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第四十三章 国際連合に対抗する魔王連合
竜族の現状
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短期間で巨大に成長した幼竜にシェリーと名付けた。
シェリーは僕が竜の里に行きたいと話すと海に潜ってしまって、驚愕の連続を処理し切れなくなった僕はその場にただ佇むことしか出来なくなった。
『最悪です、もうっ……びしょびしょじゃないですか。兄君、何とかしてください』
喚くベルゼブブにライアーがしぶしぶ魔法で洗浄と乾燥を行っていると、再び水柱が上がった。
『きゅーぅいぃっ!』
高い鳴き声共に再び多量の水飛沫に襲われた僕達は再びびしょ濡れになった。もう風呂に入ったのと変わらないななんて思いつつシェリーを見上げれば、その大きく裂けた口に海底の石を詰め込んでいた。
『シェリー? それは……』
僕の足元に落とされた石は大小様々だ。シェリーはその石を口の先端で摘んで移動させ、円を描いていく。
『シェリー、これ円にすればいいんだよね、手伝って……大丈夫、かな?』
前世で出会ったシェリーは石粉で円を描き、竜の里への道を作っていた。ただ円を描くだけなら手伝うべきだが、魔法陣のような代物なら手伝うべきではない、後者だろうと思いつつも聞いてみたが、シェリーの返事がYESかNOかはよく分からない。
『…………大人しくしておくね』
手を出さないでいることを決めてもシェリーは何も言わなかった。不器用に石を並べていくシェリーを眺めるだけというのはなんとも言えない気まずさがあり、僕達は全員黙りこくっていた。
数分かけて大きな円が描かれるとその円の内側の地面が消え、液体の上に立っていたかのように沈んでいった。
『わ、わっ……! ぅわあっ! 痛た……地面?』
浮力が異常に小さい液体の中を落ちて、ようやく陸地に辿り着いた。地面には背の低い草が生い茂っており、ベルゼブブ達は僕の周りで僕と同じくキョロキョロと辺りを見回していた。
『きゅぅー……きゅうっ!?』
突如、頭上にシェリーが現れ、僕は咄嗟に透過を使って押し潰される未来を避けた。僕を踏んでしまったと思ったらしいシェリーは慌ててその場から離れ、無傷で立っている僕を見て安心したような鳴き声を上げて寄ってきた。
『よしよし、僕は大丈夫だよ……転んじゃうからあんまり押さないで』
頭を押し付けられてよろけつつ横目で兄達の様子を見る。兄は黒い液体に、ライアーは黒い砂に、ベルゼブブとマンモンは服をしわくちゃにしてはいるが無傷で顔を顰めていた。
『えっと……にいさま達、あれは大丈夫なのかな』
『知りませんよ。それより竜族探しましょう』
竜達は岩山に穴を掘って巣を作っていたなと考えつつ、ふとここが陸地であることを思い出し、シェリーを見上げた。
『あれ……シェリー、陸なのに平気なの?』
『竜の里だからかしら? 興味深いわねぇ……この場に満ちてる魔力、不思議だわぁ……』
僕の前世とその恋人……いや、恋竜と作り上げた空間──あらゆる竜族が平等に暮らせるまさに理想郷。悪魔にも不思議に思うのは長い年月を経て独自性でも生まれたからだろうか?
『……確かに、複数の属性が消し合わず混ざり合わず存在してるってのはとても不思議だ』
左隣に兄が立つ、再生が完了したようだ。
『その繋ぎが支配属性って訳だ』
右隣にライアーが割り込む。マンモンを若干突き飛ばす形になったため、彼に足を踏まれている。
『にいさま、竜がどこに居るか探知できる?』
『うん、ちょっと待ってね。にしても……潰された僕に対して何もないんだね』
どこか方位磁石に似た魔法陣が浮かび、針の役割を果たす細長い模様がぐるぐると回り始めた。
『……四方八方に居るみたいだね、近場に空間転移しようか』
『うん、ありがとうにいさま』
心配しなかったことでへそを曲げてしまっていたようなので、ご機嫌取りに笑顔を見せる。すると兄は目に見えて顔色を良くし、いつもより素早く魔法陣を描いた。
『…………わ、いっぱい居る』
浮遊感が終わって目を開ければ岩場で丸まって眠っている竜達がそこかしこに居た。体色や尾の先端の形、翼や角の形、そして水掻きの有無から、彼らが多種族入り乱れて昼寝をしていることが分かる。
『きゅーぅうーっ!』
どう起こそうか迷っているとシェリーが大きく鳴いた。眠っていた竜達は鎌首を上げて僕達を捉え、じりじりと後退していく。
『あ、あの、話がしたくて。僕は魔物使いなんだけど……』
竜達は顔を見合わせてシェリーと似た鳴き声を交わしている。
『あの、代表……みたいな人、いや、竜、いないかな』
きゅうきゅうぎゅいぎゅいと鳴き声が四方八方から聞こえてくるだけで、返事はこない。
