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新しい風
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真白は届いたメッセージを開いた。白井綾菜だった。連絡先を交換してから数日後、彼女の方からランチに誘われた。
BAと客という立場で連絡先を交換したがまさかランチにまで誘われるとは思ってもみなかった。
しかし真白は不思議と嫌な気持ちにはならなかった。普段の真白なら誰かと連絡を取ることも遊びに行くこと疎ましく感じるのに綾菜に対しては違った。
その不思議な感覚が自分の中で気になった。そんな自分に驚いていたのだ。
いつもの自分なら嫌なものは嫌だと断ったはず。連絡先の交換も、いくら顧客でもそれはできないと丁重に断りを入れただろう。
そうしなかったのは、顧客を無下にできないなんていうのはただの口実で、プライベートで連絡を取ることに少し興味があったのではないかと思えた。
他人に興味を示すことなどなかった。好意を向けられるのも嫌悪を向けられるのもどちらも好きではなかった。
それなのに綾菜からの好意は純粋に嬉しく感じた。初めて亜純以外で友達になってもいいと思えた相手だった。
綾菜の方が真白よりも少し年下だ。初めて会った時には仕事帰りに寄ったと言っていたのに、次回からはしっかりとメイクをして可愛らしい服装に身を包み、ヘアアレンジを施した姿で買い物に現れた。
まるでデートへ行くみたいに。
「これからお出かけですか?」
真白がそう尋ねると、綾菜ははにかむがどこに行くとは言わなかった。おそらく綾菜は真白に会うためだけにオシャレをしてきたのだ。
1番可愛い自分を見せたくて、出かける用事がなくても手間をかけて自分を飾った。
真白はなんとなくそんな気がしていた。そしてその好意は真っ直ぐ自分に向いている。メッセージを読んだ真白は少し微笑んで行くと返事をしたのだった。
BAと客という立場で連絡先を交換したがまさかランチにまで誘われるとは思ってもみなかった。
しかし真白は不思議と嫌な気持ちにはならなかった。普段の真白なら誰かと連絡を取ることも遊びに行くこと疎ましく感じるのに綾菜に対しては違った。
その不思議な感覚が自分の中で気になった。そんな自分に驚いていたのだ。
いつもの自分なら嫌なものは嫌だと断ったはず。連絡先の交換も、いくら顧客でもそれはできないと丁重に断りを入れただろう。
そうしなかったのは、顧客を無下にできないなんていうのはただの口実で、プライベートで連絡を取ることに少し興味があったのではないかと思えた。
他人に興味を示すことなどなかった。好意を向けられるのも嫌悪を向けられるのもどちらも好きではなかった。
それなのに綾菜からの好意は純粋に嬉しく感じた。初めて亜純以外で友達になってもいいと思えた相手だった。
綾菜の方が真白よりも少し年下だ。初めて会った時には仕事帰りに寄ったと言っていたのに、次回からはしっかりとメイクをして可愛らしい服装に身を包み、ヘアアレンジを施した姿で買い物に現れた。
まるでデートへ行くみたいに。
「これからお出かけですか?」
真白がそう尋ねると、綾菜ははにかむがどこに行くとは言わなかった。おそらく綾菜は真白に会うためだけにオシャレをしてきたのだ。
1番可愛い自分を見せたくて、出かける用事がなくても手間をかけて自分を飾った。
真白はなんとなくそんな気がしていた。そしてその好意は真っ直ぐ自分に向いている。メッセージを読んだ真白は少し微笑んで行くと返事をしたのだった。
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