憂い視線のその先に

雪村こはる

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糖度150%、スパイス多め

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「うーん、まあそうね。じゃあお父さんとおばあちゃんにも聞いてみていいって言ったら前向きに検討しましょうね」

 ダリアは両手をパチンと合わせて、嬉しそうに笑った。律と千愛希は乾いた笑みを浮かべるが、なんとか今この話題から意識を逸らすことだけはできそうだととりあえず休戦状態の現状に胸を撫で下ろした。

 鍋の準備が整うと、慶吾の帰りを待つため一旦それぞれ解散となった。朝からゴルフに出かけたきり帰って来ないのだ。千愛希が来ることは了承済のため、夕食は摂らずに帰宅する手筈になっていた。

 すっかり日が暮れて辺りは真っ暗だった。夏ならばまだ空は明るい時間だというのに、寒さも相まってもっと遅い時間を錯覚させた。
 2階のフロアで寛ぐまどかと千愛希は、ダリアの言動を思い出しては苦笑を浮かべていた。当のダリアは、未だにキッチンで何時頃帰ってくるのか慶吾に確認の電話を入れているところだ。

 まどかと2人で話がしたかった千愛希は、律に頼んで周とまどかを別の場所に移してもらっていた。なるべく周とは2人になりたくなかった律だが、こんな厄介なことになったのも元はと言えば自分のせいだと再度自分を戒めるかのように心に言い聞かせた。

「千愛希ちゃん、ごめんね。私もなんて言ったらいいかわかんなくて」

「いえ、謝らないで下さい。私がまどかさんでも言葉に詰まって何も言えなかったと思いますし」

「結婚するって決まってたらこんなにスムーズなことはないんだけどね。でも、同居を考えてないからハッキリ断ることも大切かもね。ダリアさん凄く嬉しそうだったから、あまり期待させたままにしておくのも気の毒だし……」

 天真爛漫なダリアが落胆する顔を想像すると、それはそれで切ない気持ちになった。周とまどかの結婚も温かく受け入れてくれた3年前を思い出したら、未だに嬉しさが込み上げてくるのだ。
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