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第二十五章 本拠地は酒色の国に
空腹による暴走
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ミシミシと嫌な音が聞こえてくる。結界が軋んでいるのだろう。けれど、アルが居なければ、目が無ければ、僕には何も出来ない。
「お、王様……苦しい」
「……ごめん」
腕の中にはアザゼルが居る。力任せに抱き締めてしまって小さな身体は苦しかっただろう。
「あのな、別に王様を置いてったとかじゃなくて、その……砂漠の国に行くのに、王様が居たら危ないかもってんで勝手に留守番させたんだよ」
「…………僕、捨てられてないの?」
「ないない。だから泣くなって。勝手に決めて悪かった、でも……今の王様じゃ、行っても仕方ないだろ?」
砂漠の国に行っただって? 僕の願いを叶える為に? ベルゼブブは乗り気ではなかったのに、兄やアルも興味すら無かったようなのに、僕の為に行ってくれた。
僕の安全の為に僕を置いて行った。僕が約立たずだから置いて行かれた。僕は……
「……ヴェーンさん、結界は」
「かなりやばい。俺、こういうのは得意じゃないんだよ」
「…………僕の血はまだ飲める?」
「あ? あぁ、そりゃ、飲み過ぎたからって死ぬわけじゃないし……」
「分かった、飲んで。それで結界を張り直して。何か、コウモリとか……眷属は居る? 居たらそいつにアシュメダイを呼ばせて」
ボタンを上から三つ外し、首を傾ける。鋭い痛みが走り、血と力が抜けていく。手足がぶらんと垂れて、倒れかけた身体を支えられる。
「おい……ダンピール、吸い過ぎ……」
「…………止まんねぇんだよ、めちゃくちゃ美味ぇ……」
一瞬口を離し、今度は反対側の首に牙を立てる。
「王様? 王様、大丈夫か?」
頭と背に添えられていた手が離れ、僕の身体は重力に任せて落ちる。アザゼルに受け止められ、頭だけは打たずに済んだ。
「はぁっ……熱い……ははっ、今なら、あのクソ淫魔も倒せるかも、なーんて……」
「ふざけてねぇでとっととやりやがれ!」
「へーへ、血界……っし、前より丈夫」
「破ってこないだろうな」
「平気だろ。さて、コウモリだったな」
ヴェーンの指笛が邸内に響く。それに呼応するように結界を叩く触手が増える。
「……破ってこないだろうな」
「多分……」
「多分ってなんだ多分って! ぁ、王様……大丈夫か? 顔色いつもより悪いぞ?」
頭がくらくらする。起き上がる僕にアザゼルが心配そうな声をかける。僕はアザゼルの胸に頭を預け、ヴェーンであろう服の裾を掴む。
「……魔物使いの、名の元に…………血を……魔力を、活性化させよ……」
半ば無意識に、本能だけで言葉を紡ぐ。魔物使いの力の使い方が自然と分かる、魂に刻まれている。
「ぐっ!? ぁ、つっ……熱いっ!? あっ、ぅ、ぐぁっ……クソっ、おい! やめ……」
「ダンピール……? おい、王様? 何したんだよ、大丈夫なのか?」
僕の頭を小さな腕が抱き締めている。僕はその腕に手を添えて力を使い続けた。
「…………ぃ、ぁが……痛いっ、裂けるっ……!」
ビリビリと布が裂ける音がして、顔に生温い液体がかかった。鉄にも似た生臭さが周囲に漂う。
「……お前、羽……あった、か?」
「はぁっ、はぁっ、死ぬかと……ぁん? 羽? はははっ! すげぇ、羽だ!」
身体に抑圧されていた魔力が解放されたような感覚がある。だがそれ以上に酷い頭痛を感じていた。魔物使いの力を使った時、いつも感じる眼や頭の痛みだ。痛みはいつもより酷く、僕は意識を手放した。
「おい、王様! ぁ、おい! ダンピール! 結界にヒビ入ってんぞしっかりやれよ!」
『テケ、li-り、テっ、リリ。テ、け……』
「吸血鬼の真祖の直系! その力が俺にねぇ訳ねぇんだよなぁ! ははっ! 最高だ、最っ高の気分だ!」
「笑ってねぇで張り直さねぇと割られるぞ! 俺知らねぇからな! 寝てねぇで起きろよ王様! 逃げるぞ!」
アザゼルは気絶したヘルの頬を叩くが、意味が無いと悟ると腕を引っ張り逃げようとする。
ヴェーンは背後の出来事を歯牙にもかけない、自分の新しい力に酔っていた。
スーツを破って生えたのは蝙蝠にも似た細長い翼、皮膚を裂いたそれに血を滴らせながらも、ヴェーンは自ら結界を解き敵に拳を叩き込んだ。
「おぉ! 吹っ飛んだ! すげぇなダンピール!」
アザゼルは逃げ出そうとしていた足を止め、ヴェーンの背を叩く。
「……いや、全然効いてない」
ジェル状の物体に物理攻撃が効くはずもなく、ヴェーンは拳を振る。
「そもそもありゃ何だ? スライム……とは違うよな」
「…………王様が椅子にしてたヤツが、ああなった」
「は? 嘘だろ、あれ弟だとか呼んでただろ」
ぐにゃぐにゃと形を変えながら腐臭を放ち、目玉と体積を増やす。玉虫色の輝きを持つ黒いスライムは壁に触手を這わせ、ゆっくりとヴェーンに向かう。
「まさか、その弟が離れたから……コントロール効かなくなったんじゃ」
アザゼルの予想は当たっていた。
フェルは自らの身体を切り離しヘルの支えとして独立させた。独立している以上エネルギーは個別に必要だ。フェルは無意識に魔力を供給しており、今まではフェルの命令通りヘルの言いなりになっていた。だが、フェルが離れ魔力も命令も与えられなくなり、暴走し始めたのだ。
「……弱点とかないのか? 塩とか効きそうな見た目してやがるけどよ」
「さぁな」
バン、と窓に大きなコウモリがぶつかる。そのコウモリはぎゃあぎゃあと喚きながら窓を開け、ヴェーンの前に落ちた。
「伝言だ。宛はアシュ様。やばい助けて、でいいぞ」
『やばい助けて、でいいぞ! やばい助けて、でいいぞ!』
「いや、ぁー……もういいや、行け!」
『やばい助けて、でいいぞ!』
入って来たのとは別の窓を開け、喚きながら出て行った。ヴェーンは使い魔の頭の悪さに呆れてため息を吐く。その隙を見つけてか、スライムは素早く触手を伸ばし、ヴェーンの身体を貫いた。
「っと、早く動けるんじゃねぇか。悪いな、忘れてたわ」
服にも身体にも穴は空いていない。触手が上向きに振るわれると、ヴェーンの姿は揺らぎ、消えた。
「……ダンピールって霧になれたのか、知らなかったな……」
スライムの目玉が一つ潰れる。中途半端に実体化したヴェーンは桐を持っていた。
「一つ、二つ、三つ、四つ……」
振るわれる触手にも噛み付いてくる牙も霧を捕らえることは出来ず、スライムの目は順調に潰れていく。
「十三、十……四っ!」
一際大きな目玉を潰し、一息つく。だが、すぐに別の場所に目玉が生え、触手も増える。
「目ん玉大量に生やしてくれるのはありがたいんだが、お前の目は醜いんだよ!」
『テ、肉……肉、肉ッ! りっ、リ肉』
「黙って、死にやがれ! これで、二十!」
キリがない。アザゼルは戦いを見てそう呟く。傷を負わず傷を負わせ続けるヴェーンは一見優勢に見えるが、スライムは再生し続けているし、どちらのスタミナが多いのかは分からない。
「弱点、弱点か……普通のスライムなら、物理攻撃はあんま効かねぇけど……アレはどうなんだ?」
目玉や手、口などの器官がある以上スライムとは呼べない。スライムは魔力が不純物を吸い付けて出来上がった胃であって、正確には生き物ですらないのだ。
「生まれた土地によって属性も変わるしな……でも大抵は水分を多く含んでるから、蒸発させるのが定石だけど」
液体が盛り上がってその表面に目玉が浮いていたり、手が生えていたりするように見えるが、その本質はどうなのか。アザゼルはそれを決めかねていた。
「ご、五十……六っ! クソっ、キリがねぇ……はぁっ、はぁーっ…………腹、減った……」
「所詮は吸鬼か……スタミナ切れが早いっての……」
ヴェーンの動きが鈍り、実体化している時間が長引き、触手に弾き飛ばされる。だが、彼はそれ以上の攻撃を受けなかった。
スライムはヴェーンを仕方なく迎撃していたに過ぎず、彼を喰らう気は無かった。霧と化すような不安定な肉ではなく、人間の身体を喰らいたかった。本来は存在しない食人嗜好は呪いによって付与されたもので、エアとフェルを経由してもなお、細胞に組み込まれた第一の本能だった。
「……天使は無限なんだけどなぁー。俺は堕ちたし、今は人間。さて、どうするかね」
アザゼルは上着を捲りあげ、白い背中を晒す。肩甲骨あたりが盛り上がり、皮膚が裂け、長細い骨が飛び出す。
「ぅあっ……はぁっ、はぁっ……もう、いっちょっ!」
骨は一瞬で皮に包まれ、羽根が生えていく。真っ黒い翼が完成すると、今度は頭から血が垂れる。皮膚を突き破って生えた角は山羊に似ていた。
アザゼルは自らの血溜まりの上に立ち、同じ色の眼でスライムを睨み付けた。
「お、王様……苦しい」
「……ごめん」
腕の中にはアザゼルが居る。力任せに抱き締めてしまって小さな身体は苦しかっただろう。
「あのな、別に王様を置いてったとかじゃなくて、その……砂漠の国に行くのに、王様が居たら危ないかもってんで勝手に留守番させたんだよ」
「…………僕、捨てられてないの?」
「ないない。だから泣くなって。勝手に決めて悪かった、でも……今の王様じゃ、行っても仕方ないだろ?」
砂漠の国に行っただって? 僕の願いを叶える為に? ベルゼブブは乗り気ではなかったのに、兄やアルも興味すら無かったようなのに、僕の為に行ってくれた。
僕の安全の為に僕を置いて行った。僕が約立たずだから置いて行かれた。僕は……
「……ヴェーンさん、結界は」
「かなりやばい。俺、こういうのは得意じゃないんだよ」
「…………僕の血はまだ飲める?」
「あ? あぁ、そりゃ、飲み過ぎたからって死ぬわけじゃないし……」
「分かった、飲んで。それで結界を張り直して。何か、コウモリとか……眷属は居る? 居たらそいつにアシュメダイを呼ばせて」
ボタンを上から三つ外し、首を傾ける。鋭い痛みが走り、血と力が抜けていく。手足がぶらんと垂れて、倒れかけた身体を支えられる。
「おい……ダンピール、吸い過ぎ……」
「…………止まんねぇんだよ、めちゃくちゃ美味ぇ……」
一瞬口を離し、今度は反対側の首に牙を立てる。
「王様? 王様、大丈夫か?」
頭と背に添えられていた手が離れ、僕の身体は重力に任せて落ちる。アザゼルに受け止められ、頭だけは打たずに済んだ。
「はぁっ……熱い……ははっ、今なら、あのクソ淫魔も倒せるかも、なーんて……」
「ふざけてねぇでとっととやりやがれ!」
「へーへ、血界……っし、前より丈夫」
「破ってこないだろうな」
「平気だろ。さて、コウモリだったな」
ヴェーンの指笛が邸内に響く。それに呼応するように結界を叩く触手が増える。
「……破ってこないだろうな」
「多分……」
「多分ってなんだ多分って! ぁ、王様……大丈夫か? 顔色いつもより悪いぞ?」
頭がくらくらする。起き上がる僕にアザゼルが心配そうな声をかける。僕はアザゼルの胸に頭を預け、ヴェーンであろう服の裾を掴む。
「……魔物使いの、名の元に…………血を……魔力を、活性化させよ……」
半ば無意識に、本能だけで言葉を紡ぐ。魔物使いの力の使い方が自然と分かる、魂に刻まれている。
「ぐっ!? ぁ、つっ……熱いっ!? あっ、ぅ、ぐぁっ……クソっ、おい! やめ……」
「ダンピール……? おい、王様? 何したんだよ、大丈夫なのか?」
僕の頭を小さな腕が抱き締めている。僕はその腕に手を添えて力を使い続けた。
「…………ぃ、ぁが……痛いっ、裂けるっ……!」
ビリビリと布が裂ける音がして、顔に生温い液体がかかった。鉄にも似た生臭さが周囲に漂う。
「……お前、羽……あった、か?」
「はぁっ、はぁっ、死ぬかと……ぁん? 羽? はははっ! すげぇ、羽だ!」
身体に抑圧されていた魔力が解放されたような感覚がある。だがそれ以上に酷い頭痛を感じていた。魔物使いの力を使った時、いつも感じる眼や頭の痛みだ。痛みはいつもより酷く、僕は意識を手放した。
「おい、王様! ぁ、おい! ダンピール! 結界にヒビ入ってんぞしっかりやれよ!」
『テケ、li-り、テっ、リリ。テ、け……』
「吸血鬼の真祖の直系! その力が俺にねぇ訳ねぇんだよなぁ! ははっ! 最高だ、最っ高の気分だ!」
「笑ってねぇで張り直さねぇと割られるぞ! 俺知らねぇからな! 寝てねぇで起きろよ王様! 逃げるぞ!」
アザゼルは気絶したヘルの頬を叩くが、意味が無いと悟ると腕を引っ張り逃げようとする。
ヴェーンは背後の出来事を歯牙にもかけない、自分の新しい力に酔っていた。
スーツを破って生えたのは蝙蝠にも似た細長い翼、皮膚を裂いたそれに血を滴らせながらも、ヴェーンは自ら結界を解き敵に拳を叩き込んだ。
「おぉ! 吹っ飛んだ! すげぇなダンピール!」
アザゼルは逃げ出そうとしていた足を止め、ヴェーンの背を叩く。
「……いや、全然効いてない」
ジェル状の物体に物理攻撃が効くはずもなく、ヴェーンは拳を振る。
「そもそもありゃ何だ? スライム……とは違うよな」
「…………王様が椅子にしてたヤツが、ああなった」
「は? 嘘だろ、あれ弟だとか呼んでただろ」
ぐにゃぐにゃと形を変えながら腐臭を放ち、目玉と体積を増やす。玉虫色の輝きを持つ黒いスライムは壁に触手を這わせ、ゆっくりとヴェーンに向かう。
「まさか、その弟が離れたから……コントロール効かなくなったんじゃ」
アザゼルの予想は当たっていた。
フェルは自らの身体を切り離しヘルの支えとして独立させた。独立している以上エネルギーは個別に必要だ。フェルは無意識に魔力を供給しており、今まではフェルの命令通りヘルの言いなりになっていた。だが、フェルが離れ魔力も命令も与えられなくなり、暴走し始めたのだ。
「……弱点とかないのか? 塩とか効きそうな見た目してやがるけどよ」
「さぁな」
バン、と窓に大きなコウモリがぶつかる。そのコウモリはぎゃあぎゃあと喚きながら窓を開け、ヴェーンの前に落ちた。
「伝言だ。宛はアシュ様。やばい助けて、でいいぞ」
『やばい助けて、でいいぞ! やばい助けて、でいいぞ!』
「いや、ぁー……もういいや、行け!」
『やばい助けて、でいいぞ!』
入って来たのとは別の窓を開け、喚きながら出て行った。ヴェーンは使い魔の頭の悪さに呆れてため息を吐く。その隙を見つけてか、スライムは素早く触手を伸ばし、ヴェーンの身体を貫いた。
「っと、早く動けるんじゃねぇか。悪いな、忘れてたわ」
服にも身体にも穴は空いていない。触手が上向きに振るわれると、ヴェーンの姿は揺らぎ、消えた。
「……ダンピールって霧になれたのか、知らなかったな……」
スライムの目玉が一つ潰れる。中途半端に実体化したヴェーンは桐を持っていた。
「一つ、二つ、三つ、四つ……」
振るわれる触手にも噛み付いてくる牙も霧を捕らえることは出来ず、スライムの目は順調に潰れていく。
「十三、十……四っ!」
一際大きな目玉を潰し、一息つく。だが、すぐに別の場所に目玉が生え、触手も増える。
「目ん玉大量に生やしてくれるのはありがたいんだが、お前の目は醜いんだよ!」
『テ、肉……肉、肉ッ! りっ、リ肉』
「黙って、死にやがれ! これで、二十!」
キリがない。アザゼルは戦いを見てそう呟く。傷を負わず傷を負わせ続けるヴェーンは一見優勢に見えるが、スライムは再生し続けているし、どちらのスタミナが多いのかは分からない。
「弱点、弱点か……普通のスライムなら、物理攻撃はあんま効かねぇけど……アレはどうなんだ?」
目玉や手、口などの器官がある以上スライムとは呼べない。スライムは魔力が不純物を吸い付けて出来上がった胃であって、正確には生き物ですらないのだ。
「生まれた土地によって属性も変わるしな……でも大抵は水分を多く含んでるから、蒸発させるのが定石だけど」
液体が盛り上がってその表面に目玉が浮いていたり、手が生えていたりするように見えるが、その本質はどうなのか。アザゼルはそれを決めかねていた。
「ご、五十……六っ! クソっ、キリがねぇ……はぁっ、はぁーっ…………腹、減った……」
「所詮は吸鬼か……スタミナ切れが早いっての……」
ヴェーンの動きが鈍り、実体化している時間が長引き、触手に弾き飛ばされる。だが、彼はそれ以上の攻撃を受けなかった。
スライムはヴェーンを仕方なく迎撃していたに過ぎず、彼を喰らう気は無かった。霧と化すような不安定な肉ではなく、人間の身体を喰らいたかった。本来は存在しない食人嗜好は呪いによって付与されたもので、エアとフェルを経由してもなお、細胞に組み込まれた第一の本能だった。
「……天使は無限なんだけどなぁー。俺は堕ちたし、今は人間。さて、どうするかね」
アザゼルは上着を捲りあげ、白い背中を晒す。肩甲骨あたりが盛り上がり、皮膚が裂け、長細い骨が飛び出す。
「ぅあっ……はぁっ、はぁっ……もう、いっちょっ!」
骨は一瞬で皮に包まれ、羽根が生えていく。真っ黒い翼が完成すると、今度は頭から血が垂れる。皮膚を突き破って生えた角は山羊に似ていた。
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