216 / 243
新しい風
09
しおりを挟む
「うん。ここなら場所を知られてないし、月極駐車場も来客用に借りてるから車はそこに停めたらいいし」
千景は亜純が車で通勤することも考慮して言った。
「でも……そこまで千景に迷惑はかけられないよ。こんなことになったのは自分のせいだし」
「もし亜純になんかあったら俺が嫌だから安全に過ごしてほしいんだよ。それに迷惑なんかじゃないし……俺も、亜純がいたら嬉しいし」
「え……?」
ぱっと顔を上げた亜純と目が合わないように、千景はふいっと顔を背けた。依みたいに男らしく堂々と目を見つめて言えたらよかった。
けれど、下心が表に顔を出してしまってそれを悟った亜純がどんな反応をするのか怖くもあった。
「……千景は、私がいたら嬉しいと思ってくれるの?」
「うん。俺、今まで気付かなかったけど亜純のこと好きなんだと思う。だから、一緒にいられたら嬉しい」
誤魔化しても仕方がない。ハッキリと思いを伝えなければ進展はしない。結局のところ、気持ちは伝えたもの勝ちだ。だから依が亜純と付き合えた。諦めないことも大切だと依から学んだ。
「千景……。あのね、私も……彼のことが好きだって言ってたばっかりでこんなの信じられないかもしれないけど……千景のことが好きなんだと思うの」
亜純は箸をテーブルの上に揃えて置いて、千景の方に体ごと向けてから躊躇いがちに言った。亜純からちゃんと好きだという言葉が聞けるとは思っていなかったため、千景は喜びよりも驚きの方が勝って数秒間硬直していた。
しかし、すぐに亜純の気持ちを理解して嬉しそうに口角を上げた。
「……信じるよ。だって、その男より俺との付き合いの方が長いもん」
千景が嬉しそうに微笑むと、ようやく亜純と目を合わすことができた。
千景は亜純が車で通勤することも考慮して言った。
「でも……そこまで千景に迷惑はかけられないよ。こんなことになったのは自分のせいだし」
「もし亜純になんかあったら俺が嫌だから安全に過ごしてほしいんだよ。それに迷惑なんかじゃないし……俺も、亜純がいたら嬉しいし」
「え……?」
ぱっと顔を上げた亜純と目が合わないように、千景はふいっと顔を背けた。依みたいに男らしく堂々と目を見つめて言えたらよかった。
けれど、下心が表に顔を出してしまってそれを悟った亜純がどんな反応をするのか怖くもあった。
「……千景は、私がいたら嬉しいと思ってくれるの?」
「うん。俺、今まで気付かなかったけど亜純のこと好きなんだと思う。だから、一緒にいられたら嬉しい」
誤魔化しても仕方がない。ハッキリと思いを伝えなければ進展はしない。結局のところ、気持ちは伝えたもの勝ちだ。だから依が亜純と付き合えた。諦めないことも大切だと依から学んだ。
「千景……。あのね、私も……彼のことが好きだって言ってたばっかりでこんなの信じられないかもしれないけど……千景のことが好きなんだと思うの」
亜純は箸をテーブルの上に揃えて置いて、千景の方に体ごと向けてから躊躇いがちに言った。亜純からちゃんと好きだという言葉が聞けるとは思っていなかったため、千景は喜びよりも驚きの方が勝って数秒間硬直していた。
しかし、すぐに亜純の気持ちを理解して嬉しそうに口角を上げた。
「……信じるよ。だって、その男より俺との付き合いの方が長いもん」
千景が嬉しそうに微笑むと、ようやく亜純と目を合わすことができた。
12
あなたにおすすめの小説
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
継承される情熱 還暦蜜の符合
MisakiNonagase
恋愛
61歳の睦美と、20歳の悠人。ライブ会場で出会った二人の「推し活」は、いつしか世代を超えた秘め事へと変わっていった。合鍵を使い、悠人の部屋で彼を待つ睦美の幸福。
しかし、その幸せの裏側で、娘の愛美もまた、同じ男の体温に触れ始めていた。
母譲りの仕草を見せる娘に、母の面影を重ねる青年。
同じ男を共有しているとは知らぬまま、母娘は「女」としての業(さが)を露呈していく。甘いお土産が繋ぐ、美しくも醜い三角関係の幕が上がる。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる