謀られ妻による綿密な復讐

雪村こはる

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自立と自律

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 遥は、奏士達がpoiseの人間と食事会をする報告を受けている。それがどうだったかまでは知らないが、何となくいつもとは違う様子に気付く。
 なにが、とは言えないが少し違和感があった。

 そして自然と由乃にも目がいく。別れたはずの2人が一緒に食事会へ行ったのだ。亜月の計画では、2人をくっつけようとしている。
 それがどこまで進んでいるのかはわからないが、正直遥もうんざりしていた。

 自分にとってはなんのメリットもないのだ。亜月に協力するはめになったけれど、仕事そっちのけで不倫や離婚に忙しい部下2人の監視をするのも楽じゃない。
 いっその事、亜月と奏士が喧嘩別れでもしてくれたらいいのに。なんて思う。

「おはようございます。ここ……寝癖ついてますよ」

 奏士の隣のデスクの女性社員が言った。こそっと言ったつもりだろうが、遥の耳にも届いた。
 奏士は慌てて手で髪を撫でるが、ピョコッと飛び出た癖は中々なおらない。

 ああ……髪型だったのか。

 遥はようやく違和感に気付いた。いつもなら、寝癖もなくシャキッとした清潔感のある奏士がなんとなくだらしがない気がしたからだ。

「ありがとう……。今日、起きたの遅くてさ。朝ごはんも食べずに来たから」

 そんな奏士の声が聞こえ、遥と由乃はピクリと反応する。

「それは大変でしたね。奥さん、起こしてくれなかったんですか?」

「いやいや、いつも自分で起きてるよ。奥さんの方が職場遠いから早く出ちゃうし」

 そんな会話が続く。現在の奏士にとって嘘ではないが、遥と由乃には嘘だとすぐにわかる。特に由乃は、一度寝た奏士がいつまでも起きないことを知っているし、あの亜月が寝ている奏士を放って自分だけ出社するとも考えづらい。

 夫婦の間に何かあったのだと勘ぐる。
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