【完結】ココ、ついてますよ

第一章

翔子とカケル

神社からの帰り道

「翔子さん、翔子さんの連絡先聞いてもいいかな？これから何かと必要になると思うし……」

「あっ、はい。もちろんです」

「ありがとう。それから、翔子さんの連絡先、翔兄にも教えて良い？」

「もちろんです。カケルさんは礼儀正しく、紳士的ですね」

「そ、そんな事はないよ。連絡先聞くのに勝手に翔兄に言うのは翔子さんに失礼でしょ？紳士的なんて初めて言われたよ……」

本当に【紳士的】なんて言われ慣れていないようで、カケルはあたふたとしていた。

「ショウさんには改めて言いますが、カケルさん。これから色々とご迷惑をお掛けする事もあるかもしれませんが、宜しくお願いします」

「迷惑だなんて……。じいちゃんも言ってたけどこれからは家族同然。お互いに支え合おうよ。こちらこそ、宜しくね」

そう言ってカケルはクシャっとした笑顔を見せた。

(カケルさんの笑顔を見ると、なんだか元気がもらえるな)

「引っ越してきたばかりで不安もありましたが、私、この街に越してきて良かったです。カケルさんやショウさんに出会えて、おじいちゃんやハク様にも出会えて……。急に家族が増えたみたいで嬉しいです。よぉし、これから頑張るぞー」

こうして翔子とカケルはそれぞれの家へと帰って行った。