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第二十七章 壊されかけた者共と契りを結べ
帰還と崩壊
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深夜、物音で目を覚ます。カルコスとクリューソスが来てから四六時中喧しいが、今は眠っているはずだ、数時間前リビングでその姿を見た。
昨日はグロルにベッドを取られていたが、今日は彼女を自室で眠らせた。目は見えないが、僕は天蓋付きベッドで眠っていた。
『……ヘル? 眠れないの?』
上体を起こした僕の頬に手が触れる。すべすべとしていて柔らかく、細い指が並んだ心地の良い手だ。
「なんか騒がしいから、今起きた」
『あぁ、帰って来たんじゃない? 砂漠の国が何とかって……』
アスタロトが予言したのが明後日で、今日はその予言から一日後の夜だ。夜と言っても日付は変わっているけれど。
「…………ま、多分みんな部屋で寝るよ。詳しい話は明日聞く……」
アルは風呂に入るだろうし、酒呑やベルゼブブは酒盛りをするだろう。疲れているだろうしその後は眠るだろう。
僕は体を倒すと『黒』を抱き寄せ、その胸の谷間に顔を埋めた。
『いいのかい?』
「うん……誰も死なないって、言ってたし……にいさまいるなら傷も治してるだろうし……」
僕はアスタロトの「死人は出ない」との予言で安心し切っていた、安否確認など必要ないと。
『黒』の背に腕を回し、強く抱き締めて柔らかい感触を顔全体で味わう。
『ふふっ……大切な狼は?』
「アルは多分……お風呂入ってる」
『確かにさっきからシャワーの音が聞こえるよ。よく分かってるね、長い付き合いなんだ?』
「……意地悪言わないで」
『ごめんごめん。でも、嫉妬しちゃうんだよね。君をずっと待ってたはずなのに、僕は記憶も名前も失ってしまって、油断してる間に他の子達に君を盗られちゃった感じでさ』
ポンポンと頭を撫でられ、眠気が襲ってくる。僕は開けても閉じても同じ景色な瞼を恨みつつ、一応に目を閉じる。
「僕は……君と婚約したんだ。指輪も渡す、他にも欲しいものあったら言って。全部用意する」
この感情は本当に恋心なのだろうか、義務感な気もするし、成り行きな気もする。
『ふふっ、欲しい物かぁ。結婚なら指輪だけじゃダメだよね、どうせなら式挙げたいなぁ。ドレスとか、家とか、他にも色々欲しい物あるよ。まぁ、本当に欲しいのは君だけだけどね』
僕が本当に渡したいのは君の本当の名前だ。
そう言えたなら僕も自分に自信が付くだろうに。
「好きだよ……大好き。好き……だから、まだ消えないで。必ず……僕は、君を取り戻してみせるから。だからっ……」
初めて会った時、初めて触れた時、奇妙な胸の高鳴りと安心感があった。何度も『黒』と愛し合ってきた僕の魂が惹かれたのだろう。
けれど、それは本当に僕なのだろうか。前世に引っ張られただけで好きになったなんて、そんなの本当の愛だと言えるだろうか。
恨んだこともあった、憎もうとしたこともあった、それでもどうしても彼女に恋焦がれてしまっていた。
しかし、やはり、僕は自分の感情に納得がいかない。好きだとは言えるけれど、結婚してなんてまだ言えない。僕の本気はまだ分からない。
『そうだね、ヘル……今度こそ、ずっと僕と……』
「…………ごめんね」
『ふふっ、なんで謝るの。本当に君は……変わらない、泣き虫で弱虫で、一人じゃ何も出来なくて、人見知りで寂しがりで、本当に……愛しい愛しい僕の旦那様……』
名前を取り戻せば僕の愛情も自分のものになるのだろうか、名前が分かれば結ばれたいと心から思えるのだろうか。
『……ねぇ、僕ね、ずっと君の傍に居たんだ。こうやって実体化した時に、めいっぱい君と二人きりで居られる時間を狙って、ね』
「そ……そうなんだ。なんか恥ずかしいなぁ……」
『…………助けなきゃならない時もあったよね。でも、僕にはもう本当に力が無くて……』
「い、いいよいいよ! 無理して消えちゃったらそっちの方が嫌だし、仲間はいっぱい居るし、僕は大丈夫!」
表情が見えなくとも声で『黒』の感情は読める。『黒』が演技していたりしなければ、だけれど。
『そうだね、本当に増えた……兄弟も増えたよね。そう、兄弟……か。将来的には僕の兄弟にもなるね?』
「え? ぁ……うん、そうだね、そう……」
改めて婚約している仲だと認識させられて顔が熱くなる。納得がいかないなんて言っていても、前世の仲以外の理由でも惹かれているのは間違いないのだ。
照れてしまって言葉が紡げなくなり、『黒』の胸にぎゅうぎゅうと顔を押し付ける──と、不意にその感触が消えた。
頭の下にあった腕も消えて、僕はシーツに頭を落とした。僕の頭を撫でていた腕も、絡め合っていた足も、消えた。
「……く、『黒』? どこ……?」
実体化した際、『黒』は実体化を僕にとっての起きている時間と言っていた。なら、今消えたのは眠ってしまったと解釈していいのだろうか。本当に消えてしまった訳ではないと思いたい。
体を起こして手をベッドに這わせる姿を見て笑っているのだろうか、何も言えず消えてしまって申し訳ないと気を落としているだろうか、僕の傍に本当に居てくれているのだろうか。
不安は尽きない。
キィ、と静かに扉が開く音が聞こえた。動くのをやめ耳を澄ませるも、何も聞こえない。
ベッドが沈む感覚がある。掛けている毛布が引っ張られる感覚がある。誰かがベッドに乗ってきたのだ。
「だっ……誰?」
扉を開けて入ってきたという事は『黒』ではない。グロルが独り寝が怖くなって起きてきたのならもっと物音を鳴らす。カルコスやクリューソスが黙って入ってくるとは考えにくい。
「……誰なの?」
ふわりと頬と肩に柔らかい羽毛が触れる。反対側の肩に毛皮が触れ、膝の上に二つ丸いものが乗って重みを感じ、その付近に鋭く尖った何かが触れる。
『ただいま……ヘル』
耳元で低く甘い声がそう言った。そのまま僕の耳を舐め、大きな口を開いて僕の首に牙を触れさせた。
「ア、アルなの? 怖がらせないでよ、見えてないんだからちゃんと声かけてよ」
恐る恐る手を伸ばし、アルの首に回す。
どうして頬や首に牙が当たっているのだろうか。アルは普段こんな事をしてきていたっけか。
『ヘル……独りで寂しくは無かったか?』
声はいつも以上に落ち着いていて優しいのに、何故か僕は恐怖を覚えた。
「さ、寂しかったよ……そりゃ。何も言ってくれなかったし……」
胴に長い物が──おそらくはアルの尾、黒蛇が巻き付いた。ゆっくりと力が入り、僕の身体から空気を追い出していく。
「ア……ル? くる、し……」
いつもより強い、明らかに様子がおかしい。本当にアルなのか? アルだとしたら本当にアルの意思なのか?
『…………何処の阿婆擦れだ』
「……アル?」
『何処の阿婆擦れを連れ込んだ、と聞いている。一体どうやったんだ? 兄君の結界は許可されていなければ入れない……まさかアシュメダイ様か?』
「なっ……なに、言ってるの? アル……苦しいよ、そんなに……締めないで、よ。何怒ってるの……?」
する、と尾が解ける。
『…………そうだな。私には怒る権利も、妬む権利も無いな……私は、ただの獣だ』
「ア、アル? 気に入らないことあったなら言って? ただの獣だなんて……言わないで、僕にとってアルは大切な──っ!?」
再び尾が僕の身体を締め上げる。話すどころか呼吸すらままならない。
『大切な……駒か? 兵か? 乗り物か? 私は……いや、それでいい。それでいいんだ、私は、貴方に利用されるだけで幸せで……幸せな、筈で……』
締め付けが緩まり、また強くなり、緩くなったと思えばまた強くなる。全く訳が分からない、アルの考えが読めない。
「くる、しぃ……よ、アルぅ……やめ……て、死んじゃう……」
『…………私は、私……は、どうすれば良い?』
「ほどいて、力緩めてよっ……」
『私は貴方を……貴方を、どうしたいんだ』
アルの気持ちなんて知らない、今の行為からは殺したいのかとも思える。
必死に尾を引っ掻いても、硬い鱗は一つも剥がれない。首元の皮を引っ張っても、毛を毟っても、アルは反応してくれない。
自分だけの世界に入り込んで、ぶつぶつと意味の分からない思考を垂れ流して、僕を締め付けている。
「アルっ……ねぇ、アル……僕は、僕はアルが好きだよ? ねぇ……だからさ、僕は……君に優しくして欲しい、ずっと……そう言ってる。ねぇアル……聞いてよ、アル……」
『………………私が好きなのか?』
「やっと聞こえた? そう、好きだよ。僕はアルが大好き」
締め付けが少し緩む。アルが呟いていたのは大半が訳の分からない言葉だったが、時々「ヘルは私を愛しているのか」だとか「私はヘルが好きだ」とか聞こえてきていたからああ言ったのだが、上手くいったらしい。
『そうか……好きなのか。なら、もっと…………痛みを、与えてやる。さぁ、ヘル……たっぷりと愛してやるからな』
アルは僕の肩に前足を置き、僕をベッドに押し倒した。
手首を引っ掻いて前足を胸に乗せると腕を甘く噛んで、抵抗しようと振った足に尾を巻き付けた。
『愛してる、そうだ愛してるんだヘル! 私は、貴方をずっと想ってきた! ヘル……ヘルっ! 貴方が同じ気持ちで良かった、もう躊躇わない、もう……種族だの主従だのどうでもいい、愛してるっ!』
上擦った声でそう捲し立て、僕に牙を何度も突き立てた。
昨日はグロルにベッドを取られていたが、今日は彼女を自室で眠らせた。目は見えないが、僕は天蓋付きベッドで眠っていた。
『……ヘル? 眠れないの?』
上体を起こした僕の頬に手が触れる。すべすべとしていて柔らかく、細い指が並んだ心地の良い手だ。
「なんか騒がしいから、今起きた」
『あぁ、帰って来たんじゃない? 砂漠の国が何とかって……』
アスタロトが予言したのが明後日で、今日はその予言から一日後の夜だ。夜と言っても日付は変わっているけれど。
「…………ま、多分みんな部屋で寝るよ。詳しい話は明日聞く……」
アルは風呂に入るだろうし、酒呑やベルゼブブは酒盛りをするだろう。疲れているだろうしその後は眠るだろう。
僕は体を倒すと『黒』を抱き寄せ、その胸の谷間に顔を埋めた。
『いいのかい?』
「うん……誰も死なないって、言ってたし……にいさまいるなら傷も治してるだろうし……」
僕はアスタロトの「死人は出ない」との予言で安心し切っていた、安否確認など必要ないと。
『黒』の背に腕を回し、強く抱き締めて柔らかい感触を顔全体で味わう。
『ふふっ……大切な狼は?』
「アルは多分……お風呂入ってる」
『確かにさっきからシャワーの音が聞こえるよ。よく分かってるね、長い付き合いなんだ?』
「……意地悪言わないで」
『ごめんごめん。でも、嫉妬しちゃうんだよね。君をずっと待ってたはずなのに、僕は記憶も名前も失ってしまって、油断してる間に他の子達に君を盗られちゃった感じでさ』
ポンポンと頭を撫でられ、眠気が襲ってくる。僕は開けても閉じても同じ景色な瞼を恨みつつ、一応に目を閉じる。
「僕は……君と婚約したんだ。指輪も渡す、他にも欲しいものあったら言って。全部用意する」
この感情は本当に恋心なのだろうか、義務感な気もするし、成り行きな気もする。
『ふふっ、欲しい物かぁ。結婚なら指輪だけじゃダメだよね、どうせなら式挙げたいなぁ。ドレスとか、家とか、他にも色々欲しい物あるよ。まぁ、本当に欲しいのは君だけだけどね』
僕が本当に渡したいのは君の本当の名前だ。
そう言えたなら僕も自分に自信が付くだろうに。
「好きだよ……大好き。好き……だから、まだ消えないで。必ず……僕は、君を取り戻してみせるから。だからっ……」
初めて会った時、初めて触れた時、奇妙な胸の高鳴りと安心感があった。何度も『黒』と愛し合ってきた僕の魂が惹かれたのだろう。
けれど、それは本当に僕なのだろうか。前世に引っ張られただけで好きになったなんて、そんなの本当の愛だと言えるだろうか。
恨んだこともあった、憎もうとしたこともあった、それでもどうしても彼女に恋焦がれてしまっていた。
しかし、やはり、僕は自分の感情に納得がいかない。好きだとは言えるけれど、結婚してなんてまだ言えない。僕の本気はまだ分からない。
『そうだね、ヘル……今度こそ、ずっと僕と……』
「…………ごめんね」
『ふふっ、なんで謝るの。本当に君は……変わらない、泣き虫で弱虫で、一人じゃ何も出来なくて、人見知りで寂しがりで、本当に……愛しい愛しい僕の旦那様……』
名前を取り戻せば僕の愛情も自分のものになるのだろうか、名前が分かれば結ばれたいと心から思えるのだろうか。
『……ねぇ、僕ね、ずっと君の傍に居たんだ。こうやって実体化した時に、めいっぱい君と二人きりで居られる時間を狙って、ね』
「そ……そうなんだ。なんか恥ずかしいなぁ……」
『…………助けなきゃならない時もあったよね。でも、僕にはもう本当に力が無くて……』
「い、いいよいいよ! 無理して消えちゃったらそっちの方が嫌だし、仲間はいっぱい居るし、僕は大丈夫!」
表情が見えなくとも声で『黒』の感情は読める。『黒』が演技していたりしなければ、だけれど。
『そうだね、本当に増えた……兄弟も増えたよね。そう、兄弟……か。将来的には僕の兄弟にもなるね?』
「え? ぁ……うん、そうだね、そう……」
改めて婚約している仲だと認識させられて顔が熱くなる。納得がいかないなんて言っていても、前世の仲以外の理由でも惹かれているのは間違いないのだ。
照れてしまって言葉が紡げなくなり、『黒』の胸にぎゅうぎゅうと顔を押し付ける──と、不意にその感触が消えた。
頭の下にあった腕も消えて、僕はシーツに頭を落とした。僕の頭を撫でていた腕も、絡め合っていた足も、消えた。
「……く、『黒』? どこ……?」
実体化した際、『黒』は実体化を僕にとっての起きている時間と言っていた。なら、今消えたのは眠ってしまったと解釈していいのだろうか。本当に消えてしまった訳ではないと思いたい。
体を起こして手をベッドに這わせる姿を見て笑っているのだろうか、何も言えず消えてしまって申し訳ないと気を落としているだろうか、僕の傍に本当に居てくれているのだろうか。
不安は尽きない。
キィ、と静かに扉が開く音が聞こえた。動くのをやめ耳を澄ませるも、何も聞こえない。
ベッドが沈む感覚がある。掛けている毛布が引っ張られる感覚がある。誰かがベッドに乗ってきたのだ。
「だっ……誰?」
扉を開けて入ってきたという事は『黒』ではない。グロルが独り寝が怖くなって起きてきたのならもっと物音を鳴らす。カルコスやクリューソスが黙って入ってくるとは考えにくい。
「……誰なの?」
ふわりと頬と肩に柔らかい羽毛が触れる。反対側の肩に毛皮が触れ、膝の上に二つ丸いものが乗って重みを感じ、その付近に鋭く尖った何かが触れる。
『ただいま……ヘル』
耳元で低く甘い声がそう言った。そのまま僕の耳を舐め、大きな口を開いて僕の首に牙を触れさせた。
「ア、アルなの? 怖がらせないでよ、見えてないんだからちゃんと声かけてよ」
恐る恐る手を伸ばし、アルの首に回す。
どうして頬や首に牙が当たっているのだろうか。アルは普段こんな事をしてきていたっけか。
『ヘル……独りで寂しくは無かったか?』
声はいつも以上に落ち着いていて優しいのに、何故か僕は恐怖を覚えた。
「さ、寂しかったよ……そりゃ。何も言ってくれなかったし……」
胴に長い物が──おそらくはアルの尾、黒蛇が巻き付いた。ゆっくりと力が入り、僕の身体から空気を追い出していく。
「ア……ル? くる、し……」
いつもより強い、明らかに様子がおかしい。本当にアルなのか? アルだとしたら本当にアルの意思なのか?
『…………何処の阿婆擦れだ』
「……アル?」
『何処の阿婆擦れを連れ込んだ、と聞いている。一体どうやったんだ? 兄君の結界は許可されていなければ入れない……まさかアシュメダイ様か?』
「なっ……なに、言ってるの? アル……苦しいよ、そんなに……締めないで、よ。何怒ってるの……?」
する、と尾が解ける。
『…………そうだな。私には怒る権利も、妬む権利も無いな……私は、ただの獣だ』
「ア、アル? 気に入らないことあったなら言って? ただの獣だなんて……言わないで、僕にとってアルは大切な──っ!?」
再び尾が僕の身体を締め上げる。話すどころか呼吸すらままならない。
『大切な……駒か? 兵か? 乗り物か? 私は……いや、それでいい。それでいいんだ、私は、貴方に利用されるだけで幸せで……幸せな、筈で……』
締め付けが緩まり、また強くなり、緩くなったと思えばまた強くなる。全く訳が分からない、アルの考えが読めない。
「くる、しぃ……よ、アルぅ……やめ……て、死んじゃう……」
『…………私は、私……は、どうすれば良い?』
「ほどいて、力緩めてよっ……」
『私は貴方を……貴方を、どうしたいんだ』
アルの気持ちなんて知らない、今の行為からは殺したいのかとも思える。
必死に尾を引っ掻いても、硬い鱗は一つも剥がれない。首元の皮を引っ張っても、毛を毟っても、アルは反応してくれない。
自分だけの世界に入り込んで、ぶつぶつと意味の分からない思考を垂れ流して、僕を締め付けている。
「アルっ……ねぇ、アル……僕は、僕はアルが好きだよ? ねぇ……だからさ、僕は……君に優しくして欲しい、ずっと……そう言ってる。ねぇアル……聞いてよ、アル……」
『………………私が好きなのか?』
「やっと聞こえた? そう、好きだよ。僕はアルが大好き」
締め付けが少し緩む。アルが呟いていたのは大半が訳の分からない言葉だったが、時々「ヘルは私を愛しているのか」だとか「私はヘルが好きだ」とか聞こえてきていたからああ言ったのだが、上手くいったらしい。
『そうか……好きなのか。なら、もっと…………痛みを、与えてやる。さぁ、ヘル……たっぷりと愛してやるからな』
アルは僕の肩に前足を置き、僕をベッドに押し倒した。
手首を引っ掻いて前足を胸に乗せると腕を甘く噛んで、抵抗しようと振った足に尾を巻き付けた。
『愛してる、そうだ愛してるんだヘル! 私は、貴方をずっと想ってきた! ヘル……ヘルっ! 貴方が同じ気持ちで良かった、もう躊躇わない、もう……種族だの主従だのどうでもいい、愛してるっ!』
上擦った声でそう捲し立て、僕に牙を何度も突き立てた。
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