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第十七章 滅びた国の地下に鎮座する魔王
下敷き
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崩れた瓦礫の下敷きになって、僕は嫌な思い出を反芻する。何かの下敷きになったり、建物の倒壊に巻き込まれることが多々ある。
全く不運な人生だ。
「…………最悪」
『あれ、いきてる。きみ、人間だよね?』
ため息をついた僕の顔を覗き込み、ミカは大した興味も無さそうにそう言った。
「ローブのおかげかな。上見てみなよ、防護結界が展開してる」
『ああ、あれ、きみのだったんだ』
「正確にはにいさまの、だけどね」
防護結界がまだ効果を残していた事は幸運だった、この場で唯一と言っていい。
『ふぅん……あれ、うえで、ぼく、こわさなかった?』
「一回割られたけど……もう一つあったみたい、用意いいよね」
ローブの右袖に縫われた魔法陣が清涼な光を放っている。同じ模様が左袖にもなされてあったが、そちらは何の反応も示していない。
兄らしくもない、僕を守るための魔法は厳重だ。結界のおかげで瓦礫に僅かな空間ができ、僕とミカは無傷でいられた。
『ゆっくりしてて、いいの? きみ、ちっそくしちゃったり、しないかな』
「ローブが万能だと信じたいな、どうせ僕にはこの瓦礫動かせないし、ミカにも無理だろ?」
『うん、いまは、人間なみのちからしか、だせない』
「君は窒息したりしなさそうでいいけどね……」
灯りがない今、魔法陣の微かな光すらも僕の心の支えになる。狭い、暗い、暑い。それら全ては心を蝕む。
「せめて、もう少しっ……この棒が向こうにあれば……」
太腿にくい込んだ鉄の棒。折れた格子は僕の足に刺さる直前で魔法陣に阻まれ、僕の活動領域を狭めるだけに留まっている。背を曲げ首を曲げ、折りたたまれるような体勢のせいで余計に力が入らない。体の小さなミカには丁度いい狭さだろう、羨ましいことだ。
『なんで、くずれたんだろ。サタンが、なにかしたのかな』
「さぁね」
『サタンがわざと、こわしたんじゃ、ないなら、すぐに、もどるとおもうよ』
「……わざとだったら?」
『このまま』
「何で僕がこんな目に……アル、無事かな」
アルが無事なら、捕まってもいないのなら、すぐにここに来てくれるはずだ。ここはじっと耐えてアルを待つか、なんて考えをまとめた時だ。
美しい鈴の音が聞こえた。
僕の上、瓦礫の奥から聞こえてくるその音は次第に近づいてくる。ゆっくりと、確実に。
『なに? この音』
「……最悪」
『なに?』
「まぁ、助かるのは助かるかな。その後は……考えたくないけど」
僕の真上の瓦礫の隙間から黒い液体が染み出してくる。粘着質なそれはゆっくりと僕の頭の上に落ち、体積を増やしていく。
『な、なに? なに? きもちわるい』
「フード被っててよかった、のかな」
頭の上に乗り切らなくなった液体は左右に分かれてゆっくりと落ちてくる。魔法陣の光を虹色に反射していても、美麗さは全く無い。
下を向いた僕の顔の前で液体は気味悪く蠢き、その中心に目玉を造った。目玉は忙しなくギョロギョロと動き、僕を見つけてピタリと止まる。
『ほんとに、きもちわるい』
「あんまり言わない方がいいと思うよ」
目玉が持ち上がり、顔に近づく。鼻先に触れた目玉は僕の顔を確認すると液体の中に落ちた。
数本の触手が生え、僕の頬を撫でる……這い回る。新たに現れた口が僕の名を呼ぶ。
『ヘル』
鈴の音を無理矢理歪めたような声だった。
「……ここ壊したの、にいさまなの? びっくりしたよ。けど、助けに来てくれたんだよね? ありがとう」
一時はやめていたご機嫌取りを再開する。対象は変わったが、やり方は何も変わらない。
「会いたかった、にいさま。来てくれて嬉しい」
ミカの剣に消し飛ばされたのかと思っていたのだが、やはりと言うべきか無事だった。
なんとなく予想はついている、兄はきっともう死ねないのだと。僕の予想が外れているのか当たっているのか、嘘を並べ立てながら考えた。
会いたかった、来てくれて嬉しい、大好き。適当に、慎重に、思ってもいないことを口にする。
『ヘル』
「うん、なに?」
『お腹空いた』
兄の声を出してくれたのならご機嫌取りにも緊張感が出るのだが、兄は人が出す音ではない音を無理矢理声に押し込めている。これでは何と話しているのか分からなくなってくる。
「……え、っと、それは……僕を食べたいってこと?」
『お腹、空いたお腹空イ、たお腹空……い、タ』
「え、ちょっ、ちょっと、にいさま? 大丈夫?」
『…………li? テ……?』
「……ダメっぽい」
理性も知性も飛んでいる。いや、まだ僕にかぶりついていないから理性はあるのか? どちらにせよ名前を呼んだところで何の反応も示さない、それは兄がただの怪物になっているという何よりの証拠だ。
「治癒魔法はまだ大丈夫そうだし、別にいいけどさ……痛覚消しのがちょっと怪しいんだけど」
右眼の痛みを思い出し、効力切れを危惧する。だが、そんなことどうでもいいと僕の腕は液体の中に取り込まれ、一瞬で溶けた。
『うわ……こわ』
「他人事だね、君は。まぁ今は僕もかな……感覚ないから仕方ないって思いたいけど。痛覚まだ消されてるみたいで助かった」
異様な光景を見物するだけのミカに、僕は今までの作戦を棒に振る可能性も気にせずに嫌味を言う。
それにしても、痛覚がまだ消えているなら先程の右眼の痛みは何だったのだろう。魔物使いの力を使った反動だと言うのなら、あの痛みが消されなかった理由は何だろう。
『…………リ……ん、美味しかった』
「にいさま?」
『ごめんね? ちょっと腹ごしらえするのも忘れててさ……ヘルがいなくて焦っちゃって、五人くらい食べてくればよかった』
「…………腕一本で平気なの?」
兄が人しか食べられなくなったのは僕のせいだ。けれど……いや、だから、食人を匂わされるのは苦手だ。
兄に喰われる人は僕のせいで死ぬ。僕が間接的に殺す。
『全然足りないよ? それに、ローブのもそろそろ効力切れるから腕食べたらヘル死んじゃう。腕食べてもローブの魔力補充はキツイかな。多分それやったら僕また意識飛んじゃう』
元通りに再生した腕を確かめながら、目の前で兄の声を発する液体を眺める。兄の見た目をしていないものが兄の声を出すのも違和感がある、やはり兄は兄の見た目で兄の声を出してくれなければ。
「瓦礫なんとかして欲しいんだけど……」
『無理、そんな力出せない』
「……空間転移とか、すり抜けとか」
『そっちのが消費多いよ』
「……脱出するのに腕何本いる?」
『最低五本かな? 治癒魔法の限界はあと一本で、痛覚消失はもうほとんどダメ』
「……そう」
約立たず、なんて言わないように口を閉じる。
兄にそんな口をきいたら腕どころでは済まない、何度虐め殺されるか分からない。
『何も出来なくて悪いね、でも心強いだろ? 僕がいて嬉しいよねぇ? ヘルはお兄ちゃんが居ないとダメなんだから。嬉しいだろ? ねぇ、どうなの?』
「嬉しいよ、すごく嬉しい」
『なら良かった』
「……でも、早く出ないと僕死んじゃう」
『大丈夫だよ、そのうち来るから』
「何が?」
『雷、かな』
とん、と頭の上から音が響く。
瓦礫の上にまた岩でも落ちたのか? いや、そんな音には聞こえなかった。もっと軽い何かが慎重に降りた音だった。
全く不運な人生だ。
「…………最悪」
『あれ、いきてる。きみ、人間だよね?』
ため息をついた僕の顔を覗き込み、ミカは大した興味も無さそうにそう言った。
「ローブのおかげかな。上見てみなよ、防護結界が展開してる」
『ああ、あれ、きみのだったんだ』
「正確にはにいさまの、だけどね」
防護結界がまだ効果を残していた事は幸運だった、この場で唯一と言っていい。
『ふぅん……あれ、うえで、ぼく、こわさなかった?』
「一回割られたけど……もう一つあったみたい、用意いいよね」
ローブの右袖に縫われた魔法陣が清涼な光を放っている。同じ模様が左袖にもなされてあったが、そちらは何の反応も示していない。
兄らしくもない、僕を守るための魔法は厳重だ。結界のおかげで瓦礫に僅かな空間ができ、僕とミカは無傷でいられた。
『ゆっくりしてて、いいの? きみ、ちっそくしちゃったり、しないかな』
「ローブが万能だと信じたいな、どうせ僕にはこの瓦礫動かせないし、ミカにも無理だろ?」
『うん、いまは、人間なみのちからしか、だせない』
「君は窒息したりしなさそうでいいけどね……」
灯りがない今、魔法陣の微かな光すらも僕の心の支えになる。狭い、暗い、暑い。それら全ては心を蝕む。
「せめて、もう少しっ……この棒が向こうにあれば……」
太腿にくい込んだ鉄の棒。折れた格子は僕の足に刺さる直前で魔法陣に阻まれ、僕の活動領域を狭めるだけに留まっている。背を曲げ首を曲げ、折りたたまれるような体勢のせいで余計に力が入らない。体の小さなミカには丁度いい狭さだろう、羨ましいことだ。
『なんで、くずれたんだろ。サタンが、なにかしたのかな』
「さぁね」
『サタンがわざと、こわしたんじゃ、ないなら、すぐに、もどるとおもうよ』
「……わざとだったら?」
『このまま』
「何で僕がこんな目に……アル、無事かな」
アルが無事なら、捕まってもいないのなら、すぐにここに来てくれるはずだ。ここはじっと耐えてアルを待つか、なんて考えをまとめた時だ。
美しい鈴の音が聞こえた。
僕の上、瓦礫の奥から聞こえてくるその音は次第に近づいてくる。ゆっくりと、確実に。
