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11月
191.ツタ
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11月17日 水曜日
勤勉と言えば学生の本分だけど、少し気が弛んでいる気がしなくもないここ数日。インフルエンザもすこしおちついたかなぁなんて思ったりしながら、考えていることはやっぱり雪ちゃんの事。後もう1つは衛のお父さん、香坂衛さんのことだ。結婚する前に亡くなったって言う香坂衛さんは病気で亡くなったって言うけど、智美君とは関係があるんだろうか。それに雪ちゃんの本当のお父さんの名前は聞いたことがないけど、関係あるのかな。あんなに似てたら関係がないって思う方が難しい。結婚してれば、親戚とかにも出会ったかもしれないけど。
うん、モヤモヤしてても仕方がないから、聞けるところに聞いてみよう。
「智美君、智美君の親戚に衛さんって名前の人いる?」
素直に聞いてみたら、智美君の表情が見たことのないものに変わった。あれ?ドンピシャ?でも智美君のこの表情ってなに?唐突に立ち上がって智美君が、一緒に来るように手招く。あれ?なにこれ?聞いたらいけない感じなの?智美君は皆から完全に聞こえない位に離れたのに、まだ、歩くのをやめない。私は聞いちゃいけない事をきいちゃったみたいで、大人しく後ろからついていく。また、うちのクラスに顔を出すつもりの宮内先輩とすれ違っても、智美君は足を止めない。
「智美君…?何処行くの?」
無言のまま智美君が開けたのは生徒指導室で、中にいた土志田センセが目を丸くしている。せ、生徒指導室で何をする気なのかと思ったら、智美君はスタスタと生徒指導室の椅子に腰かけた。
「あの、智美君?」
「まず、座って。先生、お茶。」
「お前なぁ、ここは喫茶店じゃねーぞ。」
そう言いながらもセンセはイソイソ冷蔵庫に向かってくれる。って言うか智美君こんな風に生徒指導室を喫茶代わりに使ってるの?時々授業を体調不良とかって、ここに来たりしてたの?
「誰から聞いたの?その名前。」
「誰って言うか……。」
ヒンヤリした智美君の口調が今まで聞いたことのない声で、思わず私は目を丸くする。そんなに詰問されるようなことなの?衛のお父さんって。
「他に誰か香坂って名前の人間も知ってるの?」
それは素直に知らない。って言うか、何でそんなことを気にするの?あ!もしかして智美君のお家はちょっと特殊って以前センセも言ってたけど、やっぱりやのつくお家だったりするの?もしかして同じ名字の人が現れると跡継ぎ問題とか?!どうしよう!衛のこと話したらダメなんじゃ!ああ!だからか!静子さんが衛を守って育ててくれる人を探してたんだって!スッゴい繋がったけど!!
「知らない。」
「じゃ、最所の話に戻るけど、誰から聞いたの?」
誰って言うか、えーっと、何とか上手くごまかせないかなぁ。ごまかせないか、ごまかせないよねぇ。えーん、どうしよう。
「おい、あんまり脅迫めいた聞き方するな、香坂。」
お茶を手に戻ってきたセンセが救いの手を差しのべてくれる。そうだ!ここは生徒指導室!センセが助けてくれれば、って見つめると、怯えてるぞとセンセが笑う。誠実に答えたいとは思うのですが、雪ちゃんが必死で守ってる衛をお家騒動に巻き込むわけにはいかない。すると、智美君はふぅと溜め息をついた。
「まあ、もう故人だからね、衛は。」
「そうだよね。」
思わず頷いた私に冷ややかな視線がまた向く。しまった、また余計なことを。智美君は少しだけ声を落として、溜め息混じりに呟く。
「麻希、カメラアイって知ってるか?」
「カメラ…?なにそれ。」
聞いたことのない言葉に首をかしげると、智美君がセンセに向かってトランプ貸してという。何でトランプなんて思ってたら、生徒から没収した小さいサイズのトランプがあるんだって。智美君はそれを適当に広げると、私にそのまま片っ端から裏返すように言う。机の上の裏返しのトランプを裏を覚えてるのはどれかと問いかけられるけど、え?そんなの覚えとけって言わなかったよ?最後から何枚しか覚えてない。
「これがハートのクイーンで、これがクローバーの7。」
後は分かんないよって言うと、智美君は私に近いカードから唐突に裏を言い当て始めた。え?って思うけど、智美君はまるで裏が見えてるみたいに間違わない。結局全部カードの裏を言い当ててしまった。
「手品?」
「いいや、見ての通り、一瞬で見て覚えてるんだ。何回やっても変わらないよ。」
ええ?見て覚えてるの?嘘~って思ったけど、二~三回やっても智美君は間違えない。しかも適当にカードの山から私が何枚か抜いて行ったカードが、何と何かも言い当ててしまう。見てるっていってもほんの一瞬だよ?えええ?ってなったけど、これで何か智美君が教科書を覚えてるって言ったのが理解できる。試しに国語の適当なページを言って、左の端の一文を言ってもらったけどそれも一度も間違えない。こういうのをカメラアイって言うらしいけど、一瞬でカメラのシャッターみたいに頭に画像で記憶しちゃうんだって。
「あれ?で、何で」
香坂衛さんの話を詰め寄ったの?って聞いたら、やっぱり親戚だったらしい彼も似たような能力があったみたい。で、やっぱりお家騒動みたいなもので、智美君のお家ではこういう特殊な能力が強い人がお家を継ぐんだって。でも、能力って皆あるの?って聞いたらカメラアイ自体は本当は人間が誰でも持ってる能力らしい。元々は皆が持ってるけど、今は使わなくてもいい能力だから、表に出てこないものなんだって。でも、智美君の親戚はそれが表に出やすい家系なんだって言う。
「サヴァン症候群と同じさ、優れてるんじゃなくて障害があるから、それを補う為に表に出てるんだよ。」
そんな風に智美君は苦い顔をする。智美君にとってはあんまり良いことではないんだ。教科書を全部覚えられるなんて、得してると思うけどなぁって私が言ったら。
「覚えると忘れないんだぞ?嫌なことを経験すると、それを今起きたみたいに何回も見続ける。麻希が苦手な生物のテストを延々…。」
「わあ!そんなのやだぁ!」
「だろ?」
そうかぁ、そういわれると特ってばかりじゃないんだなぁ。って言う私を、智美君は少し安心したみたいに笑う。
「麻希子らしいな。」
「なにが?」
「僕の話を聞いても何にも変わらないところが。」
智美君は以前その能力のせいで、人から気持ち悪いって言われたことがあったんだって。だから余り公にしないし、センセが気を付けるようにしてくれているから今は学校に通えるって話す。
「でも、そしたら何で?」
なんで衛さんの名前であんなに詰め寄ったのって聞いたら、その能力は遺伝するんだって。衛さんが持ってた能力は、衛さんの子供にもあるかもしれない。でも、衛さんが死ぬ直前まで、何処で何をしていたかは智美君のお家では知らないんだって。知らない方がいいんだけど、結婚して子供とかがいたら同じ能力で困るかもしれない。勿論殆ど表に変な力は出てこなくて幸せな普通の子供の可能性もあるって。
その話を聞いていて、私の中には確かに衛のこともあったんだけど、雪ちゃんの事も浮かんでいた。雪ちゃんも凄く記憶力が良くて、昔あったことを今の出来事みたいに話すときがある。もしかして、雪ちゃんも智美君と似たような力があるのかな。
勤勉と言えば学生の本分だけど、少し気が弛んでいる気がしなくもないここ数日。インフルエンザもすこしおちついたかなぁなんて思ったりしながら、考えていることはやっぱり雪ちゃんの事。後もう1つは衛のお父さん、香坂衛さんのことだ。結婚する前に亡くなったって言う香坂衛さんは病気で亡くなったって言うけど、智美君とは関係があるんだろうか。それに雪ちゃんの本当のお父さんの名前は聞いたことがないけど、関係あるのかな。あんなに似てたら関係がないって思う方が難しい。結婚してれば、親戚とかにも出会ったかもしれないけど。
うん、モヤモヤしてても仕方がないから、聞けるところに聞いてみよう。
「智美君、智美君の親戚に衛さんって名前の人いる?」
素直に聞いてみたら、智美君の表情が見たことのないものに変わった。あれ?ドンピシャ?でも智美君のこの表情ってなに?唐突に立ち上がって智美君が、一緒に来るように手招く。あれ?なにこれ?聞いたらいけない感じなの?智美君は皆から完全に聞こえない位に離れたのに、まだ、歩くのをやめない。私は聞いちゃいけない事をきいちゃったみたいで、大人しく後ろからついていく。また、うちのクラスに顔を出すつもりの宮内先輩とすれ違っても、智美君は足を止めない。
「智美君…?何処行くの?」
無言のまま智美君が開けたのは生徒指導室で、中にいた土志田センセが目を丸くしている。せ、生徒指導室で何をする気なのかと思ったら、智美君はスタスタと生徒指導室の椅子に腰かけた。
「あの、智美君?」
「まず、座って。先生、お茶。」
「お前なぁ、ここは喫茶店じゃねーぞ。」
そう言いながらもセンセはイソイソ冷蔵庫に向かってくれる。って言うか智美君こんな風に生徒指導室を喫茶代わりに使ってるの?時々授業を体調不良とかって、ここに来たりしてたの?
「誰から聞いたの?その名前。」
「誰って言うか……。」
ヒンヤリした智美君の口調が今まで聞いたことのない声で、思わず私は目を丸くする。そんなに詰問されるようなことなの?衛のお父さんって。
「他に誰か香坂って名前の人間も知ってるの?」
それは素直に知らない。って言うか、何でそんなことを気にするの?あ!もしかして智美君のお家はちょっと特殊って以前センセも言ってたけど、やっぱりやのつくお家だったりするの?もしかして同じ名字の人が現れると跡継ぎ問題とか?!どうしよう!衛のこと話したらダメなんじゃ!ああ!だからか!静子さんが衛を守って育ててくれる人を探してたんだって!スッゴい繋がったけど!!
「知らない。」
「じゃ、最所の話に戻るけど、誰から聞いたの?」
誰って言うか、えーっと、何とか上手くごまかせないかなぁ。ごまかせないか、ごまかせないよねぇ。えーん、どうしよう。
「おい、あんまり脅迫めいた聞き方するな、香坂。」
お茶を手に戻ってきたセンセが救いの手を差しのべてくれる。そうだ!ここは生徒指導室!センセが助けてくれれば、って見つめると、怯えてるぞとセンセが笑う。誠実に答えたいとは思うのですが、雪ちゃんが必死で守ってる衛をお家騒動に巻き込むわけにはいかない。すると、智美君はふぅと溜め息をついた。
「まあ、もう故人だからね、衛は。」
「そうだよね。」
思わず頷いた私に冷ややかな視線がまた向く。しまった、また余計なことを。智美君は少しだけ声を落として、溜め息混じりに呟く。
「麻希、カメラアイって知ってるか?」
「カメラ…?なにそれ。」
聞いたことのない言葉に首をかしげると、智美君がセンセに向かってトランプ貸してという。何でトランプなんて思ってたら、生徒から没収した小さいサイズのトランプがあるんだって。智美君はそれを適当に広げると、私にそのまま片っ端から裏返すように言う。机の上の裏返しのトランプを裏を覚えてるのはどれかと問いかけられるけど、え?そんなの覚えとけって言わなかったよ?最後から何枚しか覚えてない。
「これがハートのクイーンで、これがクローバーの7。」
後は分かんないよって言うと、智美君は私に近いカードから唐突に裏を言い当て始めた。え?って思うけど、智美君はまるで裏が見えてるみたいに間違わない。結局全部カードの裏を言い当ててしまった。
「手品?」
「いいや、見ての通り、一瞬で見て覚えてるんだ。何回やっても変わらないよ。」
ええ?見て覚えてるの?嘘~って思ったけど、二~三回やっても智美君は間違えない。しかも適当にカードの山から私が何枚か抜いて行ったカードが、何と何かも言い当ててしまう。見てるっていってもほんの一瞬だよ?えええ?ってなったけど、これで何か智美君が教科書を覚えてるって言ったのが理解できる。試しに国語の適当なページを言って、左の端の一文を言ってもらったけどそれも一度も間違えない。こういうのをカメラアイって言うらしいけど、一瞬でカメラのシャッターみたいに頭に画像で記憶しちゃうんだって。
「あれ?で、何で」
香坂衛さんの話を詰め寄ったの?って聞いたら、やっぱり親戚だったらしい彼も似たような能力があったみたい。で、やっぱりお家騒動みたいなもので、智美君のお家ではこういう特殊な能力が強い人がお家を継ぐんだって。でも、能力って皆あるの?って聞いたらカメラアイ自体は本当は人間が誰でも持ってる能力らしい。元々は皆が持ってるけど、今は使わなくてもいい能力だから、表に出てこないものなんだって。でも、智美君の親戚はそれが表に出やすい家系なんだって言う。
「サヴァン症候群と同じさ、優れてるんじゃなくて障害があるから、それを補う為に表に出てるんだよ。」
そんな風に智美君は苦い顔をする。智美君にとってはあんまり良いことではないんだ。教科書を全部覚えられるなんて、得してると思うけどなぁって私が言ったら。
「覚えると忘れないんだぞ?嫌なことを経験すると、それを今起きたみたいに何回も見続ける。麻希が苦手な生物のテストを延々…。」
「わあ!そんなのやだぁ!」
「だろ?」
そうかぁ、そういわれると特ってばかりじゃないんだなぁ。って言う私を、智美君は少し安心したみたいに笑う。
「麻希子らしいな。」
「なにが?」
「僕の話を聞いても何にも変わらないところが。」
智美君は以前その能力のせいで、人から気持ち悪いって言われたことがあったんだって。だから余り公にしないし、センセが気を付けるようにしてくれているから今は学校に通えるって話す。
「でも、そしたら何で?」
なんで衛さんの名前であんなに詰め寄ったのって聞いたら、その能力は遺伝するんだって。衛さんが持ってた能力は、衛さんの子供にもあるかもしれない。でも、衛さんが死ぬ直前まで、何処で何をしていたかは智美君のお家では知らないんだって。知らない方がいいんだけど、結婚して子供とかがいたら同じ能力で困るかもしれない。勿論殆ど表に変な力は出てこなくて幸せな普通の子供の可能性もあるって。
その話を聞いていて、私の中には確かに衛のこともあったんだけど、雪ちゃんの事も浮かんでいた。雪ちゃんも凄く記憶力が良くて、昔あったことを今の出来事みたいに話すときがある。もしかして、雪ちゃんも智美君と似たような力があるのかな。
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