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今夜は同窓会
20
亜純のベッドはシングルサイズで2人で寝るにはとても狭いため、1階の客間に布団を2枚並べて敷いたところに案内された。
真白は両親が再婚してからずっとベッドだったので、布団で寝るのは初めてだった。
「お布団初めて……」
「そうなの? 私もあんまりないかな。おばあちゃんが生きてた頃はお布団で一緒に寝たりもしたけど」
「そうなんだ……」
背中に床の感触が伝わるのが変な感じだったが、真白は妙に安心した。父の下でスプリングの上下を感じるあの感覚もない。
ここはとても穏やかで平和だと感じた。
暫く亜純と話していたが、いつの間にか亜純の声が小さくゆっくりになってやがて聞こえなくなった。かと思うと微かな寝息が聞こえて、先に眠ってしまったことに気付く。
誰かと一緒に眠るなんていつぶりだろう。そう真白は考えたがわからなかった。
他人の隣はあんなに嫌だったのに、亜純の隣はとても安心した。違う布団なのにほんのりと亜純の体温を感じた。
真白はゴロンと向きを変えて、亜純の方を見た。仰向けで眠っている亜純の横顔が常夜灯の中で見えた。
布団の中で胸が上下しているのもわかり、静かな時間が過ぎていく。静寂の中、空気の音がキィンと小さく聞こえた。
真白はこのまま時が止まってしまえばいいのに。そう思いながら暫く亜純の寝顔を見つめていた。
何となく寒く思えて少しだけ亜純の近くに寄った。起こしてしまわないようにゆっくり。入浴後の香りが鼻を掠めた。男に抱かれることはあっても、こんなにも女の子に近づいたのは初めてだった。
トクトクと胸の鼓動が速くなるのを感じた。亜純は安心感でいっぱいでいい匂いもする。真白はそっと体を起こして上から亜純の顔を覗き込んだ。
『真白は綺麗でいいね。私は女の子らしくもないし、可愛くもない』
そう言って亜純は真白を羨ましがったが、真白には亜純の方が余程綺麗に見えた。自分にはないものをたくさんもっている。強くて逞しくて素敵な人。
『私もいつか好きな人ができて結婚して子供を産むのかな』
いつか亜純がそう言ったことを思い出した。真白は好きな人なんかできなければいいのに……そう思わず口に出してしまいそうになり、ぐっと口を結んだ。
真白は両親が再婚してからずっとベッドだったので、布団で寝るのは初めてだった。
「お布団初めて……」
「そうなの? 私もあんまりないかな。おばあちゃんが生きてた頃はお布団で一緒に寝たりもしたけど」
「そうなんだ……」
背中に床の感触が伝わるのが変な感じだったが、真白は妙に安心した。父の下でスプリングの上下を感じるあの感覚もない。
ここはとても穏やかで平和だと感じた。
暫く亜純と話していたが、いつの間にか亜純の声が小さくゆっくりになってやがて聞こえなくなった。かと思うと微かな寝息が聞こえて、先に眠ってしまったことに気付く。
誰かと一緒に眠るなんていつぶりだろう。そう真白は考えたがわからなかった。
他人の隣はあんなに嫌だったのに、亜純の隣はとても安心した。違う布団なのにほんのりと亜純の体温を感じた。
真白はゴロンと向きを変えて、亜純の方を見た。仰向けで眠っている亜純の横顔が常夜灯の中で見えた。
布団の中で胸が上下しているのもわかり、静かな時間が過ぎていく。静寂の中、空気の音がキィンと小さく聞こえた。
真白はこのまま時が止まってしまえばいいのに。そう思いながら暫く亜純の寝顔を見つめていた。
何となく寒く思えて少しだけ亜純の近くに寄った。起こしてしまわないようにゆっくり。入浴後の香りが鼻を掠めた。男に抱かれることはあっても、こんなにも女の子に近づいたのは初めてだった。
トクトクと胸の鼓動が速くなるのを感じた。亜純は安心感でいっぱいでいい匂いもする。真白はそっと体を起こして上から亜純の顔を覗き込んだ。
『真白は綺麗でいいね。私は女の子らしくもないし、可愛くもない』
そう言って亜純は真白を羨ましがったが、真白には亜純の方が余程綺麗に見えた。自分にはないものをたくさんもっている。強くて逞しくて素敵な人。
『私もいつか好きな人ができて結婚して子供を産むのかな』
いつか亜純がそう言ったことを思い出した。真白は好きな人なんかできなければいいのに……そう思わず口に出してしまいそうになり、ぐっと口を結んだ。
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