『なに? この音』
「……最悪」
『なに?』
「まぁ、助かるのは助かるかな。その後は……考えたくないけど」
僕の真上の瓦礫の隙間から黒い液体が染み出してくる。粘着質なそれはゆっくりと僕の頭の上に落ち、体積を増やしていく。
『な、なに? なに? きもちわるい』
「フード被っててよかった、のかな」
頭の上に乗り切らなくなった液体は左右に分かれてゆっくりと落ちてくる。魔法陣の光を虹色に反射していても、美麗さは全く無い。
下を向いた僕の顔の前で液体は気味悪く蠢き、その中心に目玉を造った。目玉は忙しなくギョロギョロと動き、僕を見つけてピタリと止まる。
『ほんとに、きもちわるい』
「あんまり言わない方がいいと思うよ」
目玉が持ち上がり、顔に近づく。鼻先に触れた目玉は僕の顔を確認すると液体の中に落ちた。
数本の触手が生え、僕の頬を撫でる……這い回る。新たに現れた口が僕の名を呼ぶ。
『ヘル』
鈴の音を無理矢理歪めたような声だった。
「……ここ壊したの、にいさまなの? びっくりしたよ。けど、助けに来てくれたんだよね? ありがとう」
一時はやめていたご機嫌取りを再開する。対象は変わったが、やり方は何も変わらない。
「会いたかった、にいさま。来てくれて嬉しい」
ミカの剣に消し飛ばされたのかと思っていたのだが、やはりと言うべきか無事だった。
なんとなく予想はついている、兄はきっともう死ねないのだと。僕の予想が外れているのか当たっているのか、嘘を並べ立てながら考えた。
会いたかった、来てくれて嬉しい、大好き。適当に、慎重に、思ってもいないことを口にする。
『ヘル』
「うん、なに?」
『お腹空いた』
兄の声を出してくれたのならご機嫌取りにも緊張感が出るのだが、兄は人が出す音ではない音を無理矢理声に押し込めている。これでは何と話しているのか分からなくなってくる。
「……え、っと、それは……僕を食べたいってこと?」
『お腹、空いたお腹空イ、たお腹空……い、タ』
「え、ちょっ、ちょっと、にいさま? 大丈夫?」
『…………li? テ……?』
「……ダメっぽい」
理性も知性も飛んでいる。いや、まだ僕にかぶりついていないから理性はあるのか? どちらにせよ名前を呼んだところで何の反応も示さない、それは兄がただの怪物になっているという何よりの証拠だ。
「治癒魔法はまだ大丈夫そうだし、別にいいけどさ……痛覚消しのがちょっと怪しいんだけど」
右眼の痛みを思い出し、効力切れを危惧する。だが、そんなことどうでもいいと僕の腕は液体の中に取り込まれ、一瞬で溶けた。
『うわ……こわ』
「他人事だね、君は。まぁ今は僕もかな……感覚ないから仕方ないって思いたいけど。痛覚まだ消されてるみたいで助かった」
異様な光景を見物するだけのミカに、僕は今までの作戦を棒に振る可能性も気にせずに嫌味を言う。
それにしても、痛覚がまだ消えているなら先程の右眼の痛みは何だったのだろう。魔物使いの力を使った反動だと言うのなら、あの痛みが消されなかった理由は何だろう。
『…………リ……ん、美味しかった』
「にいさま?」
『ごめんね? ちょっと腹ごしらえするのも忘れててさ……ヘルがいなくて焦っちゃって、五人くらい食べてくればよかった』
「…………腕一本で平気なの?」
兄が人しか食べられなくなったのは僕のせいだ。けれど……いや、だから、食人を匂わされるのは苦手だ。
兄に喰われる人は僕のせいで死ぬ。僕が間接的に殺す。
『全然足りないよ? それに、ローブのもそろそろ効力切れるから腕食べたらヘル死んじゃう。腕食べてもローブの魔力補充はキツイかな。多分それやったら僕また意識飛んじゃう』
元通りに再生した腕を確かめながら、目の前で兄の声を発する液体を眺める。兄の見た目をしていないものが兄の声を出すのも違和感がある、やはり兄は兄の見た目で兄の声を出してくれなければ。
「瓦礫なんとかして欲しいんだけど……」
『無理、そんな力出せない』
「……空間転移とか、すり抜けとか」
『そっちのが消費多いよ』
「……脱出するのに腕何本いる?」
『最低五本かな? 治癒魔法の限界はあと一本で、痛覚消失はもうほとんどダメ』
「……そう」
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『何も出来なくて悪いね、でも心強いだろ? 僕がいて嬉しいよねぇ? ヘルはお兄ちゃんが居ないとダメなんだから。嬉しいだろ? ねぇ、どうなの?』
「嬉しいよ、すごく嬉しい」
『なら良かった』
「……でも、早く出ないと僕死んじゃう」
『大丈夫だよ、そのうち来るから』
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