783 / 909
第四十一章 叩き折った旗を挙式の礎に
鍵は鋏より強し
しおりを挟む
純白のふわふわとした毛皮に覆われた小さな体を撫でる細い指。
「真っ白ね……私と同じ。あの人は白い毛好きなの? なら、どうして灰色なんて小汚いもの選んだの?」
『ゔぅぅ……』
靴紐で口を開かないようにされていながらもクラールは唸る。
「汚い声ね……あら、なぁに、このスカーフ」
ミーアは無表情のままクラールの口に巻いた靴紐を解き、スカーフも奪った。防護魔法は攻撃的な行動でなければ発動しないのだ、そうでなければ風呂の際に一々エアに解除させる手間がかかる。
『わぅっ……!? かえちぇ、かえーちぇえ! そぇ、おとーたぁ!』
「…………お父さんにもらったの?」
『おとーたん、ぇったい、はぅしちゃらめー、いってたのぉ!』
クラールはヘルに「外では絶対に外しちゃダメ」と言われたのだの主張し、返すように言う。
「………………ムカつく」
ミーアはクラールのピンと立った三角の耳を弾いて、赤い角を弾いて、鼻先を弾く。
『わぅっ……わんっ! わぅわぅ! いちゃい、れしょ! いちゃいことしちゃ、ぁめ!』
クラールは突然指で顔を弾かれたことに大して抗議する。
「……クラールちゃん、あなた……全然似てない。あの人に似てない……不細工ね。ねぇ、もっと不細工にしてあげようか」
ミーアは毛皮用の鋏を台所から持ってくるとクラールを小脇に抱えて自室の扉を閉めた。震える手でクラールの右耳を掴み、根元を少し残して切り落とした。
『きゃんっ!?』
「……っ、ふふ……不細工」
切り落とした耳を投げ捨て、状況を理解出来ないながらも逃げようと走るクラールを踏み付ける。
「…………何よ、目障りって。何で、私に刃物向けたのよ。あの雄は私のもんだったのに……何盗ってんのよ!」
『ぎゃんっ! きゃぅ……おとーたぁ……』
「そのお父さんは! 私を! 好きになるべきだったの! そうしたら娘はこんな醜い犬じゃなくて美しい猫混じりの人になってたのよ? こんな、ろくに話せもしない、バカなガキじゃなかった!」
地団駄のようにクラールを踏み付け、痛みに怯んだ小さな身体を掴み上げ、床に叩きつけ、屈んで押さえつける。
「…………どうして私こんなことしてるの?」
右前足を鋏で挟み、皮と肉を裂きながら、ミーアはふと我に返る。
散歩をしていたら偶然ヘルの姿を見つけて、声をかけようと近付いた。以前会った時に「目障り」と言われたこと、刀を向けられたことは覚えていた。しかしアレは自分を危険な戦いの場から退けようとした優しさだったのではないかと、その後ヘルが戦っていたことを知って思い、嬉しくなっていた。
だから何の躊躇もなく近寄っていったのだが、途中でアルが傍に居ることに気付いた。それだけなら少し苛立っただけだっただろう、しかしヘルはクラールを抱いていた。立ち聞きした彼らの雑談から二人が結婚していることを、子供まで居たことを知った。
ミーアは混乱して動けなくなったが、ヘルだけが小屋に入ったのを、アルとクラールが森林公園に向かったのを見て体が勝手に動いた。見つからないように森林の中を姿勢を低くして進み、二人を追った。
野生動物の多い森林公園では猫の獣人もアルの耳と鼻には野生動物として無視された。だから接近を許された。
「……ねぇ、クラールちゃん。お父さん好き?」
幸せそうな母娘を妬んだ。自分の想い人に妻と娘として花を届けるということが許せなかった。
『わぅ……? ちゅきぃ……おとーた、おとーたん! おとーたぁ……たしゅけちぇ』
「そう……私はね、多分そんなに好きじゃない」
見た目が好みなだけだった。簡単に落とせそうな女慣れしていない雰囲気が気に入った。案外と攻略が難しかったから燃えた。自分を守ろうとしてくれたところや芯の強さが好きになった。
ミーアにとってヘルはなんとなく放っておけないお気に入り、ただそれだけだった。ミーアにはアルのような深い愛情も激しい恋心もなかった。しかし、ミーアは人一倍嫉妬深く独占欲が強かった。
「でも……あなたのお父さんは、私の雄なの」
『きゃんっ! わぅっ……いちゃいぃ……おとーたっ、きゃぅっ、ぎゃんっ! きゃうんっ!』
ミーアは閉じた鋏を何度もクラールに向けて突き立てる。白い毛皮と白い手が赤く染まっていく。
「ホントならっ、あんたのお母さんにしてやりたいけどっ、あんな大きな魔獣に喧嘩売ったら殺されちゃうもの……」
こんなにも可愛く美しい猫混じりの獣人が好意を示してやったのに、醜い継ぎ接ぎの魔獣なんかに寝取られた。
そう感じたミーアはヘルに対する愛情ではなくアルに敗北したという悔しさを原動力として、自身の負けの証拠であるクラールに八つ当たりをしていた。
「……ほら、クラールちゃん。ここはあなたのお母さんにもあって、あなたが出てきたところなのよ。分かる? あなたのお母さんのここが悪いの、私からあの人を盗ったのよ」
血まみれの鋏を開き、片方の刃をクラールの中に刺し込む。
「きっとあんたもあんたのお母さんと同じでクソビッチなのよ。平気で人の雄寝取るようになるの。だからそうなる前にこの穴広げてあげる、そうすれば誰とも寝られないものね」
そしてゆっくりと刃を閉じていく。クラールの身体が裂けていく。クラールはもはや虫の息で、断末魔すら上げられず、ぴくぴくと手足を跳ねさせていた。
「ほら……もうガバガバ。手首だって入る……まだ子供のくせに」
ミーアはもう止まれない。アルへの妬みや恨みではなく加虐の悦びに目覚めていた。いや、ずっと前からその気はあった。
次はこの醜く大きく裂けた口を更に裂いてやろうか、そう考えてほぼ閉じた鋏を抜こうとして、異様な寒気を感じて飛び上がった。
『……昏……ァー、ルぅ?』
ベッドに飛び乗ったミーアは今の今まで自分が居た場所にポツンと立っている犬を見つける。半透明で短い茶色の毛の犬だ。ミーアは状況を理解出来ないまま、犬がクラールを咥えて消えていく様を眺めていた。
後に残るのは絨毯の上の血溜まり。鋏も一緒に持っていかれてしまった。ミーアは今の犬が何なのかということより、絨毯の汚れが取れるかどうかに頭を悩ませていた。
焦るアルを抱き締めてカヤを出した後の寒気を誤魔化す。
『どうしようっ、ヘル……どうすればいい? スカーフは巻いてあるから大丈夫だとは思うが、もし攫われていたとしたら、知能と手先の器用さを持つものだったら、外されてしまうかも……』
『落ち着いて、すぐカヤが連れて帰ってくれるから』
森林の中に入って見失ったのなら攫われた可能性は低い。連れて逃げたのならアルが気付くだろうし、人間の子供でもないのに身代金を要求出来るとは思わないだろうし、クラールを食おうとした野生動物ならスカーフで防げる。
僕も焦燥と心配の中にいたが、どこか落ち着いていた。
『……ほら、帰ってきた。おかえりカヤ、クラールは?』
寒気を感じ、半透明の犬を出迎える。広げた手の中に赤く染まった毛皮が落とされる。
『…………カヤ? 何これ』
隣でアルの絶叫が響いた。
カヤは僕に重なるようにして消えて、僕の質問には答えてくれなかった。鋏が刺さった白い毛皮はぴくぴくと動き、可愛らしい声を出した。
『おとー……た?』
『……………………クラール?』
四本の足に、尾。赤い角。確かにクラールだ。でも、クラールは目は潰れていないし、片耳が切れていたりしていなかった。
『おとー、たぁ、いちゃい……よ……』
『ヘルっ、ヘル、早く私のスカーフを解いて……零! このスカーフ……尾に巻いてあるスカーフを解け!』
クラールらしいズタボロの身体の横にアルの顔がくる。
『あぁ……クラールっ、どうしてこんな……酷い。一体誰が……』
零によって外されたアルの尾のスカーフがクラールの上に被せられる。その直前にアルが口で鋏を抜き取った。僕はその鋏を受け取る。見覚えは当然ない。
『……変態の仕業ちゃうん』
『…………穢されたと言いたいのか、貴様』
『鋏……刺さってたとこ考えたら、そら…………仔犬に手ぇ出すようなん近くにおる思いたないけど』
『確かに鋏は膣を裂くように刺さっていたが……』
数十秒待ったがスカーフの下は動かない。捲ってみれば無傷のクラールが居たが、目を見開いたままピクリともしない。
『嘘……間に合わんかったん?』
「そんな……零が手間取ったから……?」
『違う…………私が……目を離したからだ』
そっと頬擦りをしてみると薄らと体温が返ってきたが、鼓動と呼吸はなかった。
『………………ヨグソトースっ! 今すぐ門を……』
立ち上がったそこは小屋の中ではなかった。
『ご機嫌よう』
上も下もない空間、ヴェールを被った僕の半分ほどの背丈の人型が目の前に居た。
『到達者であり獲得者であるあなたに発声の必要はありません。願いなさい。どの時間をどのようにしたいのか。アカシックレコードのどのページを差し替えたいのか……もちろん、あなたから破棄されたページも保存はしますが、あなたの世界には存在しないことになります』
ヴェールを被った人型は僕の後ろに回って僕の背を押した。落ちて、落ちて、落ちて──薔薇の香りを抜け、遡った。
「真っ白ね……私と同じ。あの人は白い毛好きなの? なら、どうして灰色なんて小汚いもの選んだの?」
『ゔぅぅ……』
靴紐で口を開かないようにされていながらもクラールは唸る。
「汚い声ね……あら、なぁに、このスカーフ」
ミーアは無表情のままクラールの口に巻いた靴紐を解き、スカーフも奪った。防護魔法は攻撃的な行動でなければ発動しないのだ、そうでなければ風呂の際に一々エアに解除させる手間がかかる。
『わぅっ……!? かえちぇ、かえーちぇえ! そぇ、おとーたぁ!』
「…………お父さんにもらったの?」
『おとーたん、ぇったい、はぅしちゃらめー、いってたのぉ!』
クラールはヘルに「外では絶対に外しちゃダメ」と言われたのだの主張し、返すように言う。
「………………ムカつく」
ミーアはクラールのピンと立った三角の耳を弾いて、赤い角を弾いて、鼻先を弾く。
『わぅっ……わんっ! わぅわぅ! いちゃい、れしょ! いちゃいことしちゃ、ぁめ!』
クラールは突然指で顔を弾かれたことに大して抗議する。
「……クラールちゃん、あなた……全然似てない。あの人に似てない……不細工ね。ねぇ、もっと不細工にしてあげようか」
ミーアは毛皮用の鋏を台所から持ってくるとクラールを小脇に抱えて自室の扉を閉めた。震える手でクラールの右耳を掴み、根元を少し残して切り落とした。
『きゃんっ!?』
「……っ、ふふ……不細工」
切り落とした耳を投げ捨て、状況を理解出来ないながらも逃げようと走るクラールを踏み付ける。
「…………何よ、目障りって。何で、私に刃物向けたのよ。あの雄は私のもんだったのに……何盗ってんのよ!」
『ぎゃんっ! きゃぅ……おとーたぁ……』
「そのお父さんは! 私を! 好きになるべきだったの! そうしたら娘はこんな醜い犬じゃなくて美しい猫混じりの人になってたのよ? こんな、ろくに話せもしない、バカなガキじゃなかった!」
地団駄のようにクラールを踏み付け、痛みに怯んだ小さな身体を掴み上げ、床に叩きつけ、屈んで押さえつける。
「…………どうして私こんなことしてるの?」
右前足を鋏で挟み、皮と肉を裂きながら、ミーアはふと我に返る。
散歩をしていたら偶然ヘルの姿を見つけて、声をかけようと近付いた。以前会った時に「目障り」と言われたこと、刀を向けられたことは覚えていた。しかしアレは自分を危険な戦いの場から退けようとした優しさだったのではないかと、その後ヘルが戦っていたことを知って思い、嬉しくなっていた。
だから何の躊躇もなく近寄っていったのだが、途中でアルが傍に居ることに気付いた。それだけなら少し苛立っただけだっただろう、しかしヘルはクラールを抱いていた。立ち聞きした彼らの雑談から二人が結婚していることを、子供まで居たことを知った。
ミーアは混乱して動けなくなったが、ヘルだけが小屋に入ったのを、アルとクラールが森林公園に向かったのを見て体が勝手に動いた。見つからないように森林の中を姿勢を低くして進み、二人を追った。
野生動物の多い森林公園では猫の獣人もアルの耳と鼻には野生動物として無視された。だから接近を許された。
「……ねぇ、クラールちゃん。お父さん好き?」
幸せそうな母娘を妬んだ。自分の想い人に妻と娘として花を届けるということが許せなかった。
『わぅ……? ちゅきぃ……おとーた、おとーたん! おとーたぁ……たしゅけちぇ』
「そう……私はね、多分そんなに好きじゃない」
見た目が好みなだけだった。簡単に落とせそうな女慣れしていない雰囲気が気に入った。案外と攻略が難しかったから燃えた。自分を守ろうとしてくれたところや芯の強さが好きになった。
ミーアにとってヘルはなんとなく放っておけないお気に入り、ただそれだけだった。ミーアにはアルのような深い愛情も激しい恋心もなかった。しかし、ミーアは人一倍嫉妬深く独占欲が強かった。
「でも……あなたのお父さんは、私の雄なの」
『きゃんっ! わぅっ……いちゃいぃ……おとーたっ、きゃぅっ、ぎゃんっ! きゃうんっ!』
ミーアは閉じた鋏を何度もクラールに向けて突き立てる。白い毛皮と白い手が赤く染まっていく。
「ホントならっ、あんたのお母さんにしてやりたいけどっ、あんな大きな魔獣に喧嘩売ったら殺されちゃうもの……」
こんなにも可愛く美しい猫混じりの獣人が好意を示してやったのに、醜い継ぎ接ぎの魔獣なんかに寝取られた。
そう感じたミーアはヘルに対する愛情ではなくアルに敗北したという悔しさを原動力として、自身の負けの証拠であるクラールに八つ当たりをしていた。
「……ほら、クラールちゃん。ここはあなたのお母さんにもあって、あなたが出てきたところなのよ。分かる? あなたのお母さんのここが悪いの、私からあの人を盗ったのよ」
血まみれの鋏を開き、片方の刃をクラールの中に刺し込む。
「きっとあんたもあんたのお母さんと同じでクソビッチなのよ。平気で人の雄寝取るようになるの。だからそうなる前にこの穴広げてあげる、そうすれば誰とも寝られないものね」
そしてゆっくりと刃を閉じていく。クラールの身体が裂けていく。クラールはもはや虫の息で、断末魔すら上げられず、ぴくぴくと手足を跳ねさせていた。
「ほら……もうガバガバ。手首だって入る……まだ子供のくせに」
ミーアはもう止まれない。アルへの妬みや恨みではなく加虐の悦びに目覚めていた。いや、ずっと前からその気はあった。
次はこの醜く大きく裂けた口を更に裂いてやろうか、そう考えてほぼ閉じた鋏を抜こうとして、異様な寒気を感じて飛び上がった。
『……昏……ァー、ルぅ?』
ベッドに飛び乗ったミーアは今の今まで自分が居た場所にポツンと立っている犬を見つける。半透明で短い茶色の毛の犬だ。ミーアは状況を理解出来ないまま、犬がクラールを咥えて消えていく様を眺めていた。
後に残るのは絨毯の上の血溜まり。鋏も一緒に持っていかれてしまった。ミーアは今の犬が何なのかということより、絨毯の汚れが取れるかどうかに頭を悩ませていた。
焦るアルを抱き締めてカヤを出した後の寒気を誤魔化す。
『どうしようっ、ヘル……どうすればいい? スカーフは巻いてあるから大丈夫だとは思うが、もし攫われていたとしたら、知能と手先の器用さを持つものだったら、外されてしまうかも……』
『落ち着いて、すぐカヤが連れて帰ってくれるから』
森林の中に入って見失ったのなら攫われた可能性は低い。連れて逃げたのならアルが気付くだろうし、人間の子供でもないのに身代金を要求出来るとは思わないだろうし、クラールを食おうとした野生動物ならスカーフで防げる。
僕も焦燥と心配の中にいたが、どこか落ち着いていた。
『……ほら、帰ってきた。おかえりカヤ、クラールは?』
寒気を感じ、半透明の犬を出迎える。広げた手の中に赤く染まった毛皮が落とされる。
『…………カヤ? 何これ』
隣でアルの絶叫が響いた。
カヤは僕に重なるようにして消えて、僕の質問には答えてくれなかった。鋏が刺さった白い毛皮はぴくぴくと動き、可愛らしい声を出した。
『おとー……た?』
『……………………クラール?』
四本の足に、尾。赤い角。確かにクラールだ。でも、クラールは目は潰れていないし、片耳が切れていたりしていなかった。
『おとー、たぁ、いちゃい……よ……』
『ヘルっ、ヘル、早く私のスカーフを解いて……零! このスカーフ……尾に巻いてあるスカーフを解け!』
クラールらしいズタボロの身体の横にアルの顔がくる。
『あぁ……クラールっ、どうしてこんな……酷い。一体誰が……』
零によって外されたアルの尾のスカーフがクラールの上に被せられる。その直前にアルが口で鋏を抜き取った。僕はその鋏を受け取る。見覚えは当然ない。
『……変態の仕業ちゃうん』
『…………穢されたと言いたいのか、貴様』
『鋏……刺さってたとこ考えたら、そら…………仔犬に手ぇ出すようなん近くにおる思いたないけど』
『確かに鋏は膣を裂くように刺さっていたが……』
数十秒待ったがスカーフの下は動かない。捲ってみれば無傷のクラールが居たが、目を見開いたままピクリともしない。
『嘘……間に合わんかったん?』
「そんな……零が手間取ったから……?」
『違う…………私が……目を離したからだ』
そっと頬擦りをしてみると薄らと体温が返ってきたが、鼓動と呼吸はなかった。
『………………ヨグソトースっ! 今すぐ門を……』
立ち上がったそこは小屋の中ではなかった。
『ご機嫌よう』
上も下もない空間、ヴェールを被った僕の半分ほどの背丈の人型が目の前に居た。
『到達者であり獲得者であるあなたに発声の必要はありません。願いなさい。どの時間をどのようにしたいのか。アカシックレコードのどのページを差し替えたいのか……もちろん、あなたから破棄されたページも保存はしますが、あなたの世界には存在しないことになります』
ヴェールを被った人型は僕の後ろに回って僕の背を押した。落ちて、落ちて、落ちて──薔薇の香りを抜け、遡った。
0
あなたにおすすめの小説
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです(完結)
わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。
対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。
剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。
よろしくお願いします!
(7/15追記
一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!
(9/9追記
三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン
(11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。
追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!
こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」
主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。
しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。
「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」
さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。
そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)
かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる