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1月

243.スミレ

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1月8日 日曜日
小さな幸せと言っていいのかな、何故か目下雪ちゃんと二人きりになってしまっています。えーっとね、何て言うか説明が難しいんだけど、黙りこんだ雪ちゃんが傍にいるのです。
ちょっと昨日のことが頭を過っちゃうと、気まずい感じなのは私だけ?あんな風に膝に跨がって腰を引き寄せられて。色々なとこに、唇だけじゃなくて頬とか瞼とか、首とかにもキスをされて。でもその直後に衛がいい勢いで階段を駆け上がって来たので、慌てて雪ちゃんは私の腰を離してくれたんだけど。何でか、もう少しって心のどこかで考えてしまった自分に、ちょっと待った!もう少しって何?!と激しく一人突っ込みをしたくなってしまう私。

「麻希子?」
「は、はいっ!」

一人で考え事をしていたせいか思わずそんな返事をしてしまった私に、雪ちゃんは驚いたように目を丸くする。

あれ?何でこの体勢?

気がつくと凄く雪ちゃんの顔が近い。しかも背中には壁で逃げ場がない私を、雪ちゃんが視線だけは謙虚な感じで屈みこむようにして覗きこんでくる。あ、あれ?これって壁ドンですか?いつの間に壁ドン?!

「何で、緊張してるの?麻希子。」
「え、えーと、ですね。」

流石に嘘もつけなくて誠実に昨日のことがあってと呟くと、衛はここにはいないよ?と囁かれてしまう。いないのは確かにそうなんだけど、そう言うことではなくてですね。何か年を越してから、雪ちゃんの雰囲気が違うよね?何でかなぁってオズオズと聞いてみる。

「……俺が変わった訳じゃなくて、麻希子の方が変わったんだと思うけど。」

そう当然みたいに雪ちゃんは大人っぽく微笑みながら言う。いや、雪ちゃんは大人だから大人っぽくはおかしいんだけど。そんなことないと思うけど、雪ちゃんにはそう見えてるんだとしたら何が変わったんだろう。兎も角ね、壁ドンでは何だか緊張して…

「何で緊張するの?」
「え?」
「どうして緊張するの?俺は何もしてないよ。」
 
た、確かに雪ちゃんは何もしてないのは事実だ。あれ?そんなこと言われると、確かに何で私はこんなに緊張するんだろう。壁ドンしてるけど体は昨日みたいにお膝を跨いでるわけでもないし手も触れてないし、緊張する理由は確かに自分でも分からないかも。そう思った瞬間、雪ちゃんが少しだけ笑って顔を近づけたのが分かる。

あ、キスされる

そんな風に頭の中で自分が呟く。勿論その通りにキスをされながら、雪ちゃんの片手が力強く体を抱き寄せるのを感じる。反対の手で顎を押さえ込まれて何度もキスされてる内に、少し私の体が熱っぽくなっていく。そうすると雪ちゃんの手が、更に強く私の事を抱き寄せてしまう。これってこういうのに慣れてきてるとかいう事なのかな、雪ちゃんの熱い手とか唇が触れたところがポワッと更に熱く感じる。

「気持ち……いい?」

少し掠れた熱っぽく低くなる雪ちゃんの声。こんな風な声で話しかけられると、私は少し困ってしまう。何で困るの?って少し意地悪な声で問いかけられても。これは気持ちいいのか緊張なのか私にもまだよく分からないのに、何でか力だけは簡単に抜けて足が震える。これ以上力が抜けたら、また雪ちゃん任せになっちゃうから。そう言うのに雪ちゃんは止めるつもりがないみたい。

「麻希子……もう……少しだけ…、ね?」

凄く熱い吐息で囁きかけた雪ちゃんが、キスをしながら簡単に私の事を抱き上げる。これって、もしかしたら、キスの先に続くの?そう問いかけようとするけどキスが続いてて言葉がでない。不意に腰が直に手で撫でられて、私は驚いて見下ろすと薄い一枚しか服が残ってないのに目を丸くする。

「可愛い、けど……邪魔だから脱がしていい?」

邪魔って、最後の一枚だよ?!そう慌てて逃げようとする私に雪ちゃんが覆い被さって、その体温に驚かされてしまう。熱くて凄くがっしりしてて全然私の力では動かないのに、雪ちゃんの方は簡単に私の服のボタンを外してしまった。ええ?!駄目だよ、雪ちゃんってば!お嫁さんになるまでこういうことはしないって約束だよ!

「……大丈夫、今すぐお嫁さんにしてあげる、麻希子。」

そんな風に格好いい声で囁き駆けられたら困る。雪ちゃんの馬鹿ぁ!そんな風に触っちゃ逆らえなくなるし、



※※※


「……智雪…の……エッチ!!」

思わず叫んだ声で目が覚めた私。え?今のなに?自分の声?そう思った瞬間、隣の部屋でガタガタッドスンッて何かが落ちる音がして我にかえった。私、今夢見てて寝言で目を覚ましたみたい。って言うか寝言、聞こえたんだよね?きっと。雪ちゃんの部屋から聞こえた音に、私は慌てて家の中の様子を伺いながら廊下に出る。よかった、下には聞こえてないみたいで、家の中は静かなままだ。恐る恐る雪ちゃんのお部屋をノックして扉をあける。

「あの……雪ちゃん……?」

暗い中で呆然とした様子でベッドから床に落ちてる雪ちゃんがいる。そ、そうだよね、そりゃ驚くよね?突然おっきな声で、あんなこと言われたら。ごめんなさい、寝言なんです。そう謝るとポカーンとした雪ちゃんが私を見上げて口を開いた。

「ね……寝言?今の…?」
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