78 / 387
見据える未来、払拭できない過去
15
しおりを挟む
……は? と間抜けな声が響く。帰るなどという選択は全員の中になかった。違約金など、再就職はできないなどと言われ、誰もが配信予定日まで一睡もさせずに働かされるのではないかと思っていた。
「ただでさえ男性ばかりでむさ苦しいのに、空気も淀んでこれじゃ仕事も捗りません。寝ずに仕事をするのもけっこうですが、集中力の欠けた頭ではミスも目立ちます。本日を含めて3日間、全員に有給を与えます。社長には私から許可をとっておきます」
長い足をすっと組んだ千愛希。スカートの下からすらっと伸びたストッキングに包まれた白く美しい足に数人の男達は視線を移した。
「身なりを整え、十分な睡眠と食事を摂ってから4日後に出勤してきて下さい。それまでに企画を考え、プログラムを整えておきます」
「ちょっ……いくらあなたでも3日でなんて……」
木田という男が言った。流されやすいタイプの男で、仕事を押し付けられる傾向にある。千愛希の陰口にも聞き手として頷いている内に、いつの間にか仲間に加わっていた。
デザイナーとしては優秀だが、自分の意見を通すのは苦手な男。しかし、プランナーとしても何度か仕事をしてきた木田にとって、千愛希の提案はあまりにも無謀に見えた。
「ここに派遣された以上、最悪な状況を覆すのが私の仕事です。私は、私の仕事をします。ですから、あなた方は自分達の仕事に責任と誇りを持って下さい。言っときますけど、仕事に情熱を持てない人間を私は社員として認めません」
なっ……。ぽかーん、と社員達の口がだらしなく開く。
「クリエイターとして少しでもプライドがあるのなら、食らいついてきなさい。そしたら私が、このアプリを今年度で1番ダウンロード数の多い人気新作アプリにしてあげる」
そう言って千愛希は口角を上げた。
「ただでさえ男性ばかりでむさ苦しいのに、空気も淀んでこれじゃ仕事も捗りません。寝ずに仕事をするのもけっこうですが、集中力の欠けた頭ではミスも目立ちます。本日を含めて3日間、全員に有給を与えます。社長には私から許可をとっておきます」
長い足をすっと組んだ千愛希。スカートの下からすらっと伸びたストッキングに包まれた白く美しい足に数人の男達は視線を移した。
「身なりを整え、十分な睡眠と食事を摂ってから4日後に出勤してきて下さい。それまでに企画を考え、プログラムを整えておきます」
「ちょっ……いくらあなたでも3日でなんて……」
木田という男が言った。流されやすいタイプの男で、仕事を押し付けられる傾向にある。千愛希の陰口にも聞き手として頷いている内に、いつの間にか仲間に加わっていた。
デザイナーとしては優秀だが、自分の意見を通すのは苦手な男。しかし、プランナーとしても何度か仕事をしてきた木田にとって、千愛希の提案はあまりにも無謀に見えた。
「ここに派遣された以上、最悪な状況を覆すのが私の仕事です。私は、私の仕事をします。ですから、あなた方は自分達の仕事に責任と誇りを持って下さい。言っときますけど、仕事に情熱を持てない人間を私は社員として認めません」
なっ……。ぽかーん、と社員達の口がだらしなく開く。
「クリエイターとして少しでもプライドがあるのなら、食らいついてきなさい。そしたら私が、このアプリを今年度で1番ダウンロード数の多い人気新作アプリにしてあげる」
そう言って千愛希は口角を上げた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる