440 / 591
二度目の5月
357.スズラン
しおりを挟む
5月2日 火曜日
明日からやっと学生の私達も纏まった連休に入るわけなんだけど、純粋って言うか何て言うか五十嵐君から唐突に明日一緒に出掛けないかと誘われた現在の私。五十嵐君ってば皆の前で誘う所が、他意がないのか悪気がないのかって言うところ。
「少しでいいからさ、何処か行こうよ。」
「ごめんなさい、予定が入ってるんです。」
謙遜とかでなく本気でやや食い気味に私がスパッと返答したものだから、五十嵐君が思い切り撃沈している。いやお断りするの申し訳ないと思うけど雪ちゃんと予定があるのはほんとだし、先に昨日雪ちゃんからお誘いされてるんだもん。それに五十嵐君と二人で出掛けるって、五十嵐君も何処行きたい訳でもないってことでしょ。それは押しが弱いよね、うん。
「あはは、五十嵐君、即撃沈!」
瑠璃ちゃんが速攻で笑いにしてくれてるけど、こうなるとこの会話ってもうコントみたいなもんだよね。と言うわけで、本気でこの話はごめんなさい。明日から雪ちゃんと予定が入ってるし、雪ちゃんが実はゴールデンウィーク後半のために必死でお仕事していたのを衛から密かに聞いてるんで!大人の人が自分の仕事を調整までして、時間を作ってくれているのを知ったら私的にはなんたって雪ちゃん最優先なんだもん!そんな矢先何だか廊下の方がざわめいているのに気がついた。
「モモー。」
え?何?久々のこの呼び方って思わず振り返ったら、何でか廊下に源川先輩が呑気に手を振ってた。唐突な源川仁聖先輩出現に、周囲が一気に色めき立っている。久保ちゃんなんか久々の源川先輩が髪を切って男前度がアップしてるし見たことのない私服姿だしで、頭がオーバーヒートしてるくらいだ。
「先輩、どうしたんですか?」
「あー、書類書いてもらいにね、ついでにモモ達の顔を眺めに来た。」
私が相変わらず呑気ですねって言うと、先輩が久々の塩対応かよって苦笑いしている。私と香苗と早紀ちゃんと三人で近寄って先輩と話をしてると、先輩が教室の中に何かふと気がついた様に眉を潜めた。
「………あ。」
「どうしたんですか?先輩。」
「あー、いや何でも。」
苦笑いの先輩は言葉を濁してるけど、何か思うことがあったみたいな気配だ。それにしても先輩の人気相変わらずで、あっという間に二年生と三年生の女子が集まってる。
「大学生活どうですか?源川先輩。」
「勉強はやりたいことだから楽しいけど、課題の山が減らないんだよな。パソコン今までやってなかったから、今必死。」
「先輩、そういうの得意そうなのに。」
「いやスマホ程度だから、必死に勉強中だよ。」
穏やかな口調で話す先輩は、やっぱり高校生の時よりはるかに大人びている気がする。って言うか私服が半端なくお洒落なのは源川先輩だよね、うん。スモーキーブルーのシャツチェスターコートにネイビーのパーカーと裾から見えるロングティーシャツ、黒のスキニー。雑誌にでも載ってそうだけど、服に着られてる感がないのは流石源川先輩。地味に周囲で写メ撮ってる子達がいるんですけど、秘密のバイト・バレバレなのでは………。先輩って黄色い声かけられて賑やかに手を振ってる場合なんだろうか。
「先輩ー、モデルやってるんですか?」
「あ、あれ?あれね、俺の従兄。」
あ、そうきた?そうやって誤魔化すか。でも、ポスターの瞳が青ってのは皆も知ってるし、源川先輩が英語は得意でも話せることまではあんまり知らない子達は至極真っ当に納得してる。先輩の瞳の色は、日の光の中でマジマジと見ないと青味がかっているとは気がつかないもんね。あのポスターはどう見ても、スカイブルーの瞳にしか見えないし。そっかー従兄なんですねーって皆で言ってるのに、そうそうなんてさらっと流してる源川先輩はやっぱり前とはちょっと変わったんだなぁ。
「先輩の従兄さん、外人さんなんですか?」
「向こうは生粋の外人さんね。俺は半分日本人だけど。」
「えー、先輩ってハーフなんですか?」
「いやいや、ハーフって言っても日本語オンリーだしな、俺。」
大半を適当に言い繕って返してるって知らないと、以前の先輩を知ってる子達は先輩が本気で答えてると思うよね。だって本当は先輩って英語ペラペラだし、従兄さん自体が嘘だし。そう目の前の私の顔に出たのか,先輩がニッと笑って秘密にしといてと私の頭を撫でる。先輩ってば、地味に話をそらすの上手くなってる気がするけど、これって大人になったと言うことなんだろうか。まあ先輩としては純潔を誓っている人がいるわけだし、これくらいかわせないと困るんだよね、きっと。
久々の源川先輩騒動に久保ちゃんが薔薇色になっているのを眺めながら、相変わらず先輩人気だなぁなんて考える。先輩また来てくれるかなぁ・再び幸せが訪れるかなぁって溜め息をつく久保ちゃんの橫で、五十嵐君が戸惑い顔で私に声をかけてきた。
「宮井さん、今のが噂の源川先輩?」
「うん、まあ噂のと言えばそうだね、源川仁聖先輩だよ?」
五十嵐君が凄く不思議そうな顔をしていて、あの人って英語喋れないの?と問いかけてくる。ん?なんか引っ掛かる。そう言えば源川先輩が教室の中見てしまったって顔した気がするのは、もしかして五十嵐君のせい?そう言えば、この間バイト先で生意気な芸能人に会ったとか聞いた気が。あ、もしかしてそれってまさかの五十嵐君のこと?
