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制裁
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受け取ったメッセージを確認した遥は、文章を読んでいる内に顔を青くさせた。
「……は?」
奏士とのやり取りがしっかりと写っている。薬を飲ませたことや、この後ホテルに向かって亜月を抱こうとしていることも全て。
「嘘だろ、いつからっ……! しかも警察って!」
そう叫んだ瞬間、警察官が遥の目の前に立った。
「青山遥さんですね。礼状をお持ちしましたので、ご同行願えますか」
落ち着いた声色で言うのは、40代前半くらいの男性だ。
「……いや、急に来られても困ります。僕には心当たりがないんですが」
ははっと顔を引き攣らせながら言う。亜月のことは未遂だし、いくらメッセージのやり取りがあったからといって実際飲ませた証拠がなければ逮捕などできないはず。
こんなもの、なんの証拠にもならない。
遥は、スマートフォンを握る手に力を込めた。
「被害者である菅原花さんから、睡眠薬の成分が検出されました。ホテルの従業員からも、あなたが菅原さんを部屋に運んだと供述が取れています」
「……え?」
遥は口をポカンと開けて、思考を巡らす。亜月のことは何とか誤魔化さなければと思っていたが、花のことまで頭が回らなかった。
今朝彼女は笑顔で出勤してきて、遥にも普通に声を掛けた。
全く被害者の行動ではなかった。それなのに、どうして……。
「青山課長、しっかり罪を償ってくださいね。私、絶対に許しませんから」
はっとして左側に顔を向ければ、憎悪を孕んだ顔で遥を見つめる花がいた。
「す、菅原っ……!?」
遥が思わず後ずさると、椅子に足を取られてガタッという音と共に、その場に尻もちをついた。
「バレないと思ったんですか? 私の体も徹底的に調べてもらいました。本当に最低」
「い、いや、何かの間違いだ! 俺がそんなことするわけないだろう」
情けないほど顔のパーツを中心に寄せて、せっかくのイケメンも台無しだった。
「小泉さんに執着せずに小さな幸せだけ大事にしていればよかったのに」
花は、遥が由乃に放った言葉をそっくりそのまま伝えた。
「……は?」
奏士とのやり取りがしっかりと写っている。薬を飲ませたことや、この後ホテルに向かって亜月を抱こうとしていることも全て。
「嘘だろ、いつからっ……! しかも警察って!」
そう叫んだ瞬間、警察官が遥の目の前に立った。
「青山遥さんですね。礼状をお持ちしましたので、ご同行願えますか」
落ち着いた声色で言うのは、40代前半くらいの男性だ。
「……いや、急に来られても困ります。僕には心当たりがないんですが」
ははっと顔を引き攣らせながら言う。亜月のことは未遂だし、いくらメッセージのやり取りがあったからといって実際飲ませた証拠がなければ逮捕などできないはず。
こんなもの、なんの証拠にもならない。
遥は、スマートフォンを握る手に力を込めた。
「被害者である菅原花さんから、睡眠薬の成分が検出されました。ホテルの従業員からも、あなたが菅原さんを部屋に運んだと供述が取れています」
「……え?」
遥は口をポカンと開けて、思考を巡らす。亜月のことは何とか誤魔化さなければと思っていたが、花のことまで頭が回らなかった。
今朝彼女は笑顔で出勤してきて、遥にも普通に声を掛けた。
全く被害者の行動ではなかった。それなのに、どうして……。
「青山課長、しっかり罪を償ってくださいね。私、絶対に許しませんから」
はっとして左側に顔を向ければ、憎悪を孕んだ顔で遥を見つめる花がいた。
「す、菅原っ……!?」
遥が思わず後ずさると、椅子に足を取られてガタッという音と共に、その場に尻もちをついた。
「バレないと思ったんですか? 私の体も徹底的に調べてもらいました。本当に最低」
「い、いや、何かの間違いだ! 俺がそんなことするわけないだろう」
情けないほど顔のパーツを中心に寄せて、せっかくのイケメンも台無しだった。
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花は、遥が由乃に放った言葉をそっくりそのまま伝えた。
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