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最恐の男
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「貴方のパソコンから入手したものです」
「はい……。確かに私が修正をした動画です」
「この動画は削除させていただきます。千愛希さんのために」
「……はい」
チラリと見えた動画にまだ入手したい欲望は残る。その一方でようやく千愛希に対する罪悪感も募らせていた。
律は、睦月に見えるように目の前でその動画を削除した。
「これで彼女の画像はなくなりました。間違って世の中に出回ることもない」
一度は危惧したインターネット上に晒される展開に触れた律に、睦月はドキリと飛び上がった。
「ハッキングを専門にしている方はそれなりにいるのでしょうね。曽根さんや千愛希さんのように、パソコンを知り尽くした人間が他にも。今回、私が貴方のパソコンに侵入できたということは、プロであればもっと短時間で可能だったでしょう」
「あのっ……その、ハッキングは本当に守屋さんがされたんでしょうか」
「ええ。方法は千愛希さんに教えてもらいましたが」
「やっぱり土浦でしたか……」
睦月はどこかホッとした。もしも律が自分や千愛希以上の知識と技術を持ち合わせていたら、それほどの脅威はないと身構えていたからだ。
「ですが、今回一度経験したので既に習得済です」
「習得済って……ハッキングはそう簡単なものでは……今回のハッキングも土浦が関与しているんですよね」
「いえ。彼女からはあくまでも方法を教えていただいただけで、彼女は動画の存在も私が曽根さんのパソコンに侵入したことも知りません」
「では……本当にご自分でハッキングなさったんですか?」
「ええ。他人より記憶力はいい方なんですよ。それに手先が少し器用でして」
さらりと言ってのけた律に、睦月は武者震いが止まらなかった。
「はい……。確かに私が修正をした動画です」
「この動画は削除させていただきます。千愛希さんのために」
「……はい」
チラリと見えた動画にまだ入手したい欲望は残る。その一方でようやく千愛希に対する罪悪感も募らせていた。
律は、睦月に見えるように目の前でその動画を削除した。
「これで彼女の画像はなくなりました。間違って世の中に出回ることもない」
一度は危惧したインターネット上に晒される展開に触れた律に、睦月はドキリと飛び上がった。
「ハッキングを専門にしている方はそれなりにいるのでしょうね。曽根さんや千愛希さんのように、パソコンを知り尽くした人間が他にも。今回、私が貴方のパソコンに侵入できたということは、プロであればもっと短時間で可能だったでしょう」
「あのっ……その、ハッキングは本当に守屋さんがされたんでしょうか」
「ええ。方法は千愛希さんに教えてもらいましたが」
「やっぱり土浦でしたか……」
睦月はどこかホッとした。もしも律が自分や千愛希以上の知識と技術を持ち合わせていたら、それほどの脅威はないと身構えていたからだ。
「ですが、今回一度経験したので既に習得済です」
「習得済って……ハッキングはそう簡単なものでは……今回のハッキングも土浦が関与しているんですよね」
「いえ。彼女からはあくまでも方法を教えていただいただけで、彼女は動画の存在も私が曽根さんのパソコンに侵入したことも知りません」
「では……本当にご自分でハッキングなさったんですか?」
「ええ。他人より記憶力はいい方なんですよ。それに手先が少し器用でして」
さらりと言ってのけた律に、睦月は武者震いが止まらなかった。
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