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想いの矛先
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千景は真白と話した全てを亜純に聞かせた。本来なら内容は伏せておくつもりだったが、亜純が依と真白に不信感を抱いているのがひしひしと伝わってきたため、真白が本気で亜純を心配している様子だったことは共有した方がいいと思った。
「そう……真白が。でもさ、その千景に私と付き合うように言ってきたのは、自分が依と付き合いたいからってことじゃないのかな?」
「それは俺も考えた。だからさっきすぐに言葉が出てこなかったんだけど。でも多分それは違う気がする……」
「千景から見た態度でってことだよね?」
「というか、本気で真白が依のことを好きだったら亜純に依を薦めないと思う」
「だからそれは真白が交換条件を出して」
「先に2人が体の関係になったなら、真白がそれを亜純に言って亜純から依をもう一度振るようにお願いすることもできたと思う」
「それは……」
千景は、真白が本気で依を好きだったたとしたら高校時代から行動しそうなことをいくつか挙げた。
それは真白が今まで亜純にしてきたこととは正反対のことで、たしかに自分が依と上手くいくための行動ではないと亜純にも理解できた。
「依が自信満々に真白は俺のことが好きだって言い張ったなら、真白がそうだって言った可能性はあるけど……でも、それが本当だっていう確証はないよね」
「どういうこと? 真白は依のことは好きじゃないけど、好きな振りをしてたってこと?」
「なんのためにそんなことをしたのかはわかんないけど、その可能性もあるよねって話。本当のところは真白にしかわかんないよ。あくまでも俺の憶測だし」
「でも千景の憶測は怖いくらい当たるから……」
亜純がボソッと言うと、千景はふっと息を漏らした。
「嫌ならまだ話さなくてもいいんじゃない? 俺もその話をすぐには受け止められなかったし、依と真白の両方に裏切られたような気分になるのはわかるよ。例え付き合う前の話だったとしても。
真白と話し合いをしたところで依との離婚は絶対するっていうなら、依とのことが全て片付いてから真白と話し合ってみればいいんじゃない? なんでもいっぺんに解決する必要はないよ」
亜純はその言葉を聞いて少しだけ気が楽になった。自分の中にあった焦燥感が緩和されたようだ。
山積みの問題を今全て解決しなくてもいい。1つずつ目に見えるところからゆっくり手をつけていけばいい。
千景は亜純の心境を亜純以上に理解しているかのようにそう言った。
「そう……真白が。でもさ、その千景に私と付き合うように言ってきたのは、自分が依と付き合いたいからってことじゃないのかな?」
「それは俺も考えた。だからさっきすぐに言葉が出てこなかったんだけど。でも多分それは違う気がする……」
「千景から見た態度でってことだよね?」
「というか、本気で真白が依のことを好きだったら亜純に依を薦めないと思う」
「だからそれは真白が交換条件を出して」
「先に2人が体の関係になったなら、真白がそれを亜純に言って亜純から依をもう一度振るようにお願いすることもできたと思う」
「それは……」
千景は、真白が本気で依を好きだったたとしたら高校時代から行動しそうなことをいくつか挙げた。
それは真白が今まで亜純にしてきたこととは正反対のことで、たしかに自分が依と上手くいくための行動ではないと亜純にも理解できた。
「依が自信満々に真白は俺のことが好きだって言い張ったなら、真白がそうだって言った可能性はあるけど……でも、それが本当だっていう確証はないよね」
「どういうこと? 真白は依のことは好きじゃないけど、好きな振りをしてたってこと?」
「なんのためにそんなことをしたのかはわかんないけど、その可能性もあるよねって話。本当のところは真白にしかわかんないよ。あくまでも俺の憶測だし」
「でも千景の憶測は怖いくらい当たるから……」
亜純がボソッと言うと、千景はふっと息を漏らした。
「嫌ならまだ話さなくてもいいんじゃない? 俺もその話をすぐには受け止められなかったし、依と真白の両方に裏切られたような気分になるのはわかるよ。例え付き合う前の話だったとしても。
真白と話し合いをしたところで依との離婚は絶対するっていうなら、依とのことが全て片付いてから真白と話し合ってみればいいんじゃない? なんでもいっぺんに解決する必要はないよ」
亜純はその言葉を聞いて少しだけ気が楽になった。自分の中にあった焦燥感が緩和されたようだ。
山積みの問題を今全て解決しなくてもいい。1つずつ目に見えるところからゆっくり手をつけていけばいい。
千景は亜純の心境を亜純以上に理解しているかのようにそう言った。
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