憂い視線のその先に

糖度150%、スパイス多め

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「うちから千愛希のマンションってちょっと離れてるから、この近くにマンション建たないかな。俺、住むなら新築じゃないと無理だし」

　千愛希は頭のどこかで、潔癖な律らしい言葉だと思う。他人が住んでいた家になんて何があるかわかんないから怖くて住めない。そんな言葉が加えられそうだった。

「この近くなら実家に通えるし、週の何回かはおばあちゃんの面倒も見れるしね。まあ、毎日顔だしてもいいし」

「う……ん」

「いいと思わない？」

「う、んっ……あっ……おもっ」

「そうだよね。じゃあ、俺がマンション買うから一緒に住もうか」

「……え？」

「いや？」

「っ……ううん」

　必死に頭を回転させる千愛希が、やっとの思いで返事をすると、律はまるで羽のように柔らかな笑顔で満足気に頷いた。
　それから千愛希の後頭部と腰を支えながら、そのまま後ろに体重をかけた。先程とは体勢が逆になり上から覆い被さる律は、千愛希の足を上げ、更に奥まで突き立てた。

「んーっ！」

　口を両手で塞いだまま、千愛希は小刻みに体を震わせ絶頂を迎えた。頭が真っ白になり、意識が飛びそうになる。そんな千愛希にお構いなしの律は、淫らに解された入り口を何度も擦り上げた。
　スピードは加速し、ザラザラとした千愛希の腟内が律をぎゅっと捕らえようとする。それに抗うかのように、潤滑の力を借りて律は腰を打ち付けた。

「ゃっ、ぁっ、あっ……」

　どうすることもできずに漏れ出す甘い声。さすがにこれ以上勘づかれたらまずい、と律はその唇を塞ぐように自らの唇を押し付けた。
　声を飲み込むようにして舌を絡める。その間にもどんどん律動が激しくなる。

　律の余裕もなくなる頃には、すっかり千愛希と同じように快感に耐える艶やかな表情を浮かべた。