アンダーンシエ

山縣

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IV

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 目が覚めたらもう朝。寝る前に少し興奮してしまったけれどぐっすり眠れて良かった。
 
 朝ごはんを食べ終わると早速部屋の鏡に向かった。
 布を取り払うと楓ちゃんはいた。
 あの狭い鏡の中をウロウロしていた。きっとすっごく暇なんだろうな。一体どれだけの時間をあそこで過ごしているんだろう。
 ここは森の奥の方にあって近所づきあいなんてないし近くに同じ歳くらいの子もいなくてパパとママには言っていなかったけれど友達ができるのかずっと不安だった。
 でもこんなところにいたなんて。本当はもっと歳上かもしれないけれど見た目は私と同じ8歳くらいだしよかった。
 楓ちゃんと友達になろう。
 絶対に楓ちゃんとは仲はわるくなりたくないな。
 「楓ちゃん。おはよ。って寝てないんだっけ。」
 「本当にまた来てくれたんだ! ありがとう! おはよユナちゃん。」
 「本当に来たって私のこと疑ってたの? 友達なんだから約束破るわけないじゃん。」
 「そっか。私たち友達だもんね。疑っちゃってごめんね。」
 「大丈夫! もうそんなことに気にしてない」
 さりげなく友達と言ったけれど良かった。
 その後は楓ちゃんのパパとママのお話や私のパパとママのお話をした。

 あっという間に夕方になってしまった。久しぶりに長い間お話をしてとても楽しかった。
 「夜更かしをするとママに怒られちゃうから夜はあんまりお話しできないわ。ごめんね。」
 「大丈夫よ。明日もまたお話ししましょう」
 「そうしましょう。また明日ね。」
 「ユナちゃんまた明日ね。おやすみ。」
 「おやすみ楓ちゃん。」
 
 パパとママに楓ちゃんの事を話そうと思ったけれど、私と楓ちゃんだけの秘密にすることにした。
 パパとママに隠し事をするのってなんだか成長した気分だ。
 
 次の日は、お話じゃなくてお絵描きをして遊んだ。
 私がずっと描いて遊んでるんじゃなくて鏡越しに手を合わせて私の中を楓ちゃんと私で入れ替わりながら交互に絵を描いて遊んだ。
 楓ちゃんはどうとっても絵が上手だった。本当は何歳なのかとてもきになるけどなんとなく聞きづらかった。
 
 また次の日はまたお話をした。女子特有というのか、話は全く尽きない。
 楓ちゃんと遊んでいると時間があっという間に過ぎていった。
 
 たまに家の外に鏡で入れ替わりながら出て綺麗な形の葉っぱを見つけるゲームをしたりお飯事セットを持っていたからそれで遊んだりもした。

 楓ちゃんと遊んでいると本当に楽しいし時間があっという間に過ぎるのがもったいないくらいだった。ずっと楓ちゃんと遊んでいたいと思った。
 夜更かしをするとママに怒られるけどそんなこともどうでもよくなって楓ちゃんと遊ぶようになった。
 楓ちゃんに寝たほうがいいよ。とかママに怒られちゃうよ。と言われたけれどどうでも良かった。私は楓ちゃんと遊びたかった。
 
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