明日からやっと学生の私達も纏まった連休に入るわけなんだけど、純粋って言うか何て言うか五十嵐君から唐突に明日一緒に出掛けないかと誘われた現在の私。五十嵐君ってば皆の前で誘う所が、他意がないのか悪気がないのかって言うところ。
「少しでいいからさ、何処か行こうよ。」
「ごめんなさい、予定が入ってるんです。」
謙遜とかでなく本気でやや食い気味に私がスパッと返答したものだから、五十嵐君が思い切り撃沈している。いやお断りするの申し訳ないと思うけど雪ちゃんと予定があるのはほんとだし、先に昨日雪ちゃんからお誘いされてるんだもん。それに五十嵐君と二人で出掛けるって、五十嵐君も何処行きたい訳でもないってことでしょ。それは押しが弱いよね、うん。
「あはは、五十嵐君、即撃沈!」
瑠璃ちゃんが速攻で笑いにしてくれてるけど、こうなるとこの会話ってもうコントみたいなもんだよね。と言うわけで、本気でこの話はごめんなさい。明日から雪ちゃんと予定が入ってるし、雪ちゃんが実はゴールデンウィーク後半のために必死でお仕事していたのを衛から密かに聞いてるんで!大人の人が自分の仕事を調整までして、時間を作ってくれているのを知ったら私的にはなんたって雪ちゃん最優先なんだもん!そんな矢先何だか廊下の方がざわめいているのに気がついた。
「モモー。」
え?何?久々のこの呼び方って思わず振り返ったら、何でか廊下に源川先輩が呑気に手を振ってた。唐突な源川仁聖先輩出現に、周囲が一気に色めき立っている。久保ちゃんなんか久々の源川先輩が髪を切って男前度がアップしてるし見たことのない私服姿だしで、頭がオーバーヒートしてるくらいだ。
「先輩、どうしたんですか?」
「あー、書類書いてもらいにね、ついでにモモ達の顔を眺めに来た。」
私が相変わらず呑気ですねって言うと、先輩が久々の塩対応かよって苦笑いしている。私と香苗と早紀ちゃんと三人で近寄って先輩と話をしてると、先輩が教室の中に何かふと気がついた様に眉を潜めた。
「………あ。」
「どうしたんですか?先輩。」
「あー、いや何でも。」
苦笑いの先輩は言葉を濁してるけど、何か思うことがあったみたいな気配だ。それにしても先輩の人気相変わらずで、あっという間に二年生と三年生の女子が集まってる。
「大学生活どうですか?源川先輩。」
「勉強はやりたいことだから楽しいけど、課題の山が減らないんだよな。パソコン今までやってなかったから、今必死。」
「先輩、そういうの得意そうなのに。」
「いやスマホ程度だから、必死に勉強中だよ。」
穏やかな口調で話す先輩は、やっぱり高校生の時よりはるかに大人びている気がする。って言うか私服が半端なくお洒落なのは源川先輩だよね、うん。スモーキーブルーのシャツチェスターコートにネイビーのパーカーと裾から見えるロングティーシャツ、黒のスキニー。雑誌にでも載ってそうだけど、服に着られてる感がないのは流石源川先輩。地味に周囲で写メ撮ってる子達がいるんですけど、秘密のバイト・バレバレなのでは………。先輩って黄色い声かけられて賑やかに手を振ってる場合なんだろうか。
「先輩ー、モデルやってるんですか?」
「あ、あれ?あれね、俺の従兄。」
あ、そうきた?そうやって誤魔化すか。でも、ポスターの瞳が青ってのは皆も知ってるし、源川先輩が英語は得意でも話せることまではあんまり知らない子達は至極真っ当に納得してる。先輩の瞳の色は、日の光の中でマジマジと見ないと青味がかっているとは気がつかないもんね。あのポスターはどう見ても、スカイブルーの瞳にしか見えないし。そっかー従兄なんですねーって皆で言ってるのに、そうそうなんてさらっと流してる源川先輩はやっぱり前とはちょっと変わったんだなぁ。
「先輩の従兄さん、外人さんなんですか?」
「向こうは生粋の外人さんね。俺は半分日本人だけど。」
「えー、先輩ってハーフなんですか?」
「いやいや、ハーフって言っても日本語オンリーだしな、俺。」
大半を適当に言い繕って返してるって知らないと、以前の先輩を知ってる子達は先輩が本気で答えてると思うよね。だって本当は先輩って英語ペラペラだし、従兄さん自体が嘘だし。そう目の前の私の顔に出たのか,先輩がニッと笑って秘密にしといてと私の頭を撫でる。先輩ってば、地味に話をそらすの上手くなってる気がするけど、これって大人になったと言うことなんだろうか。まあ先輩としては純潔を誓っている人がいるわけだし、これくらいかわせないと困るんだよね、きっと。
久々の源川先輩騒動に久保ちゃんが薔薇色になっているのを眺めながら、相変わらず先輩人気だなぁなんて考える。先輩また来てくれるかなぁ・再び幸せが訪れるかなぁって溜め息をつく久保ちゃんの橫で、五十嵐君が戸惑い顔で私に声をかけてきた。
「宮井さん、今のが噂の源川先輩?」
「うん、まあ噂のと言えばそうだね、源川仁聖先輩だよ?」
五十嵐君が凄く不思議そうな顔をしていて、あの人って英語喋れないの?と問いかけてくる。ん?なんか引っ掛かる。そう言えば源川先輩が教室の中見てしまったって顔した気がするのは、もしかして五十嵐君のせい?そう言えば、この間バイト先で生意気な芸能人に会ったとか聞いた気が。あ、もしかしてそれってまさかの五十嵐君のこと?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる