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風雲児
【26】
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「だからあんたも不倫されてんだよって証拠を掴めばおとなしくなると思ってね。アイツの浮気癖は父親譲りだね」
「よくそんなもん撮れたよね……」
「それを言うならあんたもね」
ああ、そうでした。雅臣の車内でのキスシーンを上手に隠し撮りしたのはこの私だ。
「それで、これからどうすんの?」
「律くんかあまねパパ紹介してくんない? 弁護士立てようと思って」
「それがいいね。私もまだ臣くんのことそのままだけど」
「まだ片付いてなかっただ?」
「うん。動けなくなった精神的ダメージが大きいのかもね」
「自分はあまねのこと殺そうとしたんだから自業自得だよね。あーあ、まさか私まで弁護士雇うことになるなんて思ってなかったなぁ……」
茉紀は大きな大きな溜め息をついた。
「そんなの私だってそうだよ。でも困った時の弁護士頼みだよ。律くんが前に、弁護士雇うなら知り合いのツテで信用できる人の方がいいって言ってたしね。ちょっと話してみるね」
「うん。頼むよ」
「このまま実家に住むの?」
「そのつもり。麗夢もまだ小さいし保育園のお迎えとかもあるからさ」
「おばさん怒んないっけ?」
「あー、離婚自体にはね。逆になんでもっと早く別れて帰ってこないのって怒られたわ」
茉紀はおかしそうに笑っている。そういえば、昔から茉紀に対して理解のあるお母さんだった。何度も茉紀のために、学校に謝りにいっていたくらいだ。
父親の方は穏やかでおとなしく、ほとんど怒ることがないと言っていた。
「じゃあ、子供みててくれるだね」
「うん。まあみててくれるって言っても2人ともまだ働いてるで、保育園のお迎えくらいだけんね。それでもご飯出てくるから楽だよ」
「それね! 私もたまに実家帰ると思う。お父さんうるさいから、あまねくんちの方が居心地いいんだけどね」
「それが不思議だわ。あまねんち家族どんだけいい人っちなわけ?」
「感激するよ。やっぱ相手の親との相性大事だなって思った。あんた見てても思うもん」
「私も、あん時結婚やめときゃよかったんだよなぁ……」
「でもそしたら麗夢生まれなかったよ?」
私がそう言えば、茉紀ははっと顔を上げて「それは無理。あの子らだけが私の救いだわ」と言った。
「よくそんなもん撮れたよね……」
「それを言うならあんたもね」
ああ、そうでした。雅臣の車内でのキスシーンを上手に隠し撮りしたのはこの私だ。
「それで、これからどうすんの?」
「律くんかあまねパパ紹介してくんない? 弁護士立てようと思って」
「それがいいね。私もまだ臣くんのことそのままだけど」
「まだ片付いてなかっただ?」
「うん。動けなくなった精神的ダメージが大きいのかもね」
「自分はあまねのこと殺そうとしたんだから自業自得だよね。あーあ、まさか私まで弁護士雇うことになるなんて思ってなかったなぁ……」
茉紀は大きな大きな溜め息をついた。
「そんなの私だってそうだよ。でも困った時の弁護士頼みだよ。律くんが前に、弁護士雇うなら知り合いのツテで信用できる人の方がいいって言ってたしね。ちょっと話してみるね」
「うん。頼むよ」
「このまま実家に住むの?」
「そのつもり。麗夢もまだ小さいし保育園のお迎えとかもあるからさ」
「おばさん怒んないっけ?」
「あー、離婚自体にはね。逆になんでもっと早く別れて帰ってこないのって怒られたわ」
茉紀はおかしそうに笑っている。そういえば、昔から茉紀に対して理解のあるお母さんだった。何度も茉紀のために、学校に謝りにいっていたくらいだ。
父親の方は穏やかでおとなしく、ほとんど怒ることがないと言っていた。
「じゃあ、子供みててくれるだね」
「うん。まあみててくれるって言っても2人ともまだ働いてるで、保育園のお迎えくらいだけんね。それでもご飯出てくるから楽だよ」
「それね! 私もたまに実家帰ると思う。お父さんうるさいから、あまねくんちの方が居心地いいんだけどね」
「それが不思議だわ。あまねんち家族どんだけいい人っちなわけ?」
「感激するよ。やっぱ相手の親との相性大事だなって思った。あんた見てても思うもん」
「私も、あん時結婚やめときゃよかったんだよなぁ……」
「でもそしたら麗夢生まれなかったよ?」
私がそう言えば、茉紀ははっと顔を上げて「それは無理。あの子らだけが私の救いだわ」と言った。
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