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再会
【60】
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手を洗えば済むことなのになんてあまねくんと話している内に、サイレンの音が聞こえた。
「あ、救急車……」
「そうだった、呼んじゃったんだった」
私とあまねくんがそう言うと、一斉に静寂が訪れた。家の前で止まったサイレンと、意識を取り戻したおばあちゃん。
「1度は意識がなくなってしまったことですし、念のため病院に行った方がいいですよ。もう1つブドウ糖食べて逆に血糖値が上がり過ぎてるかもしれないし」
気まずそうに顔を見合わせているあまねくんの両親に、そう声をかければ「そうね……。1度見てもらった方がいいわね」と自分に言い聞かせるかのようにダリアさんが頷いた。
近所の人が大勢出てくる前に行かなきゃね。なんて言いながら、彼女は玄関を飛び出して行った。
すぐに救急隊員を連れて戻ってくる。
「失礼します!」
太い声が聞こえて、おばあちゃんに話しかけている。状況を聴かれ、すっかり冷静さを取り戻した律くんが説明してくれていた。
「救急車が出たら、私達も帰ろうか」
あまねくんに小声でそう話しかければ、「うん。父さんと律が一緒に行ってくれるみたいだから大丈夫そうだしね」と答えた。
「まどかさん、今回は本当にありがとうございました。助かりました」
最後にあまねくんの父親が私に頭を下げる。
「いえ、本当に低血糖だったのか不安もありましたし……。私もおばあちゃんのこと大好きなので。助かってよかったです」
「ありがとうございます。また、結果も報告します」
「はい。お気をつけて」
「君こそ、不安は大きいと思うけど、頑張るんだよ」
「頑張ります。あまねくんもついていてくれるので」
隣にいるあまねくんの顔を見上げてからそう言えば、父親は微笑み「それじゃ……」と軽く会釈をした。
救急救命士に支えられながら玄関に向かうおばあちゃんに、律くんも後に続く。
その後を追うように父親も急ぎ足で続いた。
あまりぞろぞろ表に出るのも目立つだろうと、私とあまねくんは救急車が去り、落ち着くのを待った。
リビングを見渡すと、既に奏ちゃんの姿はなかった。まさか一緒についていったわけではあるまい。ショックが大きくて、部屋に戻ったのだろうか。
「まどかちゃん……、大丈夫? 何か、ごめんなさいね……」
不安そうな表情でおずおずと声をかけてくれるダリアさん。
「ダリアさんこそ大丈夫ですか? 驚きましたよね」
私だって決して慣れているわけではないけれど、職業柄急変や逝去には何度も立ち会っている。私もおばあちゃんが大好きだけれど、あの状況では、他人で彼女との関わりが1番浅い私が冷静でいなければいけない状況だった。
普段から一緒にいて、誰よりも長い時間を共に過ごしているダリアさんから見れば、とても衝撃的だったことだろう。
「私は大丈夫……。でも、私がお散歩なんて連れてったから悪かったのよね……」
「それは違いますよ。お医者さんが言ったように、糖尿病があるなら運動は大事です。それに、たまの気分転換だって必要です。今日は、たまたまご飯が遅くなっちゃったから悪い状況が重なっちゃっただけです。ダリアさんが、おばあちゃんのことを大事にしてることは、私だって皆だって知ってます」
「まどかちゃん……」
「それに、ご飯が遅くなっちゃったのは私のせいですし……」
私が、父親と律くんを捕まえてしまわなければ、そのまま守屋家は夕食へと突入したのだ。夕食の時間を奪ってしまったのは私なのだ。
「あ、救急車……」
「そうだった、呼んじゃったんだった」
私とあまねくんがそう言うと、一斉に静寂が訪れた。家の前で止まったサイレンと、意識を取り戻したおばあちゃん。
「1度は意識がなくなってしまったことですし、念のため病院に行った方がいいですよ。もう1つブドウ糖食べて逆に血糖値が上がり過ぎてるかもしれないし」
気まずそうに顔を見合わせているあまねくんの両親に、そう声をかければ「そうね……。1度見てもらった方がいいわね」と自分に言い聞かせるかのようにダリアさんが頷いた。
近所の人が大勢出てくる前に行かなきゃね。なんて言いながら、彼女は玄関を飛び出して行った。
すぐに救急隊員を連れて戻ってくる。
「失礼します!」
太い声が聞こえて、おばあちゃんに話しかけている。状況を聴かれ、すっかり冷静さを取り戻した律くんが説明してくれていた。
「救急車が出たら、私達も帰ろうか」
あまねくんに小声でそう話しかければ、「うん。父さんと律が一緒に行ってくれるみたいだから大丈夫そうだしね」と答えた。
「まどかさん、今回は本当にありがとうございました。助かりました」
最後にあまねくんの父親が私に頭を下げる。
「いえ、本当に低血糖だったのか不安もありましたし……。私もおばあちゃんのこと大好きなので。助かってよかったです」
「ありがとうございます。また、結果も報告します」
「はい。お気をつけて」
「君こそ、不安は大きいと思うけど、頑張るんだよ」
「頑張ります。あまねくんもついていてくれるので」
隣にいるあまねくんの顔を見上げてからそう言えば、父親は微笑み「それじゃ……」と軽く会釈をした。
救急救命士に支えられながら玄関に向かうおばあちゃんに、律くんも後に続く。
その後を追うように父親も急ぎ足で続いた。
あまりぞろぞろ表に出るのも目立つだろうと、私とあまねくんは救急車が去り、落ち着くのを待った。
リビングを見渡すと、既に奏ちゃんの姿はなかった。まさか一緒についていったわけではあるまい。ショックが大きくて、部屋に戻ったのだろうか。
「まどかちゃん……、大丈夫? 何か、ごめんなさいね……」
不安そうな表情でおずおずと声をかけてくれるダリアさん。
「ダリアさんこそ大丈夫ですか? 驚きましたよね」
私だって決して慣れているわけではないけれど、職業柄急変や逝去には何度も立ち会っている。私もおばあちゃんが大好きだけれど、あの状況では、他人で彼女との関わりが1番浅い私が冷静でいなければいけない状況だった。
普段から一緒にいて、誰よりも長い時間を共に過ごしているダリアさんから見れば、とても衝撃的だったことだろう。
「私は大丈夫……。でも、私がお散歩なんて連れてったから悪かったのよね……」
「それは違いますよ。お医者さんが言ったように、糖尿病があるなら運動は大事です。それに、たまの気分転換だって必要です。今日は、たまたまご飯が遅くなっちゃったから悪い状況が重なっちゃっただけです。ダリアさんが、おばあちゃんのことを大事にしてることは、私だって皆だって知ってます」
「まどかちゃん……」
「それに、ご飯が遅くなっちゃったのは私のせいですし……」
私が、父親と律くんを捕まえてしまわなければ、そのまま守屋家は夕食へと突入したのだ。夕食の時間を奪ってしまったのは私なのだ。
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