32 / 41
第四章 対抗試合! 茶道部に勝て
4-8 恋ちゃん可愛いよ!
しおりを挟む
「ここがうちらの部室……の控え室」
九条さんに案内されて部活棟に移動する。歩くと床が軋む。木造建築の校舎だった。
「九条さんはなぜ格闘ゲームをするのですか」
村雨さんが上目遣いに質問を切りだす。
「ふむ。哲学的な質問ですね」九条さんは指ぬきグローブを顎にあてる。
「野球選手が野球をする理由と同じですわ。あたくしもeスポーツに魅入られた人間のひとり。そこにいる姫川さんのようにね」
九条さんは矢のような視線で姫川さんを射る。姫川さんをライバル視しているようだ。
姫川さんは涼しい顔。
「あたしなんて九条さんほどじゃないよ」
「ふふ……。ご冗談が好きなお方。あなたの魂は九九パーセントゲームでできているじゃありませんか」
意味深な九条さんの発言を姫川さんは否定も肯定もしなかった。
TVが設置してある茶道部控え室に案内される。かすかに抹茶の匂いがする。
「姫川さん、遅いっすよ」
「待ちくたびれたよ。お姫さま」
控え室で待っていたのは鳳女学院茶道部二年生の七瀬一葉さんと同じく一年生の二ノ宮恋ちゃん。姫川さんとは面識があるようだ。
恋ちゃんはヘッドフォンを外した。なんという美少女。背が低くて、さらさらのショートヘアにビー玉のように光る瞳。透明感のある肌。そして心地よい高音の美声。女のわたしから見ても恋ちゃんはすごく可愛い。
「恋ちゃん、結婚して!」
姫川さんが恋ちゃんに抱きつこうとする。恋ちゃんはとびきり可愛らしいから、気持ちがちょっとわかるけど、この人の場合、冗談とも思えない。
「いやだよ。まったくお姫様はいつもこれだもん」
恋ちゃんは姫川さんのことをお姫さまと呼んでいるみたい。
「わたくしというものがありながら……」
村雨さんが姫川さんの様子を見て爪を噛んだ。
ややこしいことになってるー!
「恋ちゃんはあたしたちのものです」
七瀬さんが恋ちゃんを抱き寄せる。
「ボクは誰のものでもないぞ。恋ちゃんは恋ちゃんのものだい!」
恋ちゃんは両腕を振って叫んだ。
「恋ちゃん、ボクッ娘なの⁉ 可愛い! 絶滅危惧種!」わたしは抱きつこうとした。
「絶滅危惧種って言うな!」恋ちゃんは顔を真っ赤にして怒った。
簡単な自己紹介が終わった。
部屋を一望して驚いた。巨大なコントローラーがある。
「それはなんですか?」
わたしがそれを指さすと姫川さんが答えた。
「アケコンだよ。アーケードコントローラー。ゲーセンと同じ操作ができる。見たことない? うちの部活にはないもんね」
九条さんたちはふだんアケコンで対戦しているらしい。わたしたち天文部はゲームハードの標準コントローラーでプレイしていた。姫川さんいわく、学校にアケコン持ってきたら部室でゲームしていることがバレちゃうからだそう。
これは手ごわそうだ。
「まず試合形式で対戦する。そのあとフリー対戦ね。三人対四人だけどハンデとしてはちょうどよいでしょう」
姫川さんがホワイトボードに対戦表をつくる。
先鋒 七瀬一葉 VS 村雨初音
次鋒 二ノ宮恋 VS 鳴海千尋
大将 九条沙織 VS 折笠詩乃
特別枠 姫川天音
イラストレーターはイナ葉さま@inaba_0717です。無断転載・AI学習禁止です。
※次回は対戦がはじまります。よろしくお願いいたします。
九条さんに案内されて部活棟に移動する。歩くと床が軋む。木造建築の校舎だった。
「九条さんはなぜ格闘ゲームをするのですか」
村雨さんが上目遣いに質問を切りだす。
「ふむ。哲学的な質問ですね」九条さんは指ぬきグローブを顎にあてる。
「野球選手が野球をする理由と同じですわ。あたくしもeスポーツに魅入られた人間のひとり。そこにいる姫川さんのようにね」
九条さんは矢のような視線で姫川さんを射る。姫川さんをライバル視しているようだ。
姫川さんは涼しい顔。
「あたしなんて九条さんほどじゃないよ」
「ふふ……。ご冗談が好きなお方。あなたの魂は九九パーセントゲームでできているじゃありませんか」
意味深な九条さんの発言を姫川さんは否定も肯定もしなかった。
TVが設置してある茶道部控え室に案内される。かすかに抹茶の匂いがする。
「姫川さん、遅いっすよ」
「待ちくたびれたよ。お姫さま」
控え室で待っていたのは鳳女学院茶道部二年生の七瀬一葉さんと同じく一年生の二ノ宮恋ちゃん。姫川さんとは面識があるようだ。
恋ちゃんはヘッドフォンを外した。なんという美少女。背が低くて、さらさらのショートヘアにビー玉のように光る瞳。透明感のある肌。そして心地よい高音の美声。女のわたしから見ても恋ちゃんはすごく可愛い。
「恋ちゃん、結婚して!」
姫川さんが恋ちゃんに抱きつこうとする。恋ちゃんはとびきり可愛らしいから、気持ちがちょっとわかるけど、この人の場合、冗談とも思えない。
「いやだよ。まったくお姫様はいつもこれだもん」
恋ちゃんは姫川さんのことをお姫さまと呼んでいるみたい。
「わたくしというものがありながら……」
村雨さんが姫川さんの様子を見て爪を噛んだ。
ややこしいことになってるー!
「恋ちゃんはあたしたちのものです」
七瀬さんが恋ちゃんを抱き寄せる。
「ボクは誰のものでもないぞ。恋ちゃんは恋ちゃんのものだい!」
恋ちゃんは両腕を振って叫んだ。
「恋ちゃん、ボクッ娘なの⁉ 可愛い! 絶滅危惧種!」わたしは抱きつこうとした。
「絶滅危惧種って言うな!」恋ちゃんは顔を真っ赤にして怒った。
簡単な自己紹介が終わった。
部屋を一望して驚いた。巨大なコントローラーがある。
「それはなんですか?」
わたしがそれを指さすと姫川さんが答えた。
「アケコンだよ。アーケードコントローラー。ゲーセンと同じ操作ができる。見たことない? うちの部活にはないもんね」
九条さんたちはふだんアケコンで対戦しているらしい。わたしたち天文部はゲームハードの標準コントローラーでプレイしていた。姫川さんいわく、学校にアケコン持ってきたら部室でゲームしていることがバレちゃうからだそう。
これは手ごわそうだ。
「まず試合形式で対戦する。そのあとフリー対戦ね。三人対四人だけどハンデとしてはちょうどよいでしょう」
姫川さんがホワイトボードに対戦表をつくる。
先鋒 七瀬一葉 VS 村雨初音
次鋒 二ノ宮恋 VS 鳴海千尋
大将 九条沙織 VS 折笠詩乃
特別枠 姫川天音
イラストレーターはイナ葉さま@inaba_0717です。無断転載・AI学習禁止です。
※次回は対戦がはじまります。よろしくお願いいたします。
2
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
