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二章 父の墓
7話
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【おもな登場人物】
《ミィラス》
聖ドリード教団で若くして聖典楽師となった、孔雀色の瞳が印象的な青年
「あたしの……あたしの子だ!」
赤ん坊がぐずりだした。ニネアはどうしてよいか分からずにおろおろとする。すると、老婆が近寄ってきて「こうするんだよ」と赤ん坊を抱き取り、ゆっくりと揺らしはじめた。
ささやくように老婆が歌う子守唄を聴きながら、ミィラスは自問自答した。これで本当に良かったのか。自分は正しい行いをしたのか。ドリード神よ、願わくば私に道を示したまえ……。
神は沈黙していた。ミィラスはひそかにため息をつくと、ニネアに向き直った。
「ニネア、一度子を置き去りにしたことを、悔い改めなければならない」
「……はい」
ニネアはうつむいた。
「……しかし、そこに困窮すべき事情があり、困難がありました。今あなたが子を取り戻したので、きっとやり直せるでしょう」
ミィラスの言葉に、ニネアは顔を上げる。
彼女の伴侶、赤ん坊の父親はある日急にいなくなって行方知れずだった。その理由は分からない。どこかで不運な事故に遭ったのかもしれないし、罪を犯して収監でもされたかもしれない。あるいはふらっと出て行ってしまったのかもしれない。ともかく、貧民街ではよくあることで、ニネアは老いた母親以外に頼れる者がいなかった。
「ほにゃあ」と赤ん坊が無邪気な声を上げる。
ミィラスは赤ん坊のむちむちとした手を見ながら、ふと思った。
もし広場で赤ん坊を見つけたのが自分だったなら、恐らく母親探しなどせず、しかるべき施設で養育されるよう手配をしたことだろう。
だがここではミィラスは、赤ん坊の養育者を誰にするかという問題ではなく、若く心細い母親が不安に駆られて子を捨てた、その罪をあがなう機会こそを重視した。あのまま夫婦に子を預けていれば、子は恵まれた環境で元気に育ったかもしれないが、あがないの機会は永久に失われていた。
善意を生かすのか、悪意を減らすのか、そのどちらかを選ぶことには責任が伴う。聖典楽師は自らの道徳と神の教えに則って、ときには余人と異なる判断を下すことがあった。道徳と良心は時として相反する。
「ほら、抱いてみなさい」
老婆が、ニネアに赤子を渡す。ニネアは戸惑いつつも、我が子を抱いた。
赤子はぽかんとしてニネアを見つめる。おのれが一度は母に捨てられたことすら知らない、無垢な瞳だった。
子の視線を真正面から受けたニネアは顔を歪めた。
「あたし……この子にひどいことをしました」
ミィラスは母子の前に立ち、祈りの姿勢で指を組んだ。
「このときから、その子はあなたの罪を背負う子どもではない。しかし、やはり生活が厳しいのであれば、救民院へ行ってください。少なからず援助があるでしょう。私からは、祝福の証として、名前を授けます」
ニネアは一度も赤ん坊の名を呼ばなかった。まだ名付けられていないからだ。
ミィラスは赤ん坊の額に指を置き、じっと考える。
彼の頭の中では、〝聖典の詩〟に込められた数々の〝力ある言葉〟が星の渦のようにぐるぐると巡っていた。その膨大な言葉の中から、ミィラスはたった一つを見つけ出す。
「――サミル。意味は《喜び》。この子の人生が、喜びの多い道とならんことを」
ミィラスの身体が熱くなり、その熱が指先を通って赤ん坊に流れていった。
「サミル……サミル……あたしのサミルちゃん……!」
ニネアは何度もつぶやいた。
「おお……なんとありがたい」
老婆は感激して目を潤ませる。
名を授けるということはすなわち、その子どもの運命を定めるに等しい。聖典楽師は無数の〝力ある言葉〟を知るがゆえ、それだけの力を持っており、衆生からもそれを望まれる。
だが、彼らとて生身の人間なのだ。祝福は転じて枷にもなり得、その重さは聖典楽師の肩に乗る。
ミィラスは息苦しさをぐっと押し殺し、二人の女に微笑んでみせた。
「あなた方に、ドリード神の加護がありますことを」
ミィラスは荷物から紙とペンを出して、さらさらと書状をしたためた。王都には救民院という王立の施設があり、貧民に施しを与えている。また教団からも神職が派遣されて常駐しており、ミィラスもそこに勤めていたことがある。この親子に便宜を図ってもらうよう依頼の文書を渡せば、何かしら取り計らってくれるはずだ。
彼にできるのはここまでだった。ニネアたちの暮らし向きを良くしてやることも、赤子――サミルをずっとそばで見守ってやることもできない。ミィラスにはこれから果たすべき役目があるからだ。
何かを言いたそうにしているニネアの視線を背中に受けながら、ミィラスはあばら屋を出た。もっと自分たちを助けて欲しいと、彼女らに懇願されたとしても、彼女たちが自ら歩む足を奪ってはならない。ミィラスの持ついかなる金銭も、食料も、彼女らを救うには足りない。これ以上の救済を乞われる前に、ミィラスは出て行かねばならないのだ。
なにが聖典楽師だ。こんな恐ろしい職があるものか。
ミィラスは夜の町を歩きながら、己の無力さに憤った。
助けを請われても、いつかその手は離さなければならない。だが離したその手が、永遠に報われなかったなら? 手を離すことが、これほど勇気のいることだとは思わなかった。赤ん坊を拾ってくれた善意の腕から取り上げて、捨てた腕へと戻すことが、これほど恐ろしく、虚しさへの恐怖に満ちていることとは思わなかった。救民院に勤めていた時でさえ、見えていなかった。
施しを求めてやってくる者は大勢いたし、彼らのためにできる限りの手を尽くして働いたはずだ。
なぜ自分は、彼らの前で平然とした顔でいられた?
人間には限界があるからこそ、神の教えは普遍であっても万能ではない。そのことにほっとしている自分がいたのではないか? 自分の限界はここなのだからと、勝手に納得してはいなかったか?
ドリード神の教えの恐ろしい部分はここだ。ときに良心よりも道徳が優先される。それは、良心が悪となりうることを想定された教えであるからだ。そして、神の教えにおける〝救い〟とは、余人の考える通常の〝救い〟とは意味合いが異なっている──
「……救済と我欲、理由と欺瞞の境はどこだ?」
いっときの施しを与えたとて、彼らが真に救われたわけではない。鍋一杯の粥は、慈悲の証ではない。ミィラスのちっぽけな自己満足と傲慢――彼らになにかしてやれると思い込んだ、愚かしさの証明に他ならなかったのではないか。
これは、それを思い知るための出来事だったのでは。
ミィラスは町角の井戸で水を汲み、喉に流し込んだ。空は白みはじめている。潤したばかりの喉が、夜明けの清浄な空気に触れてぴんと張りつめた。
ミィラスはじっと佇み、山の稜線から朝日が顔を出すのを待つ。やがて日が差すと、あたたかな光が彼の全身を包みこんだ。ミィラスの身体の輪郭が金色に輝き、さながら聖典に描かれた聖人の絵姿のようである。しかしミィラスには、ドリード神のおわす天上の世界が、どこか遠く感じられ、自身は地上でうごめく点のひとつに過ぎないのだと思った。
彼は空を見上げる。小鳥たちのさえずりが、一日のはじまりを告げていた。
《ミィラス》
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「あたしの……あたしの子だ!」
赤ん坊がぐずりだした。ニネアはどうしてよいか分からずにおろおろとする。すると、老婆が近寄ってきて「こうするんだよ」と赤ん坊を抱き取り、ゆっくりと揺らしはじめた。
ささやくように老婆が歌う子守唄を聴きながら、ミィラスは自問自答した。これで本当に良かったのか。自分は正しい行いをしたのか。ドリード神よ、願わくば私に道を示したまえ……。
神は沈黙していた。ミィラスはひそかにため息をつくと、ニネアに向き直った。
「ニネア、一度子を置き去りにしたことを、悔い改めなければならない」
「……はい」
ニネアはうつむいた。
「……しかし、そこに困窮すべき事情があり、困難がありました。今あなたが子を取り戻したので、きっとやり直せるでしょう」
ミィラスの言葉に、ニネアは顔を上げる。
彼女の伴侶、赤ん坊の父親はある日急にいなくなって行方知れずだった。その理由は分からない。どこかで不運な事故に遭ったのかもしれないし、罪を犯して収監でもされたかもしれない。あるいはふらっと出て行ってしまったのかもしれない。ともかく、貧民街ではよくあることで、ニネアは老いた母親以外に頼れる者がいなかった。
「ほにゃあ」と赤ん坊が無邪気な声を上げる。
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もし広場で赤ん坊を見つけたのが自分だったなら、恐らく母親探しなどせず、しかるべき施設で養育されるよう手配をしたことだろう。
だがここではミィラスは、赤ん坊の養育者を誰にするかという問題ではなく、若く心細い母親が不安に駆られて子を捨てた、その罪をあがなう機会こそを重視した。あのまま夫婦に子を預けていれば、子は恵まれた環境で元気に育ったかもしれないが、あがないの機会は永久に失われていた。
善意を生かすのか、悪意を減らすのか、そのどちらかを選ぶことには責任が伴う。聖典楽師は自らの道徳と神の教えに則って、ときには余人と異なる判断を下すことがあった。道徳と良心は時として相反する。
「ほら、抱いてみなさい」
老婆が、ニネアに赤子を渡す。ニネアは戸惑いつつも、我が子を抱いた。
赤子はぽかんとしてニネアを見つめる。おのれが一度は母に捨てられたことすら知らない、無垢な瞳だった。
子の視線を真正面から受けたニネアは顔を歪めた。
「あたし……この子にひどいことをしました」
