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旅の始まり
2.ロウ・フォード
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ロウ・フォードは欠伸を噛み殺しながら、椅子を軋ませ冷めて不味くなった珈琲を口に含む。
シャーロックやポワロみたいな顔の売れた探偵が表舞台で大々的に活躍するためには、猟奇的で刺激的な犯罪を繰り返す知能的な犯人が必要だ。しかし、世界中にそんな犯罪者が小説ほど溢れていては、殺される被害者の方がたまったものではない。そう正直に思うのは、きっと自分だけではあるまい。
とは言え、ロウ・フォードも一応は探偵。
濃いブロンドの髪は頬にかかり、薄いブラウンの瞳が縁なし眼鏡の向こうで油断なく光っている。普段から猫背ぎみの体は、身長が高いせいか覆い被さるような姿に見えた。
探偵社の中は光に埃っぽい空気が漂っている。棚には幾つも堆くファイルが積み上げられていて、触れなくとも今にも崩れだしそうになっていた。『名』とつかない探偵は、胡散臭い品物の受け渡しから人探し、はたまた猫や犬探しに至るまで何でも請け負う。探偵と言えば聞こえはいいが結局は何でも屋だ。世間に知られた名探偵とは違って、探偵とは名ばかりで殺人事件の犯人探しなんて大層な仕事だけを特別には選べない。世の中の大部分の探偵は、お金になるのであれば仕事は選べない。そんな事は当然なのだ。
奥の古びたキッチンで湯が沸く音がして、ノソリと歩いたロウの動きで宙に埃が巻き上がる。ロウの机の上には今朝届いた一通の手紙が、無操作に広げられていた。
その手紙は今時珍しい封蝋で閉じられて届けられた古風な手紙。封蝋なんて珍しいが、家紋でもなく扉の形だけで家名を示すようなアルファベットもない。つまりはコート・オブ・アームズではない封蝋は、ただのお飾りの可能性もある。ただし、この封蝋のスタンプはお飾りにしては、手が込みすぎている。扉の形に元はアルファベットが堀こまれていたのかもしれないが、見た限りでは元からこの形のようにも見えた。扉の周りを精巧な細工で縁取るのは、どうやら鳥の羽根のようだ。封蝋を砕かないように開いた封筒から、最初に滑り落ちたのは古ぼけた1枚の写真だった。
写真のセピア色の世界には、古ぼけた教会と寂れた幾つかの家が写され、集落の入り口とおぼしき場所に看板がぶら下がっている。
『ヴィレッジ・フォート』
聞き覚えのない名前だが、写真の家並みには似合いの名前だ。数少ない家並みは町というより村と言う言葉が良く似合う気がする。最近はセピアに加工して印刷も出来るが、この写真は本当に時間を経た角の折れた古い写真のようだ。そんな古ぼけた写真を裏返してみても、何も書き込まれてはいない。手紙はたった一枚で、内容は簡潔だった。
『ロウ・フォード様
私の子供を探してください。子供はこの村で姿を消しました。お願いです、早く子供を探してください。
F』
こんな訳の分からない依頼は微塵も受ける気にはならなかった。大体にして探せと言われている娘の名前すらかかれていない依頼なんて、受けようがないではないか。バカにされただけなのかと、溜め息混じりにその手紙をながら暫く考え込む。手紙はくだらないジョークだとわかっているのに、何が気になってこの手紙を今朝から眺めている。理由はロウにも分からない。ジョークとしか思えない内容なのに、封蝋といい写真といい手が込みすぎている。そのせいなのか、何度も気がつくとこの手紙を眺め続けてしまう。
何が引っ掛かるのか……F、フォート、フォード、フォルト、フェルプス、フラウ、フリン、これじゃ正解なんか分かりゃしない。
何気なく珈琲をマグカップに注ぎ、机に戻るともう一度眺める。名前が引っ掛かるわけでもないのなら、自分は何が気になって朝から眺めているのか。無意識に置いたマグカップの底がキッチンでまだ濡れていたのだろう、手紙にジワリと水が滲んで慌てて持ち上げる。インクが滲んでしまったかと、慌てて持ち上げ眺めた視線の先にその手紙が新たな顔を覗かせていた。
なんだこりゃ?
