396 / 591
3月
322.ヤマブキ
しおりを挟む
3月28日 火曜日
やっとの事で退院の日。
今更だけど10日以上も入院してたんだ!!って気がついたのは、病室を片付けて壁のカレンダーを眺めたときだった。ええ?!ここに私って10日も居たの?位な気分。正直なところ前半は熱のせいなのか、殆ど記憶に残ってない有り様なんだよね。そうなると何かね14日からスコーンッて10日くらいタイムスリップしてる感じ。もう本当にあれ?ここまでどうしてたんだろうって感じなんだよね。
四倉さんは何時もと同じ笑顔でニコニコしながら退院の書類を手渡して、診察券をママに手渡しながら入院ってそんなものよと微笑んでくれる。そっか、入院するくらい体調が悪いってことだもんね、皆もこうなるんだって素直に感じてしまう。この後薬剤師が来ますからと一通りの説明を終えると、改めて四倉さんは笑顔で私に向き直った。
「おだいじにね?お家で美味しいもの食べなきゃね、麻希子ちゃん。」
そう言えば何回か麻希子って呼んでいいよっていったのに、四倉さんはずっと宮井さんって呼んだ。患者さんの内は宮井さんと丁寧に呼んでくれていた四倉さんが、退院おめでとうと一緒に麻希子ちゃんって呼んでくれたって凄く感慨深い。薬剤師さんから飲み薬の説明を聞いて、これで全部終わりてすよと言われて後は帰途につくだけ。看護師さん達のナースステーションに声をかけると、他の看護師さん達も私服になった私と手を繋いでいる衛にニコニコしながらお大事にねーと声をかけてくれる。
「麻希ちゃんいなくなったら、患者さんの平均年齢上がるわぁ。」
主任看護師の宇和野さんがそんなこと言うのに他の看護師さん達まで癒しが無くなるわーって言ってるけど、あの……何もしてないんですが、私。居るだけでいいのよーって言うけど、ここ病院なんで居るだけってと思わず苦笑いだ。皆に改めてお大事にねーと手を降られてエレベーターに乗ると、退院できて良いことなのに何かちょっと寂しくなったり。
荷物を持って先にでた雪ちゃんがママと2人で車を玄関に回すから待っていてと言うから、衛と2人で外来患者さんの途切れ始めた玄関ホールに立って見上げる。2階まで吹き抜けになっている玄関ホールには大きな花瓶に生けられた花とか、崇高な理念を刻んだパネルとか調度品とかが沢山飾ってある。こういうのって気品があるものばっかりみたいで、腰の辺りに衛がベッタリしている私はちょっと近づくのも憚られるので遠目に眺めるばかりだ。って言うか心配かけちゃったせいなのか、衛はここんとこ来ると私から離れようとしない。歩く時も手を繋いでるし、歩いてないと腰の辺りにピッタリくっついてて。お陰で時々雪ちゃんが無理矢理引き剥がす始末なんですが……。
「まーちゃん、おうち帰ったら、前みたいに僕んちにも来てくれる?僕お迎えいくから、ね?」
えええっ!ここでも何故か私送迎つき確定?!いやもう、高3になるんだよ?私。小学校2年生にお迎えって逆じゃない?
因みに病室で衛が春休み中は僕まーちゃんちの子になるって宣言したものだから、ママはニコニコしていいわよと請け負っているけど雪ちゃんはなんとも言えない困り顔だった。
春休み中衛が家にいるのは別に問題はないんだけど、今後雪ちゃんのお家に通うのに独りになるのも不味いのか。それに改めて気がつかされた訳で。暫し一人で打開策を考えてみたんだけど………実は早紀ちゃんと一緒に帰ると、丁度雪ちゃんのマンションのすぐ近くを通るんだよね。学校帰りはそれで容認してくれないかなぁ。そこからの帰りは雪ちゃんに送って貰えばなんて、都合よく考えたりしてるんだよね。だって、正直なところきっと雪ちゃんも自分達のマンションに来る道が心配とかって考えてそうな気がする。雪ちゃんってば放っておくとお仕事サボりそうで、ちょっと怖い面があるんだもん。何しろ入院中もうそろそろ24時間でついてなくても大丈夫だよって私が言ったのに、断固反対したのは雪ちゃんだった。看護師さんも大丈夫だと思ってたけど、あえてもう言わないみたいな雰囲気に感じたのはなんでだろう。いや、そこは下手に追求しない方が幸せかもしれない。そう言うわけで本当は完全看護で付き添い不要な筈の総合病院で10日間ビッチリ誰かと過ごしたわけです。ママの時だって手術の前後くらいまでだったのに……ちょっと恥ずかしいような気がするのは私だけだろうか。
そんなことを考え目の前を金運の塊みたいなギラギラした服のおばさんが前を横切って歩いて行くのを眺めながら、あんな風に元気そうなのに病院にくる人もいるんだなぁなんて考えてた。って思ったらあの人隣の病室にいたおばさんだ。病院のパジャマじゃないと、別人なんだ!!おばさんは何でか私のお見舞いに来てくれた見たいで、あらやだ!若いからもう良くなって退院なのね!おめでとうってギューって抱き締められた私。おばさんもすっかり元気そうですねって言うと、結石だからねぇと染々している。結石ってなんだかわからないけどおばさんのは凄く痛いんだって、でも、痛くないとこにあるとなんともないって言うから人間の体って不思議!人間の体って中で石が出来るんだ!
やっとの事で退院の日。
今更だけど10日以上も入院してたんだ!!って気がついたのは、病室を片付けて壁のカレンダーを眺めたときだった。ええ?!ここに私って10日も居たの?位な気分。正直なところ前半は熱のせいなのか、殆ど記憶に残ってない有り様なんだよね。そうなると何かね14日からスコーンッて10日くらいタイムスリップしてる感じ。もう本当にあれ?ここまでどうしてたんだろうって感じなんだよね。
四倉さんは何時もと同じ笑顔でニコニコしながら退院の書類を手渡して、診察券をママに手渡しながら入院ってそんなものよと微笑んでくれる。そっか、入院するくらい体調が悪いってことだもんね、皆もこうなるんだって素直に感じてしまう。この後薬剤師が来ますからと一通りの説明を終えると、改めて四倉さんは笑顔で私に向き直った。
「おだいじにね?お家で美味しいもの食べなきゃね、麻希子ちゃん。」
そう言えば何回か麻希子って呼んでいいよっていったのに、四倉さんはずっと宮井さんって呼んだ。患者さんの内は宮井さんと丁寧に呼んでくれていた四倉さんが、退院おめでとうと一緒に麻希子ちゃんって呼んでくれたって凄く感慨深い。薬剤師さんから飲み薬の説明を聞いて、これで全部終わりてすよと言われて後は帰途につくだけ。看護師さん達のナースステーションに声をかけると、他の看護師さん達も私服になった私と手を繋いでいる衛にニコニコしながらお大事にねーと声をかけてくれる。
「麻希ちゃんいなくなったら、患者さんの平均年齢上がるわぁ。」
主任看護師の宇和野さんがそんなこと言うのに他の看護師さん達まで癒しが無くなるわーって言ってるけど、あの……何もしてないんですが、私。居るだけでいいのよーって言うけど、ここ病院なんで居るだけってと思わず苦笑いだ。皆に改めてお大事にねーと手を降られてエレベーターに乗ると、退院できて良いことなのに何かちょっと寂しくなったり。
荷物を持って先にでた雪ちゃんがママと2人で車を玄関に回すから待っていてと言うから、衛と2人で外来患者さんの途切れ始めた玄関ホールに立って見上げる。2階まで吹き抜けになっている玄関ホールには大きな花瓶に生けられた花とか、崇高な理念を刻んだパネルとか調度品とかが沢山飾ってある。こういうのって気品があるものばっかりみたいで、腰の辺りに衛がベッタリしている私はちょっと近づくのも憚られるので遠目に眺めるばかりだ。って言うか心配かけちゃったせいなのか、衛はここんとこ来ると私から離れようとしない。歩く時も手を繋いでるし、歩いてないと腰の辺りにピッタリくっついてて。お陰で時々雪ちゃんが無理矢理引き剥がす始末なんですが……。
「まーちゃん、おうち帰ったら、前みたいに僕んちにも来てくれる?僕お迎えいくから、ね?」
えええっ!ここでも何故か私送迎つき確定?!いやもう、高3になるんだよ?私。小学校2年生にお迎えって逆じゃない?
因みに病室で衛が春休み中は僕まーちゃんちの子になるって宣言したものだから、ママはニコニコしていいわよと請け負っているけど雪ちゃんはなんとも言えない困り顔だった。
春休み中衛が家にいるのは別に問題はないんだけど、今後雪ちゃんのお家に通うのに独りになるのも不味いのか。それに改めて気がつかされた訳で。暫し一人で打開策を考えてみたんだけど………実は早紀ちゃんと一緒に帰ると、丁度雪ちゃんのマンションのすぐ近くを通るんだよね。学校帰りはそれで容認してくれないかなぁ。そこからの帰りは雪ちゃんに送って貰えばなんて、都合よく考えたりしてるんだよね。だって、正直なところきっと雪ちゃんも自分達のマンションに来る道が心配とかって考えてそうな気がする。雪ちゃんってば放っておくとお仕事サボりそうで、ちょっと怖い面があるんだもん。何しろ入院中もうそろそろ24時間でついてなくても大丈夫だよって私が言ったのに、断固反対したのは雪ちゃんだった。看護師さんも大丈夫だと思ってたけど、あえてもう言わないみたいな雰囲気に感じたのはなんでだろう。いや、そこは下手に追求しない方が幸せかもしれない。そう言うわけで本当は完全看護で付き添い不要な筈の総合病院で10日間ビッチリ誰かと過ごしたわけです。ママの時だって手術の前後くらいまでだったのに……ちょっと恥ずかしいような気がするのは私だけだろうか。
そんなことを考え目の前を金運の塊みたいなギラギラした服のおばさんが前を横切って歩いて行くのを眺めながら、あんな風に元気そうなのに病院にくる人もいるんだなぁなんて考えてた。って思ったらあの人隣の病室にいたおばさんだ。病院のパジャマじゃないと、別人なんだ!!おばさんは何でか私のお見舞いに来てくれた見たいで、あらやだ!若いからもう良くなって退院なのね!おめでとうってギューって抱き締められた私。おばさんもすっかり元気そうですねって言うと、結石だからねぇと染々している。結石ってなんだかわからないけどおばさんのは凄く痛いんだって、でも、痛くないとこにあるとなんともないって言うから人間の体って不思議!人間の体って中で石が出来るんだ!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる