34 / 41
第四章 対抗試合! 茶道部に勝て
4-10 恋ちゃんの実力にガクブルです!
しおりを挟む
村雨さんVS七瀬さんの試合は七瀬さん操るヴェスミランの勝利に終わった。
「悔しいです……」
意気消沈する村雨さん。
「気にすることないよ。あそこで超必殺技だせるなんてすごい。いつ超必のコマンドだせるようになったの」姫川さんは励まし上手。
「えへへ、練習していたのです」
「さてと、つぎはわたしの番ね」
折笠さんが胸元に垂らした髪の房を指でもてあそぶ。
「ねえ、詩乃。いまのセリフ、昭和のバトル漫画っぽくない?」姫川さんの目が輝いた。
「令和にそんな漫画知ってる女子高生あんただけよ」
わたしこと鳴海千尋と村雨さんはふたりのやり取りを理解できなかった。いや、鳳女子一年組も意味不明だったらしい。
「あたくしは知ってますわ。その漫画。昭和は良い時代でしたね」
九条さんが手持ちの扇を拡げる。
「あなた昭和に生まれてないでしょ。タイムトラベラーか!」
姫川さんが突っ込みをするところをはじめて見た。鳳女子茶道部部長、恐るべし。
つぎの試合は二ノ宮恋VS折笠詩乃だった。
本来、格闘ゲームの試合は勝ち抜き戦形式のほうが多い。今回は全員が試合できるように変則的ルールだ。
「よろしくね。二ノ宮さん」
折笠さんは恋ちゃんを下の名前で呼ばなかった。
「よろしく。ボク、手加減しないから」
恋ちゃんは年上の相手にビッグマウスだ。
折笠さんは髪の房をもてあそびながら恋ちゃんを冷視した。眼が笑ってない。
試合開始。
恋ちゃんの持ちキャラはMODの主人公格アストリア。女性のような名前だがれっきとした男だ。ドミニオン戦争で大陸を震撼させた暗黒傭兵部隊不死鬼メンバーのひとりだったという壮絶な過去を持つ。
折笠さんの持ちキャラは巫女の譲羽紫乃。原作小説では第四巻に登場する。式神や霊符を操る異能力者である。奇しくも折笠さんと同じ名前のキャラクターだ。じつはアストリアと譲羽紫乃のふたりは原作では仲が良かったりする。
アストリアはスタンダードな性能を持つキャラクターだが、ゲージが溜まると二刀流モードになる強キャラ。
譲羽紫乃は霊符を使い、結界を操るMOD屈指のテクニカルキャラクター。
アストリアは必殺技を空振りしてゲージを溜めていく。譲羽紫乃は霊符を飛ばし牽制した。
アストリアが霊符をジャンプで回避すると紫乃は一気に距離を詰める。
折笠さんは接近戦に持ち込もうとしていた。その判断は正しいように思えた。アストリアにゲージを溜められると不利なのだ。
ところがアストリアは大ジャンプで譲羽紫乃を飛び越した。反対側に着地したアストリアに対して紫乃が結界を張る。結界の中では必殺技が発動不能になる。極まれば彼女が有利になるはずだった。
恋ちゃんはそれも読んでいた。前転で結界をすり抜けると紫乃に対して通常技を複数回連打。そして強パンチをキャンセルして必殺技『ソード・テンペスト』が炸裂。
ダメージとともに宙に体が浮いた紫乃に追い打ちをかける。突進技の『ラッシング・エッジ』をキャンセルして超必殺技が発動。画面が暗転する。
「いまのは……?」わたしが解説を求めた。
「EXキャンセルよ。ゲージを二本消費して必殺技を超必殺技でキャンセルできるの」
わたしの問いかけに姫川さんが説明してくれた。
『ラッシング・エッジ』をキャンセルしてアストリアの超必殺技『二刀流乱舞の太刀』が紫乃に極まる。
かろうじて紫乃は生き残ったが気絶値が限界を超えて操作不能になった。
そこから先は一方的な蹂躙だった。
コンボが極まりKO。アストリアのライフは一ドットも減っていなかった。
「このわたしがパーフェクト負け……!」
恋ちゃんは上級生の折笠さんに完勝した。折笠さんは屈辱を噛みしめた。
第二ラウンドも精神的なショックからか折笠さんは精彩を欠き、相手のライフは削ったものの敗北してしまった。
折笠さんは目を強く閉じたが泣き言をいわなかった。
恋ちゃんの実力にガクブルです!
つづく
「悔しいです……」
意気消沈する村雨さん。
「気にすることないよ。あそこで超必殺技だせるなんてすごい。いつ超必のコマンドだせるようになったの」姫川さんは励まし上手。
「えへへ、練習していたのです」
「さてと、つぎはわたしの番ね」
折笠さんが胸元に垂らした髪の房を指でもてあそぶ。
「ねえ、詩乃。いまのセリフ、昭和のバトル漫画っぽくない?」姫川さんの目が輝いた。
「令和にそんな漫画知ってる女子高生あんただけよ」
わたしこと鳴海千尋と村雨さんはふたりのやり取りを理解できなかった。いや、鳳女子一年組も意味不明だったらしい。
「あたくしは知ってますわ。その漫画。昭和は良い時代でしたね」
九条さんが手持ちの扇を拡げる。
「あなた昭和に生まれてないでしょ。タイムトラベラーか!」
姫川さんが突っ込みをするところをはじめて見た。鳳女子茶道部部長、恐るべし。
つぎの試合は二ノ宮恋VS折笠詩乃だった。
本来、格闘ゲームの試合は勝ち抜き戦形式のほうが多い。今回は全員が試合できるように変則的ルールだ。
「よろしくね。二ノ宮さん」
折笠さんは恋ちゃんを下の名前で呼ばなかった。
「よろしく。ボク、手加減しないから」
恋ちゃんは年上の相手にビッグマウスだ。
折笠さんは髪の房をもてあそびながら恋ちゃんを冷視した。眼が笑ってない。
試合開始。
恋ちゃんの持ちキャラはMODの主人公格アストリア。女性のような名前だがれっきとした男だ。ドミニオン戦争で大陸を震撼させた暗黒傭兵部隊不死鬼メンバーのひとりだったという壮絶な過去を持つ。
折笠さんの持ちキャラは巫女の譲羽紫乃。原作小説では第四巻に登場する。式神や霊符を操る異能力者である。奇しくも折笠さんと同じ名前のキャラクターだ。じつはアストリアと譲羽紫乃のふたりは原作では仲が良かったりする。
アストリアはスタンダードな性能を持つキャラクターだが、ゲージが溜まると二刀流モードになる強キャラ。
譲羽紫乃は霊符を使い、結界を操るMOD屈指のテクニカルキャラクター。
アストリアは必殺技を空振りしてゲージを溜めていく。譲羽紫乃は霊符を飛ばし牽制した。
アストリアが霊符をジャンプで回避すると紫乃は一気に距離を詰める。
折笠さんは接近戦に持ち込もうとしていた。その判断は正しいように思えた。アストリアにゲージを溜められると不利なのだ。
ところがアストリアは大ジャンプで譲羽紫乃を飛び越した。反対側に着地したアストリアに対して紫乃が結界を張る。結界の中では必殺技が発動不能になる。極まれば彼女が有利になるはずだった。
恋ちゃんはそれも読んでいた。前転で結界をすり抜けると紫乃に対して通常技を複数回連打。そして強パンチをキャンセルして必殺技『ソード・テンペスト』が炸裂。
ダメージとともに宙に体が浮いた紫乃に追い打ちをかける。突進技の『ラッシング・エッジ』をキャンセルして超必殺技が発動。画面が暗転する。
「いまのは……?」わたしが解説を求めた。
「EXキャンセルよ。ゲージを二本消費して必殺技を超必殺技でキャンセルできるの」
わたしの問いかけに姫川さんが説明してくれた。
『ラッシング・エッジ』をキャンセルしてアストリアの超必殺技『二刀流乱舞の太刀』が紫乃に極まる。
かろうじて紫乃は生き残ったが気絶値が限界を超えて操作不能になった。
そこから先は一方的な蹂躙だった。
コンボが極まりKO。アストリアのライフは一ドットも減っていなかった。
「このわたしがパーフェクト負け……!」
恋ちゃんは上級生の折笠さんに完勝した。折笠さんは屈辱を噛みしめた。
第二ラウンドも精神的なショックからか折笠さんは精彩を欠き、相手のライフは削ったものの敗北してしまった。
折笠さんは目を強く閉じたが泣き言をいわなかった。
恋ちゃんの実力にガクブルです!
つづく
2
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる

