したい夜はきみとじゃない

雪村こはる

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それぞれの生活

25

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「可愛い亜純ちゃん見たら、イチャイチャしたくくなっちゃったな」

「え?」

 驚くよりも先に運転席から身を乗り出した悠生にキスをされた。至近距離で見つめられてまた胸が高鳴る。

「お腹空いてる?」

「え? あ……」

「今日、先にホテル行ってもいい? 先にご飯がいい?」

「先にご飯が」

「俺はすぐにでも亜純ちゃんのこと抱きたい」

 そう言ってギュッと抱きしめられた。亜純は目を強く瞑って悠生の背中に手を回す。こんなふうに求められたのはいつぶりだったか。
 昔は依が毎日のように求めてくれたのに。こんなふうに亜純を抱きたいと言って愛を囁いてくれたのに。

 いつしかなくなったそれも、今度は悠生が与えてくれる。今日は何を食べに行くのだろうかと楽しみにしていたものだから、昼食もそこそこにしていた。
 だから、いい具合に空腹だったが、食後のお腹が膨れている状態よりも、今の方が少しはスタイル的にもいいし。なんていい方に考えながらそのままホテルに行くことにした。

 前回の快楽を亜純は覚えていた。大事に慈しむように触れられ、達する。けれど今回は、まだ絶頂を迎える前に悠生の指が止まる。
 
「ぁ……」

 もどかしさを抱いたまま手を伸ばせば、その手を掴んで引っ張られた。自然と上半身が起こされて、亜純はぽかんと口を開けた。

「亜純ちゃんも俺のしてくれる?」

 そう聞かれてビクリと驚いた。依はあまり局部を触られるのを好まなかった。

「嬉しいけど亜純はそんなことしなくていいんだよ。亜純が気持ちい方が嬉しいし」

 そう言って自らオーラルセックスを求めることはなかった。けれど友人達の話を聞けば、お互いにし合うことはとても自然なことだと認識できた。
 だから悠生のお願いも悪意はないはず。それに、前回は自分ばかりが気持ちよくなってしまったのだから、今回はお礼をするのが当然なのかもしれない。

 そんなふうに思いながら、亜純は悠生に導かれるまま竿を握った。
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