7 / 41
第一章 廃部決定! 天文部
1-6 天文部は廃部する
しおりを挟む
ありのまま起こったことを記述すると、わたし、鳴海千尋が天文部に入部するとすでに廃部が決まっていた。eスポーツ部を立ち上げるための大会に出場するために部長から格闘ゲームの英才教育を受けることになっていた。
わたし自身、なにが起こっているのかわからなかった。おつむがくるくる回っていた。こんなことあります?
「去年の部員数と活動実績が乏しくてね。生徒会の決定で天文部は今年一年で廃部になることが決定しました。これは職員会議でも決議された決定事項です」護国寺先生はわたしを見下ろした。
「うっしー! なんで廃部に反対してくれなかったの!」
姫川さんは護国寺先生にため口をきいている。
「うっしー言うな! 先生には敬語を使うように。反対したに決まっているだろ! おれひとりの力には限界がある」
「ブー! ブー!」
「誰のせいだと思っているんだ。もとはといえばおまえらが去年頑張らなかったせいだろうが」
護国寺先生は姫川さんと折笠さんに大目玉を喰らわせた。
「いまなら入部を取り消してほかの部活に入部できるよう取り計らうこともできます。どうしますか? こいつらにはあとでげんこつだ」
「体罰反対! 暴力教師! 暴力で世界は変わらない!」
「うちのパパにいいつけてやるんだから」
姫川さんと折笠さんはまったく凝りていない。この人たちは……!
わたしは思案した。本来ならさっさとほかの部活に転入するところだ。でもさきほど姫川さんが提案した学園生活のサポートを受けられる話は悪くない。
いや、おいしい……!
わたしはもともとゲームが好きだし、eスポーツ部を立ち上げるならさほど問題にならないのでは……?
「やっぱりこの部に入ります」
わたしがそう言うと姫川さんと折笠さんのコンビはハイタッチで歓声をあげた。
「おまえら~!」
護国寺先生は顔が赤くなるほど怒っている。そして咳払いした。
「本当にいいのかい?」
「はい。わたし、姫川さんたちのこと嫌いじゃないですし」
「きみも物好きだなあ」
「その言葉、愛の告白と受け取っていいのよね。いやだわ。あたしたち初対面なのに積極的ね」
姫川さんは照れながら髪先をいじる。
「受け取らないでください!」
このときのわたしは見積もりが甘すぎることをあとになって思い知るのだった……!
わたし自身、なにが起こっているのかわからなかった。おつむがくるくる回っていた。こんなことあります?
「去年の部員数と活動実績が乏しくてね。生徒会の決定で天文部は今年一年で廃部になることが決定しました。これは職員会議でも決議された決定事項です」護国寺先生はわたしを見下ろした。
「うっしー! なんで廃部に反対してくれなかったの!」
姫川さんは護国寺先生にため口をきいている。
「うっしー言うな! 先生には敬語を使うように。反対したに決まっているだろ! おれひとりの力には限界がある」
「ブー! ブー!」
「誰のせいだと思っているんだ。もとはといえばおまえらが去年頑張らなかったせいだろうが」
護国寺先生は姫川さんと折笠さんに大目玉を喰らわせた。
「いまなら入部を取り消してほかの部活に入部できるよう取り計らうこともできます。どうしますか? こいつらにはあとでげんこつだ」
「体罰反対! 暴力教師! 暴力で世界は変わらない!」
「うちのパパにいいつけてやるんだから」
姫川さんと折笠さんはまったく凝りていない。この人たちは……!
わたしは思案した。本来ならさっさとほかの部活に転入するところだ。でもさきほど姫川さんが提案した学園生活のサポートを受けられる話は悪くない。
いや、おいしい……!
わたしはもともとゲームが好きだし、eスポーツ部を立ち上げるならさほど問題にならないのでは……?
「やっぱりこの部に入ります」
わたしがそう言うと姫川さんと折笠さんのコンビはハイタッチで歓声をあげた。
「おまえら~!」
護国寺先生は顔が赤くなるほど怒っている。そして咳払いした。
「本当にいいのかい?」
「はい。わたし、姫川さんたちのこと嫌いじゃないですし」
「きみも物好きだなあ」
「その言葉、愛の告白と受け取っていいのよね。いやだわ。あたしたち初対面なのに積極的ね」
姫川さんは照れながら髪先をいじる。
「受け取らないでください!」
このときのわたしは見積もりが甘すぎることをあとになって思い知るのだった……!
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる