婚約者は元アイドル〜まったり過ごすつもりが波瀾万丈⁈〜

こと葉揺

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「え、アースィムとハッカイさんが繋がってる……?」

 私は驚きを隠せなかった。不自然なことは何回かあったが、そこが繋がっていると……もしかして

「んん~ツヅリちゃん、もしやおぼえがあるのかい?」

 そうだ。そういえば、どこかで見たことのある顔だと思っていた。

「私、ハッカイさんに一度会ったことある」

「え、なんで」

「前にアースィムがしばらくいなくなった時があったんだけど、その後アースィムを連れてきたのがハッカイさんだった」

「アタシはあの2人はかなり親密な感じがするわ~あの時どんな状況だったの?」

 とりあえずその時あったことを簡潔に話した。そういえば、ハッカイさんは「また仲良くしたって」と言っていた。

「なるほどね…まぁだいたいわかった。ハッカイはツヅリちゃんを見張るためにアースィム君と仲良くさせてるみたいね…」

 カタリさんは考えるポーズになり、うーんと長く唸った後発言した。

「1つ、ナナミはもうハッカイの手元にある。ちなみにもうお墓もある。2つ、ハッカイの目的はツムギの技術を盗んで独占しようとしている。3つ、ハッカイは秘密裏にアンドロイドを大量に生産してる」

 私とモモトセは驚きを隠せなかった。想像を超えるほどの事をハッカイさんは企んでいる。500年前に起きたアンドロイド戦争を再び起こそうとしているのだろうか。私とモモトセはあまりの事実に固まっていた。するとカタリさんは二ヘラと笑いその場に立った。

「んにゃらちょっとだけ助けてしんぜよう。半年後、ナナミの命日にここに来て。ハッカイに会わせてあげる」

 カタリさんはホテルのメモにある場所を書き、私に渡してきた。

「かわいい娘のためじゃ、また会おうね、元気で」

 そう言って私の頬にキスをしてチトセさんを抱っこしてホテルの部屋から去っていった。

「…なんか破天荒な人やったな。しかもめちゃくちゃ外見若いし」

「歳とらねぇんだよ、オレと一緒だ」

「起きてたん?K」

「あぁ少しだけ気絶してたけどすぐ起きて話を聞いていた。多分起きてることにカタリは気づいていただろうが、わざと知らんぷりをしていたな」

 SPさんは相変わらず寝たままであった。コスモさんは椅子に座り直し改めて話を続けることにした。

「ハッカイはナナミの亡骸を自分の手元に持ってきて弔いたいってのが願いだと思ってたが、もっと悪どい事を考えていたとは」

 コスモさんははぁ~と長いため息をついた。

「ツムギの方が悪いかと思ってたが、ハッカイのそうがヤバそうだな」

 モモトセは何とも難しい顔をしていた。自分の父親が血も涙もない人間かもしれないのだ。

「でもカタリのいうことを100%信じるのも良くないよな。とりあえず話をまとめよう」

・ハッカイさんの目的は2つある。
1つは遺伝子組み換え技術を手に入れ独占すること。
2つ目はアンドロイドを大量生産し何かの目的を達成しようとしていること。

他の情報として
ツムギさんはサトリさんという人格になっている。
ツムギさんがナナミさんを誘拐したのはほぼ確定か。

「ハッカイに会わせてくれるらしいが、このまま交渉材料も持たずに会いに行くのは危険そうだな。しかも半年も先とか…」

「まず、ツムギさん…サトリさんに会うのがいいかもしれませんね」

「いや、まずはアースィムから攻略しよう」

 コスモさんは何か策があるようだった。

「アースィムはツヅリに執着してるからな、もしかしたら寝返ってくれるかもしれん。だからツヅリ、頑張って色仕掛けしてくれ」

「はぁ?そんなん許さへんし」

 モモトセはめちゃくちゃ怒ってコスモさんの胸ぐらを掴んでいた。コスモさんは平気そうにヘラヘラと笑っていた。

「嫉妬深いなぁ~流石にこのデートでやることやったでしょ?いくら節度を守るったって好き同士だもん。仕方ないよ」

「あのなぁ、お前みたいに貞操観念ゆるゆるとちゃうねん。……多分。でもそれとこれとは話が違うやんか!ツヅリが嫌なことはやらせたくない」

「モモトセもツヅリも利用されようとしているのに?そんなの綺麗事だな。やれることは全部やっといた方がいい」

「あの、色仕掛けって言われても私アースィムとは友達だし、女性っぽいことすると気持ち悪がられるんですけど、色仕掛けに意味はあるんでしょうか?」

「あるある。アースィムの行動の原理はほぼツヅリだから。あ、自己満足とツヅリ、かな。無理にとは言わないけど出来るとこまでやってみて、ちゅーくらいはしてやってよ」

「絶対アカン!!!!誰にも触らせたくない」

 モモトセは頑なに嫌がっていた。先程カタリさんが触っていたところもモモトセは自分の服で拭いたり私を抱きしめてスリスリして自分の匂いを上書きしていた。カタリさんに至っては母親なのにとか思ってしまった。

「とにかく帰ろうぜ。そしてアースィムをなんとか懐柔、または情報を教えてもらうことにしよう」

 3人で決めたことは私とモモトセでアースィムから情報を引き出すことにし、コスモさんはアンドロイドを作っているところを当たることにした。








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