ということは、あの中には……!
 璃央がいる、と気づいた途端に、本人と目があった。メッセージで会話はしたものの、あれから面と向かって会ってはなかったから、気まずい。どうしよう、と慌てる間に璃央は迷いなくずんずんと近づいてきて、手を取られた。

「あけおめ」
「あ、あけおめ……」
「ちょっと来い」
「え」

 一緒にいた友達を見やると、グッドラック!と言わんばかりに、みんな親指を立てていた。わかるよ、1軍には関わりたくないもんなぁ……!


 そのまま腕を引っ張られ、建物の裏まで連れてこられた。なにされるんだ!?と身構えていると、

「写真、撮ろ」

 璃央がスマホを構えた。ちょっと恥ずかしそうに照れている。拍子抜けだ。「なんだ、写真か……」と強張った肩を下ろすと、璃央はニヤリと笑って距離を詰めてきた。

「なに、期待した? すけべ♡」
「ちがう!そういう意味じゃない!」

 だって前はアレやコレやしたんだし、エロいことされるんじゃないかとか思うだろ……断じて期待とかではない。

 飛びつかれるみたいに肩を組まれ、体が密着する。璃央はインカメラにしたスマホを持つ腕を伸ばし、2人を画面におさめた。

 画面に映る璃央もめっちゃくちゃイケメンじゃん。この顔を毎日鏡で見てるのに、俺の写真なんているかぁ……? でもこいつ、俺のこと好きなんだよな……? いまだに理由わからんけど、好きだから写真撮りたいって思ってくれたのかな……

 パシャシャシャシャシャシャシャ!!

「連写かよ!」
「知らねーの? 最近は連写が定番だぞ」

 それ、パリピだけじゃねーの……?
 璃央は撮れた写真を満足そうに確認し、フッと笑った。

「馬子にも衣装ってやつだな」

 璃央は灰色のストライプが入ったスーツに黒シャツで、オシャレな柄のネクタイをつけている。髪も綺麗にセットして、ピアスもきっちりつけている。対して俺は平凡な黒のスーツ。傍から見たらカツアゲされてるように見られそうだ。

「うるさいな。お前に比べたらそうだろうな。俺と違って璃央はすっげー似合ってるよ」

 皮肉と同時に褒めると、璃央の顔はどんどん赤く染まっていく。

「……和真に褒められたかったから」
「ん?」

 褒められたかった? ボソッと聞こえた言葉に耳を疑って聞き返すと、璃央はキッと眉を上げた。

「和真にかっけーって思ってもらって、褒めてもらいたかったから、キメてきたんだよ!」

 お、俺のためぇ……!?
 照れながら、意地になって声を張り上げる璃央。そのあとで、ツンと顔を逸らす。

「気づいてないだろうけど」
「ごめん……まさか俺のためだとは夢にも思わなくて」
「知ってますよーだ。そんなんじゃ一生彼女できねーぞ、この鈍感。ま、作らせてやんねぇけど」

 ……っ! こいつ……恥じらうんだか揶揄うんだか攻めるんだか、どれかにしてくれねぇかな……!?

 何から文句を言うか言葉に迷ってると、璃央は「で、」と話題を変えた。

「このあとの同窓会は? 行かねーの?」
「行かねーよ……」
「なんで?」

 璃央はこてんと首を傾げる。なんでって、そりゃあ……

「陰キャは同窓会には求められてねぇからだよ。みんなで集まりたいってのは、陽キャが仲良いやつだけで集まりたいって意味なの。行って『こいつ誰だっけ?』な態度取られんのは嫌だ!惨め! 陰キャは陰キャで集まって過ごす!」

 思ってたことを全て言い切ってしまい、ハッと動きを止めた。璃央は真顔でふーん、と聞いていた。まずい、さすがに卑屈すぎた。だから俺は陰キャなんだよ……! あぁ……消えたい……

「オレは来て欲しかったのに」

 ……は?
 顔を上げると、璃央は不貞腐れたような顔をしていた。

「マジで?」
「そう言ったろ! まあ、そんなに嫌なら無理しなくていいし……でも、代わりに」

 1歩距離を詰められ、ぎゅ~~っと、強い力で抱きしめられた。さすがに腕は回せなくて、棒立ちになってしまう。

「……今日、会えて嬉しかった」
「お、おう……」
「友達と集まるくらいはギリ許すけど、ベタベタすんなよ。ムカつくから」

 それは……もしかしてやきもちなのか……!?

「ホテルに連れ込まれたり、ヤられたりすんなよ」
「それはマジでお前以外にねーわ!! てかお前が言うな!!」
「ははっ、そりゃそーだ」

 璃央はクスクスと笑い、俺の背中を優しく叩く。大切にされてるみたいで、気恥ずかしい。

 やがて体は離れて、その良すぎる顔と見つめ合ううちに、唇が近づいてくる。キスされる、と分かったのに、何故かそのまま受け入れてしまった。砂糖の入った紅茶みたいに甘かった。恥ずかしすぎて顔が熱い。

「オレとのキス、気に入った?」
「いやそういうわけじゃなくて、なんか、逸らせなくて……お前イケメンだし(?)」
「はあ、何だその顔。ずりーな。こっちは我慢してんのに」
「なにを!?」
「まあ今日は勘弁してやる。今日はな。んじゃ、またな」
「ま、また……」

 念押しされた……嵐のような時間だった……
 璃央の去っていく後ろ姿を見つめながら、立ち尽くした。

 俺を揶揄う時には涼しい顔してるのに、好意を伝えるときは真っ赤になって小声で……慣れてないことを頑張って伝えようとしてるのが不器用で可愛いな、とか思ってしまって。

 これが璃央の言う『覚悟しろよ』なのか。そうなんだったら、ずるすぎやしないか。振り幅がでかすぎる。

 またしばらく、璃央に頭の中を支配されてしまいそうだ……





「ん……っ……ふっ……」

 同窓会は盛り上がり、終わる頃には日を跨いでいた。帰宅後、寝る準備を整え、オレは自室でオナっていた。スマホの画面に映るオカズはもちろん、和真。今日撮ったやつ。

 スーツの和真、すげぇキたな……
 マジで似合ってなくてスーツに着られてたのは面白かったけど、それがかわいかった。どうしても写真撮りたくて無理矢理連れ出したし……まあ、隠し撮りもしたけど。

 和真とのやりとりを頭に浮かべながら、あのスーツを脱がしてベッドで乱れる姿を妄想すると、一気に射精欲が高まる。和真のナカの気持ちよさを思いながら、自分の手の速度を速めていく。

「ッ……♡ は……和真……♡」

 ……しばらくは、この写真で抜けそうだ。

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