指先で触れるとその部分だけ水が弾ける。何か水を弾くインクのようなもので、手紙にもう1つ伝えたいモノがあるのが見えた。躊躇いがちに薄く水で撫でると、そこには全く違う手紙が浮き出す。
『助けて、ロウ
私は囚われている、お願い、早く助けに来て。あなたしか頼れない。村の教会、』
その文字が途中で途切れているのがわかる。何故?こんな途中で手紙を出したのか、しかもこれでは子供を探してほしいというよりは、自分の事を助け出してほしいと読めてしまう。この手紙の差出人は母親なのか?それとも囚われた誰かか?囚われた誰かは子供なのか?別人なのか?全くもって不可解な手紙だ。何より不可解なのは、この手紙の主は確実に自分を名指しで呼んでいる。どちらの手紙だとしても自分を名指しにするこの手紙の主は、自分の事を知っている人物なのだろう。
おかしな手紙だ、フォート村。
寂れた寒村に囚われている人間と消えたという子供、そしてその母親という差出人。
封筒を持ち上げ、手紙のように透かしてみると、奥にまだ何かが入っていたのに気がつく。封を糊で貼り付けた時に張り付いてしまったのだろう。封蝋以外に丁寧に糊付けするくらい丁寧な手紙は、やはりジョークにしては手が込みすぎている。奥から引っ張り出した紙は、小切手だった。調査依頼の費用のつもりなのだろう破格の小切手。同封されていたことに、ロウは眉をあげるとそれを眺める。捜査費用を先に手渡されて、しかもこの手紙は差出人の住所も連絡先すらない。貧乏な探偵としては小切手はありがたく貰っておけばいいだけだが、それも探偵としては良心がほんの少し咎める気がしないでもない。ジョークに付き合ってやってもいいかと思うくらいには、良心もあるのだ。
※※※
だからだ、と言っては何だがロウ・フォードは背を丸めながら荒れ果てた小道をのんびりとした足取りで歩き始めていた。どう見ても長い間整備されたことのない朽ち始めた小道は、細く長く続き古ぼけた集落に向かっている。目の前には写真にもあったが更に古ぼけ潮で文字の幾つかを失った『ヴィレッジ・フォート』の看板が乾いた風に揺れてキシキシと軋む。人の気配もない古ぼけた家々を、眼鏡越しに眺めてロウは小道の先の尖塔を見上げた。
まずは教会か?
一通り探索して何もなければ、良心も痛みはしないだろう。探すにしてもこの集落は狭く通りには人の気配もない、そう時間もかかりそうにない。そう思ってロウ・フォードは垂れ込めた雲を背負う寂れた村を眺める。
それが運命の始まりとも知らずに、ロウ・フォードは小道を歩き始めた。
シャーロックやポワロみたいな顔の売れた探偵が表舞台で大々的に活躍するためには、猟奇的で刺激的な犯罪を繰り返す知能的な犯人が必要だ。しかし、世界中にそんな犯罪者が小説ほど溢れていては、殺される被害者の方がたまったものではない。そう正直に思うのは、きっと自分だけではあるまい。
とは言え、ロウ・フォードも一応は探偵。
濃いブロンドの髪は頬にかかり、薄いブラウンの瞳が縁なし眼鏡の向こうで油断なく光っている。普段から猫背ぎみの体は、身長が高いせいか覆い被さるような姿に見えた。
探偵社の中は光に埃っぽい空気が漂っている。棚には幾つも堆くファイルが積み上げられていて、触れなくとも今にも崩れだしそうになっていた。『名』とつかない探偵は、胡散臭い品物の受け渡しから人探し、はたまた猫や犬探しに至るまで何でも請け負う。探偵と言えば聞こえはいいが結局は何でも屋だ。世間に知られた名探偵とは違って、探偵とは名ばかりで殺人事件の犯人探しなんて大層な仕事だけを特別には選べない。世の中の大部分の探偵は、お金になるのであれば仕事は選べない。そんな事は当然なのだ。
奥の古びたキッチンで湯が沸く音がして、ノソリと歩いたロウの動きで宙に埃が巻き上がる。ロウの机の上には今朝届いた一通の手紙が、無操作に広げられていた。
その手紙は今時珍しい封蝋で閉じられて届けられた古風な手紙。封蝋なんて珍しいが、家紋でもなく扉の形だけで家名を示すようなアルファベットもない。つまりはコート・オブ・アームズではない封蝋は、ただのお飾りの可能性もある。ただし、この封蝋のスタンプはお飾りにしては、手が込みすぎている。扉の形に元はアルファベットが堀こまれていたのかもしれないが、見た限りでは元からこの形のようにも見えた。扉の周りを精巧な細工で縁取るのは、どうやら鳥の羽根のようだ。封蝋を砕かないように開いた封筒から、最初に滑り落ちたのは古ぼけた1枚の写真だった。
写真のセピア色の世界には、古ぼけた教会と寂れた幾つかの家が写され、集落の入り口とおぼしき場所に看板がぶら下がっている。
