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効果覿面
【21】
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「はい。市長さんからの依頼で広報に載ったらたまたま出演することになったので、もともと期間限定だったんです」
「ふーん、たまたまねぇ」
彼らは面白くなさそうに目を背けた。好きで芸能界に入った人達からすれば、入るためにも仕事をもらうにも苦労しただろうし、面白くないのも頷ける。
「皆さんが芸能界で頑張りたいのと同じくらい、私は本職の方で頑張りたかったので」
そうフォローしたつもりだったが「何の仕事してるんですか?」なんて聞かれ、介護職だと言えば鼻で笑われてしまった。
恐らくこの人達にとっては芸能界こそが天下であって、自分達が何よりも必要とされている存在なのであろう。
やっぱり仲良くなれない人種かもしれない。
「旦那さんの方は芸能界興味なかったんですか? せっかくイケメンなのに」
中西賢人はあまねくんにも目を向けた。
「考えたこともなかったですからね。特に俺は需要ないし。妻と一緒にいられたらそれでいいし」
嫌味に対してもスマートにこなすものだから、あまねくんがとんでもなく大人に見えて思わず笑ってしまった。
「何笑ってるの?」
ふっと隣で微笑まれて「ううん。あまねくんらしいなぁって思っただけ」そう言って微笑み返せば、すっかりしらけた様子の俳優人達。
「皆さん、仲いいんですか?」
そんな雰囲気の中、臆せず発言するのだから旦那さんは強い。
「1年前にドラマで共演してから仲良くなったんだよ。それで、近衛真緒美ちゃんは俺の番組に出てくれて、そっからの繋がりで皆でよく食事するようになったんだよね」
伊織くんがそう言うので、私とあまねくんはふーんと何度か頷く。結局のところ、私もあまねくんもこの人達に興味がないのだ。
「結構高視聴率だったんだけど、見てなかったのかなぁ?」
彼らはもっと喜んでもらいたいのだろう。反応の薄い私達に、鮎原ななが大きな瞳をパチパチさせてこちらを見る。
そういうことは聞かないでもらいたい。
「何ていうドラマでしたっけ?」
「幼馴染の憂鬱っていうドラマです」
「ああ!」
ドラマ名を聞いて私は声を上げた。
「あ、知っててくれて嬉しいです!」
鮎原なながにっこり笑ったことでその場が和んだ。言えない……丁度その時間帯、違うドラマを見ていたことなんて……。
私は出来る限り話を合わそうと心に決めた。
「ふーん、たまたまねぇ」
彼らは面白くなさそうに目を背けた。好きで芸能界に入った人達からすれば、入るためにも仕事をもらうにも苦労しただろうし、面白くないのも頷ける。
「皆さんが芸能界で頑張りたいのと同じくらい、私は本職の方で頑張りたかったので」
そうフォローしたつもりだったが「何の仕事してるんですか?」なんて聞かれ、介護職だと言えば鼻で笑われてしまった。
恐らくこの人達にとっては芸能界こそが天下であって、自分達が何よりも必要とされている存在なのであろう。
やっぱり仲良くなれない人種かもしれない。
「旦那さんの方は芸能界興味なかったんですか? せっかくイケメンなのに」
中西賢人はあまねくんにも目を向けた。
「考えたこともなかったですからね。特に俺は需要ないし。妻と一緒にいられたらそれでいいし」
嫌味に対してもスマートにこなすものだから、あまねくんがとんでもなく大人に見えて思わず笑ってしまった。
「何笑ってるの?」
ふっと隣で微笑まれて「ううん。あまねくんらしいなぁって思っただけ」そう言って微笑み返せば、すっかりしらけた様子の俳優人達。
「皆さん、仲いいんですか?」
そんな雰囲気の中、臆せず発言するのだから旦那さんは強い。
「1年前にドラマで共演してから仲良くなったんだよ。それで、近衛真緒美ちゃんは俺の番組に出てくれて、そっからの繋がりで皆でよく食事するようになったんだよね」
伊織くんがそう言うので、私とあまねくんはふーんと何度か頷く。結局のところ、私もあまねくんもこの人達に興味がないのだ。
「結構高視聴率だったんだけど、見てなかったのかなぁ?」
彼らはもっと喜んでもらいたいのだろう。反応の薄い私達に、鮎原ななが大きな瞳をパチパチさせてこちらを見る。
そういうことは聞かないでもらいたい。
「何ていうドラマでしたっけ?」
「幼馴染の憂鬱っていうドラマです」
「ああ!」
ドラマ名を聞いて私は声を上げた。
「あ、知っててくれて嬉しいです!」
鮎原なながにっこり笑ったことでその場が和んだ。言えない……丁度その時間帯、違うドラマを見ていたことなんて……。
私は出来る限り話を合わそうと心に決めた。
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