したい夜はきみとじゃない

雪村こはる

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今夜は同窓会

06

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 高校時代、真白の心は死んでしまったかのように絶望しかなかった。実際に何度死のうか考えたがわからない。
 そんな真白にとって亜純の存在は救いだった。亜純がいたから生きていてもいいかもしれないと思えた。

 夢があって前向きな亜純の話を聞いていたから、勇気を持って行動することができた。死んでしまった心が息を吹き返した。真白にとって亜純は救世主であり、何よりも大切な存在だった。

 真白の地獄が始まったのは小学5年生の時だ。両親の喧嘩が耐えなくなり離婚したのはその2年前。
 真白は父親のことが好きだったから、離婚には大反対だった。散々泣いてだだをこねたが、両親は離婚をした。

 それから母は2年の歳月を経て、別の男性と結婚したのだ。父となった再婚相手は真白に優しくしてくれた。
 母も嬉しそうに、幸せそうに時折女の顔をした。

 真白が違和感に気づいたのは、母の外出中だった。新しい父に慣れ始めていた真白は、その男と2人きりで過ごした。
 リビングのソファーで並んで座っていると「真白がお父さんの子になってくれて嬉しいよ。抱っこさせてくれないかな」と声をかけられた。

 真白は一瞬嫌な気持ちになりながらも、母の選んだ人だからとそれを受け入れた。膝の上に座らされ、後ろから抱きしめられた。
 実の父とは全く違う感覚に嫌悪が募り、真白はすぐにでも逃げ出したくなった。

「宿題があるからやらなきゃ……」

 幼いながらもなんとか理由を見つけてその場を離れようとした。

「じゃあ、お父さんがみてあげるから持っておいで」

 そんなことを言われて硬直する。

「ううん。お母さんに見てもらう約束してるから」

 そう言ってその場を離れようとしたが、強く抱きしめられ、男は頭や首元に顔を埋めた。
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