77 / 243
友人の恋人
18
しおりを挟む
千景と話してから10分程経ったあと、亜純のもとに渋々真白に説得させられた依が戻ってきた。
亜純は話す予定のなかったことを千景にまで話してしまった後ろめたさを感じつつ、どこか気が楽になった気がした。
依とまた話をするのは気が重い。できればこのまま避けて通りたかった。
けれど、真白と千景に言われたようにそのままにしていても解決はしない。時間だけが経過して、子供ができないままこの生活を送るだけだ。
亜純は素直に同窓会を楽しめないまま、結局4人で表向きの笑い話をして解散した。依は終始不機嫌そうだったが、亜純と2人きりになった途端ふうっと肩の力を抜いた。
頭を亜純の肩に預けて猫のように擦り寄った。そんな行為もいつもなら可愛く思えるのに、今日ばかりは亜純の不安を煽った。
帰りのタクシー内で夫婦生活について触れるわけにもいかず、亜純は頭の中で依に言いたいこと、聞きたいことを整理しながら家のドアを開けた。
依はやれやれとネクタイを緩めて服を脱ぎ出した。靴下を脱いで裸足になると、中途半端に脱いだ服のまま風呂の湯を溜めに浴室へと向かった。
『お湯はりをします』という音声が流れる中、亜純は着替えを後回しに依の名を呼んだ。
「どうかした?」
「あのね、私依とちゃんと話がしたいと思って」
依は亜純の言い方に怪訝な顔をした。空気を読まない依でも、さすがに何か言いたいことがありそうだということくらいはわかる。
会わせたくなかった真白と千景とそれぞれ2人で話す機会を作ってしまった。依はまさか2人とセックスレスについて話したのではないかと息をのんだ。
「話ってなに……」
「あのね……依はさ、子供いらないの?」
亜純は色々シミュレーションしたにもかかわらず、切り出し方がわからなくなってしまい、色んな工程をとばしてそう尋ねた。
亜純は話す予定のなかったことを千景にまで話してしまった後ろめたさを感じつつ、どこか気が楽になった気がした。
依とまた話をするのは気が重い。できればこのまま避けて通りたかった。
けれど、真白と千景に言われたようにそのままにしていても解決はしない。時間だけが経過して、子供ができないままこの生活を送るだけだ。
亜純は素直に同窓会を楽しめないまま、結局4人で表向きの笑い話をして解散した。依は終始不機嫌そうだったが、亜純と2人きりになった途端ふうっと肩の力を抜いた。
頭を亜純の肩に預けて猫のように擦り寄った。そんな行為もいつもなら可愛く思えるのに、今日ばかりは亜純の不安を煽った。
帰りのタクシー内で夫婦生活について触れるわけにもいかず、亜純は頭の中で依に言いたいこと、聞きたいことを整理しながら家のドアを開けた。
依はやれやれとネクタイを緩めて服を脱ぎ出した。靴下を脱いで裸足になると、中途半端に脱いだ服のまま風呂の湯を溜めに浴室へと向かった。
『お湯はりをします』という音声が流れる中、亜純は着替えを後回しに依の名を呼んだ。
「どうかした?」
「あのね、私依とちゃんと話がしたいと思って」
依は亜純の言い方に怪訝な顔をした。空気を読まない依でも、さすがに何か言いたいことがありそうだということくらいはわかる。
会わせたくなかった真白と千景とそれぞれ2人で話す機会を作ってしまった。依はまさか2人とセックスレスについて話したのではないかと息をのんだ。
「話ってなに……」
「あのね……依はさ、子供いらないの?」
亜純は色々シミュレーションしたにもかかわらず、切り出し方がわからなくなってしまい、色んな工程をとばしてそう尋ねた。
0
あなたにおすすめの小説
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる