【完結】美人過ぎる〇〇はワンコ彼氏に溺愛される

雪村こはる

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再会

【34】

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「危険を考えると確かに短いです。なので、なるべく長い実刑がとれるよう頑張りましょう。それと代理人は、私が引き受けましょう」
 
 そう言ってにこやかに笑ってくれた。まさか、そのまま引き受けてくれるとは思っていなかったため、思わず「いいんですか!?」と身を乗り出す。

「ええ。友人を紹介するでも、律に依頼するでもかまいませんが、律は雇われの身なので。いくらあなたが被害者でも弁護士費用がかかります。私なら、報酬は私が決められますから」

 そう穏やかに言ってくれる。恐らく、あまねくんの顔を立てる意味でも、相場よりも安く引き受けてくれるということだろう。
 まさか、そんな理由で自ら申し出てくれるだなんて。
 弁護士の費用なんて全く想像はつかないが、おそらく何十万かはかかるだろう。
 示談にすれば、何百万か賠償金をもらってそこから支払う形になるのだろうが、今回はなるべく重い実刑判決を望むもの。そうなると、こちらに金銭的な利益は恐らくない。それでも相談料やら、今後の展開に応じて金額は膨らんでいくと思えた。

 しかし、たとえそうであったとしても、このまま泣き寝入りはできないし、示談に応じるつもりもない。費用がかかったって、彼が刑務所に入っていてくれるならその方が安全に決まっている。
 仕事を辞めるのであれば、退職金も入るし、ある程度の貯金もある。実家にいれば生活費くらい親が負担してくれるだろう。戻ってこいと言ったのは、あくまでも父なのだから。

 そんなことで、少なからず弁護士費用がかかることは覚悟の上だった。しかし、父親の方から提案をしてくれたことに驚き、感謝が込み上げてくる。恐らく、こちらからは気を遣って言えないだろうという配慮からくるものだ。

「ありがとうございます。ですが、相手は全く見知らぬ人間ではありませんし、こんなことになったのも、私にも少し責任があると思うので、通常の料金で行ってもらってかまいません」

 まだ籍もいれていないのに、あまねくんの家族にそんなに寄りかかるような真似はできない。気持ちはとてもありがたいけれど、そこまで甘えられない。

「そうですか? 私の弁護士費用は他と比べても高いですよ。支払えますか?」

 彼は、穏やかな口調のまま、そう言った。支払えるのか。そんなふうに言われ、どれ程高いのだろうかと心臓が跳ね上がる。自分で事務所を構えるベテランの弁護士さんだし、経験が多い分、値が張るのだろうか。

「が、頑張って支払わせていただきます」

 そう言って腿に両手を乗せて頭を下げれば、前面からクスクスと2人の笑い声が聞こえる。
 様子を伺うように顔だけ挙げれば、「冗談ですよ。今回は周も関わっていることですし、金銭的な部分も含めてこちらに任せてください」そう笑って彼は言った。
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