ミィラスは母子の前に立ち、祈りの姿勢で指を組んだ。
「このときから、その子はあなたの罪を背負う子どもではない。しかし、やはり生活が厳しいのであれば、救民院へ行ってください。少なからず援助があるでしょう。私からは、祝福の証として、名前を授けます」
ニネアは一度も赤ん坊の名を呼ばなかった。まだ名付けられていないからだ。
ミィラスは赤ん坊の額に指を置き、じっと考える。
彼の頭の中では、〝聖典の詩〟に込められた数々の〝力ある言葉〟が星の渦のようにぐるぐると巡っていた。その膨大な言葉の中から、ミィラスはたった一つを見つけ出す。
「――サミル。意味は《喜び》。この子の人生が、喜びの多い道とならんことを」
ミィラスの身体が熱くなり、その熱が指先を通って赤ん坊に流れていった。
「サミル……サミル……あたしのサミルちゃん……!」
ニネアは何度もつぶやいた。
「おお……なんとありがたい」
老婆は感激して目を潤ませる。
名を授けるということはすなわち、その子どもの運命を定めるに等しい。聖典楽師は無数の〝力ある言葉〟を知るがゆえ、それだけの力を持っており、衆生からもそれを望まれる。
だが、彼らとて生身の人間なのだ。祝福は転じて枷にもなり得、その重さは聖典楽師の肩に乗る。
ミィラスは息苦しさをぐっと押し殺し、二人の女に微笑んでみせた。
「あなた方に、ドリード神の加護がありますことを」
ミィラスは荷物から紙とペンを出して、さらさらと書状をしたためた。王都には救民院という王立の施設があり、貧民に施しを与えている。また教団からも神職が派遣されて常駐しており、ミィラスもそこに勤めていたことがある。この親子に便宜を図ってもらうよう依頼の文書を渡せば、何かしら取り計らってくれるはずだ。
彼にできるのはここまでだった。ニネアたちの暮らし向きを良くしてやることも、赤子――サミルをずっとそばで見守ってやることもできない。ミィラスにはこれから果たすべき役目があるからだ。
何かを言いたそうにしているニネアの視線を背中に受けながら、ミィラスはあばら屋を出た。もっと自分たちを助けて欲しいと、彼女らに懇願されたとしても、彼女たちが自ら歩む足を奪ってはならない。ミィラスの持ついかなる金銭も、食料も、彼女らを救うには足りない。これ以上の救済を乞われる前に、ミィラスは出て行かねばならないのだ。
なにが聖典楽師だ。こんな恐ろしい職があるものか。
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助けを請われても、いつかその手は離さなければならない。だが離したその手が、永遠に報われなかったなら? 手を離すことが、これほど勇気のいることだとは思わなかった。赤ん坊を拾ってくれた善意の腕から取り上げて、捨てた腕へと戻すことが、これほど恐ろしく、虚しさへの恐怖に満ちていることとは思わなかった。救民院に勤めていた時でさえ、見えていなかった。
施しを求めてやってくる者は大勢いたし、彼らのためにできる限りの手を尽くして働いたはずだ。
なぜ自分は、彼らの前で平然とした顔でいられた?
人間には限界があるからこそ、神の教えは普遍であっても万能ではない。そのことにほっとしている自分がいたのではないか? 自分の限界はここなのだからと、勝手に納得してはいなかったか?
ドリード神の教えの恐ろしい部分はここだ。ときに良心よりも道徳が優先される。それは、良心が悪となりうることを想定された教えであるからだ。そして、神の教えにおける〝救い〟とは、余人の考える通常の〝救い〟とは意味合いが異なっている──
「……救済と我欲、理由と欺瞞の境はどこだ?」
いっときの施しを与えたとて、彼らが真に救われたわけではない。鍋一杯の粥は、慈悲の証ではない。ミィラスのちっぽけな自己満足と傲慢――彼らになにかしてやれると思い込んだ、愚かしさの証明に他ならなかったのではないか。
これは、それを思い知るための出来事だったのでは。
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