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風雲児
【28】
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帰宅すると既にお風呂上がりのあまねくんの姿。彼は早めに解散したのだろう。
「ただいま。あまねくん、早いね」
「おかえり。先輩とご飯に行ったんだけど、奥さんお腹大きいんだったら早く帰って家にいてやれって言われてさ」
あまねくんは、まだ少し濡れた頭をフェイスタオルで拭きながらへらっと笑う。
「結婚式の二次会で会った先輩?」
「そうそう。戸塚さんね。俺が新人の時から面倒みてくれてた先輩なんだ」
個人名を出されても、二次会には仕事関係の先輩や後輩が全員で8名程いたため、どの人かわからない。
あまねくんが先生と呼んでいた人がおそらく経営者の税理士さん。それからあと2人くらいは40代に見えた。残りの5人くらいはうんと若い子2人に私と同じか少し上くらいの人が3人か4人。
しっかりとした数は覚えていないけれど、やはりあまねくんの先輩といえばこの中でも複数人いる。
「どの人かわかんないなぁ。税理士さんってあんなにいっぱいいるんだね」
「んーあの中には、資格取ってない人もいるから税理士ばっかりじゃないよ」
「そうなんだ。やっぱり難しいんだね。受けてはいるんでしょ?」
「うん。働きながら取るのって大変だと思うよ。つくづく大学で取っておいてよかったって思うよ」
「あまねくん、頭いいからね。その戸塚さんは税理士さん?」
私は、あまねくんと話をしながら上着を脱いで玄関からの導線にあるクローゼットを開ける。中からハンガーを取り出して上着をかけると、そっと扉を閉めた。
「そうだよ。俺が新人の時に6年目だっていってたから、んー……まどかさんの1個上かな?」
リビングのドアを開けっ放しにしていたため、あまねくんの声はよく聞こえる。私はリビングに戻ると、ドアを閉めて手を洗った。
「じゃあ、34歳かぁ……。うーん、私と同じくらいに見えた人、3人くらいいたからなぁ」
「あー、多分ね1人は若く見える40代でもう1人は老けて見える俺の後輩だよ」
あまねくんはケタケタ笑いながらそう言った。無邪気な顔を見て、「えー!? 後輩っぽい子ももっと先輩っぽい人もいるじゃん」と言いながら私も一緒になって笑った。
「ただいま。あまねくん、早いね」
「おかえり。先輩とご飯に行ったんだけど、奥さんお腹大きいんだったら早く帰って家にいてやれって言われてさ」
あまねくんは、まだ少し濡れた頭をフェイスタオルで拭きながらへらっと笑う。
「結婚式の二次会で会った先輩?」
「そうそう。戸塚さんね。俺が新人の時から面倒みてくれてた先輩なんだ」
個人名を出されても、二次会には仕事関係の先輩や後輩が全員で8名程いたため、どの人かわからない。
あまねくんが先生と呼んでいた人がおそらく経営者の税理士さん。それからあと2人くらいは40代に見えた。残りの5人くらいはうんと若い子2人に私と同じか少し上くらいの人が3人か4人。
しっかりとした数は覚えていないけれど、やはりあまねくんの先輩といえばこの中でも複数人いる。
「どの人かわかんないなぁ。税理士さんってあんなにいっぱいいるんだね」
「んーあの中には、資格取ってない人もいるから税理士ばっかりじゃないよ」
「そうなんだ。やっぱり難しいんだね。受けてはいるんでしょ?」
「うん。働きながら取るのって大変だと思うよ。つくづく大学で取っておいてよかったって思うよ」
「あまねくん、頭いいからね。その戸塚さんは税理士さん?」
私は、あまねくんと話をしながら上着を脱いで玄関からの導線にあるクローゼットを開ける。中からハンガーを取り出して上着をかけると、そっと扉を閉めた。
「そうだよ。俺が新人の時に6年目だっていってたから、んー……まどかさんの1個上かな?」
リビングのドアを開けっ放しにしていたため、あまねくんの声はよく聞こえる。私はリビングに戻ると、ドアを閉めて手を洗った。
「じゃあ、34歳かぁ……。うーん、私と同じくらいに見えた人、3人くらいいたからなぁ」
「あー、多分ね1人は若く見える40代でもう1人は老けて見える俺の後輩だよ」
あまねくんはケタケタ笑いながらそう言った。無邪気な顔を見て、「えー!? 後輩っぽい子ももっと先輩っぽい人もいるじゃん」と言いながら私も一緒になって笑った。
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