したい夜はきみとじゃない

雪村こはる

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今夜は同窓会

07

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「いや!」

 激しく抵抗し、暴れた瞬間に思い切り顔面を平手打ちされた。鼻血が吹き出し、リビングの床は汚れた。
 真白は母にも殴られた覚えがほとんどなかった。だからそれが殴られたのだと理解するのに暫し時間を要した。

 唖然とした後はみるみる内に恐怖が訪れた。

「真白は悪い子だなぁ。お父さんの言う事がきけないなんて」

 そう言いながらティッシュペーパーをグリグリと顔面に押し付けられ、呼吸ができなくなった。
 その日母が帰宅をすると、父が「真白が転んで鼻血を出した」と嘘をついた。真白が不信感を募らせる中、事はエスカレートしていった。

 その3日後の夜中、真白が眠っているとなにやら布団の中でモゾモゾと違和感を抱いた。眠たい目を擦りながらぼんやりと頭を働かせる。
 下半身に生暖かい感触と太ももをさわさわと毛並みが掠める感触がした。

 真白は驚いて身を引いたが、恐怖のあまり声が出なかった。下半身の割れ目を舌がなぞる感覚は初めてで、吐き気すらした。

「お父さん……何してるの?」

「大人になる準備だよ。真白は美しい女性になるんだから」

「……嫌だ」

「大丈夫。お母さんもしてることだよ」

 そう言われて真白はぐっと黙り込んだ。怖くて逃げ出したくて仕方がなかったが、3日前に殴られた記憶が蘇り真白は震えながらそれに耐え、涙を流した。

 翌朝、父が仕事へ出かけたのを見計らって真白は母に声をかけた。

「お母さん……私、お父さんヤダ。おまた舐めてくるの……」

 意を決して味方を求めた。救いを求めた。優しかった母と2人で暮らしていけたらそれが幸せだと思った。
 しかし母は血相を変え、強い力で真白の頭を叩いた。

「お母さんの再婚が気に入らないからってなんてこと言うの!」

 今まで怒られることは何度かあったが、こんなにも鬼の形相という言葉が似合う母の顔を見たのは初めてだった。
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