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最恐の男
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本日の仕上げを終えた睦月はうーんと大きく伸びをした。誰もいない事務所内は、パソコンの機械音だけが大きく響いて聞こえた。
あと少しだけ。そう思っていたはずが、時計を見れば既に22時を回っていた。他の社員を早く帰すためには睦月自身が少し無理をするのも仕方のないことだった。
千愛希に仕事を制限するように言ったのも、自分が毎日残業となり、千愛希との時間が取りにくかったというのが一つ理由としてあった。
すっかり独身貴族まっしぐらな睦月にとっては、何時に帰宅しようと自宅で待っている者はいない。自分の時間は全て自分だけのものであって、朝5時に起床することが日課だったとしてもそれに対して辛いと悲鳴を上げるのは自分の体だけだ。
「さて……」
睦月はパソコンの電源を切る前に、数時間前から楽しみにしていた動画ファイルを開いた。家に持ち帰ってゆっくり再修正をかけようと思っていた。
千愛希に振られた時、胸が張り裂けそうな思いだった。睦月の知る千愛希は愛情表現が上手くはないし、甘えられるタイプでもない。自分は千愛希の性格をわかっているからこそ、そんなところも彼女の魅力だと思えたが、他の男では可愛気がないと思われても仕方がないと勝手に思っていた。
だから、律と上手くいかないことも半ば当然のように感じていた。1年付き合っていても尚、気持ちが一方通行ならば、この先何ヶ月、何年一緒にいたところで好転するはずがないと考えるのが妥当だった。
まさか千愛希があんなにも嬉しそうに律とのことを報告してくるだなんて思うはずがない。本来ならなぜそんなことになったんだと問い詰めたかったが、幸せそうな千愛希の邪魔をしたくない良心も残ってはいた。
あと少しだけ。そう思っていたはずが、時計を見れば既に22時を回っていた。他の社員を早く帰すためには睦月自身が少し無理をするのも仕方のないことだった。
千愛希に仕事を制限するように言ったのも、自分が毎日残業となり、千愛希との時間が取りにくかったというのが一つ理由としてあった。
すっかり独身貴族まっしぐらな睦月にとっては、何時に帰宅しようと自宅で待っている者はいない。自分の時間は全て自分だけのものであって、朝5時に起床することが日課だったとしてもそれに対して辛いと悲鳴を上げるのは自分の体だけだ。
「さて……」
睦月はパソコンの電源を切る前に、数時間前から楽しみにしていた動画ファイルを開いた。家に持ち帰ってゆっくり再修正をかけようと思っていた。
千愛希に振られた時、胸が張り裂けそうな思いだった。睦月の知る千愛希は愛情表現が上手くはないし、甘えられるタイプでもない。自分は千愛希の性格をわかっているからこそ、そんなところも彼女の魅力だと思えたが、他の男では可愛気がないと思われても仕方がないと勝手に思っていた。
だから、律と上手くいかないことも半ば当然のように感じていた。1年付き合っていても尚、気持ちが一方通行ならば、この先何ヶ月、何年一緒にいたところで好転するはずがないと考えるのが妥当だった。
まさか千愛希があんなにも嬉しそうに律とのことを報告してくるだなんて思うはずがない。本来ならなぜそんなことになったんだと問い詰めたかったが、幸せそうな千愛希の邪魔をしたくない良心も残ってはいた。
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