『ヴィレッジ・フォート』
聞き覚えのない名前だが、写真の家並みには似合いの名前だ。数少ない家並みは町というより村と言う言葉が良く似合う気がする。最近はセピアに加工して印刷も出来るが、この写真は本当に時間を経た角の折れた古い写真のようだ。そんな古ぼけた写真を裏返してみても、何も書き込まれてはいない。手紙はたった一枚で、内容は簡潔だった。
『ロウ・フォード様
私の子供を探してください。子供はこの村で姿を消しました。お願いです、早く子供を探してください。
F』
こんな訳の分からない依頼は微塵も受ける気にはならなかった。大体にして探せと言われている娘の名前すらかかれていない依頼なんて、受けようがないではないか。バカにされただけなのかと、溜め息混じりにその手紙をながら暫く考え込む。手紙はくだらないジョークだとわかっているのに、何が気になってこの手紙を今朝から眺めている。理由はロウにも分からない。ジョークとしか思えない内容なのに、封蝋といい写真といい手が込みすぎている。そのせいなのか、何度も気がつくとこの手紙を眺め続けてしまう。
何が引っ掛かるのか……F、フォート、フォード、フォルト、フェルプス、フラウ、フリン、これじゃ正解なんか分かりゃしない。
何気なく珈琲をマグカップに注ぎ、机に戻るともう一度眺める。名前が引っ掛かるわけでもないのなら、自分は何が気になって朝から眺めているのか。無意識に置いたマグカップの底がキッチンでまだ濡れていたのだろう、手紙にジワリと水が滲んで慌てて持ち上げる。インクが滲んでしまったかと、慌てて持ち上げ眺めた視線の先にその手紙が新たな顔を覗かせていた。
なんだこりゃ?
指先で触れるとその部分だけ水が弾ける。何か水を弾くインクのようなもので、手紙にもう1つ伝えたいモノがあるのが見えた。躊躇いがちに薄く水で撫でると、そこには全く違う手紙が浮き出す。
『助けて、ロウ
私は囚われている、お願い、早く助けに来て。あなたしか頼れない。村の教会、』
その文字が途中で途切れているのがわかる。何故?こんな途中で手紙を出したのか、しかもこれでは子供を探してほしいというよりは、自分の事を助け出してほしいと読めてしまう。この手紙の差出人は母親なのか?それとも囚われた誰かか?囚われた誰かは子供なのか?別人なのか?全くもって不可解な手紙だ。何より不可解なのは、この手紙の主は確実に自分を名指しで呼んでいる。どちらの手紙だとしても自分を名指しにするこの手紙の主は、自分の事を知っている人物なのだろう。
おかしな手紙だ、フォート村。
寂れた寒村に囚われている人間と消えたという子供、そしてその母親という差出人。
封筒を持ち上げ、手紙のように透かしてみると、奥にまだ何かが入っていたのに気がつく。封を糊で貼り付けた時に張り付いてしまったのだろう。封蝋以外に丁寧に糊付けするくらい丁寧な手紙は、やはりジョークにしては手が込みすぎている。奥から引っ張り出した紙は、小切手だった。調査依頼の費用のつもりなのだろう破格の小切手。同封されていたことに、ロウは眉をあげるとそれを眺める。捜査費用を先に手渡されて、しかもこの手紙は差出人の住所も連絡先すらない。貧乏な探偵としては小切手はありがたく貰っておけばいいだけだが、それも探偵としては良心がほんの少し咎める気がしないでもない。ジョークに付き合ってやってもいいかと思うくらいには、良心もあるのだ。
※※※
だからだ、と言っては何だがロウ・フォードは背を丸めながら荒れ果てた小道をのんびりとした足取りで歩き始めていた。どう見ても長い間整備されたことのない朽ち始めた小道は、細く長く続き古ぼけた集落に向かっている。目の前には写真にもあったが更に古ぼけ潮で文字の幾つかを失った『ヴィレッジ・フォート』の看板が乾いた風に揺れてキシキシと軋む。人の気配もない古ぼけた家々を、眼鏡越しに眺めてロウは小道の先の尖塔を見上げた。
まずは教会か?
一通り探索して何もなければ、良心も痛みはしないだろう。探すにしてもこの集落は狭く通りには人の気配もない、そう時間もかかりそうにない。そう思ってロウ・フォードは垂れ込めた雲を背負う寂れた村を眺める。
それが運命の始まりとも知らずに、ロウ・フォードは小道を歩き始めた。
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追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
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