『あの、魔物使い様? ちょっとこれまずい事態かもしれません』
『え? ベルゼブブ何言ってるか分かるの?』
敵対的な話をしているのだろうか。
『いえ、全く分かりません。普通もう少し分かるものなのですが……』
『……ずーっと竜だけでいたから人語の必要性が薄れてこっちの言葉が通じないんだな。それでも魔力の具合でなんとなく分かるはずなんだが、それも無理だ、方言キツイっつーか仲間内だけの暗号文っつーか』
言葉が違う異種族との会話で悪魔達に匙を投げられてはどうしようもない。竜の言葉を翻訳できる者なんて仲間にいない。
『シェリー、ちょっと伝えて欲しいんだ。僕が魔物使いってことと、ここを避難所として使いたいってこと』
言いながら頭上高くの瞳を見上げると、シェリーは首を下ろして僕の腹や胸に額を擦り付けてきた。
『……ダメそうですね』
『竜っつったらどの動物の言葉も覚えるめちゃくちゃ頭のいい生き物だが……頭悪くなってんなこれ』
『閉鎖的で非生産的な生活続けりゃそうなりますよね』
飼い主は飼い犬が散歩をしたいのか食事をしたいのか撫でられたいのかある程度分かる、時間からの推測を抜きにしてもだ。僕とシェリーの意思疎通はその程度だ。その程度では通訳なんて頼めない。
『どうするんです?』
『……話せないんじゃ疎開先にさせてなんて頼めないよね』
しかしこのまま帰る訳にも──思考の海に意識を落としかけたその瞬間、一回り大きな竜が大気を震わす雄叫びを上げた。
『きゅっ……!? きゅぃいっ!』
シェリーが慌てて僕を掴み、翼を広げて走り始める。数歩の助走で飛び立ったシェリーは水掻きのある手で僕を強く握り締めている……身体が軋んでいる、骨が折れそうだ。
『シェリーっ……! 苦し、い……ねぇ、どうしたの! 戻って!』
『それは悪手ですよ魔物使い様。竜達はどうやら私達を縄張りを侵す敵と認識したようで、シェリー様が逃げる選択をしなければ集中砲火を浴びていました』
いつの間にかベルゼブブがシェリーの手首に座っていた。流石の素早さだ。
『ベルゼブブ、にいさま達は?』
『ここです』
その手にはマンモンの鞄があった。三人とも中に居るのだろう。
『竜と会話する方法を探らなきゃ。とりあえず帰ろっか、シェリー、帰れる?』
『きゅぅいっ!』
真上に向かっての急旋回により僕に負荷がかかる、それどころか旋回の負荷と真上に向かって飛ぶ負荷に耐えるシェリーが手に力を込め始めた。
『竜と会話…………心当たりはありますが』
『どんなでもいいよ、言って』
『……なんかバキバキ言ってません?』
僕の骨が折れる音だ、分かっているだろうに。痛覚は消してあるが骨が折れる瞬間に全身に響く振動は慣れないな。
『クソトカゲ……ぁー、サタン、サタンですよ。あのクソトカゲ、実はトカゲじゃなくて竜なんです』
『トカゲだと思ったことないよ……ぁ、もしかして彼、竜と話せる?』
『かもってだけですよ。私、ただの虫とは会話できませんし。でもマンモンは鳥と会話できますし』
虫にはそもそも会話できるだけの知能がないのでは、そう言ったら虫の姿を取るベルゼブブを馬鹿にしていると思われるだろうか。
『鳥と会話かぁ……なんか可愛いね』
『腹減ったとか眠いとかそんなんでしょ、脳ミソ小さいんですから』
虫の方がずっと小さい、そう言ったら──
『きゅうっ! きゅいきゅぃ!』
シェリーの声に進行方向を見上げてみれば雲に円形の穴が空いていた。そこに到達すると液体に包まれたような感覚があって、数秒すると僕達は酒色の国の港に戻っていた。
『帰ってきた……ね。サタンとなると魔界の底かぁ……』
僕を丁寧に地面に下ろし、水柱を上げて海に飛び込んだシェリーは再生途中の僕の姿を見て悲痛な声を上げていた。握り締めていた時に僕が壊れている感触はなかったのだろうか。平気だからと慰めているとベルゼブブが投げ捨てた鞄が開き、マンモンと兄達が出てきた。
『サタン様なら俺が伝言しとくぜ。戦争についても報告あるし』
『お願い。いつ頃になりそうかな』
『俺はこの後行くつもりだが……サタン様がいつ動くかは正直分からないのよねぇ、サタン様のご機嫌次第かしら』
『……早めにって言えたら言っておいて』
マンモンを見送り、シェリーと別れ、ヴェーン邸に戻った。玄関前に転移し、一旦休むかと思ったのも束の間、門の外から僕を呼ぶ声が聞こえた。
シェリーは僕が竜の里に行きたいと話すと海に潜ってしまって、驚愕の連続を処理し切れなくなった僕はその場にただ佇むことしか出来なくなった。
『最悪です、もうっ……びしょびしょじゃないですか。兄君、何とかしてください』
喚くベルゼブブにライアーがしぶしぶ魔法で洗浄と乾燥を行っていると、再び水柱が上がった。
『きゅーぅいぃっ!』
高い鳴き声共に再び多量の水飛沫に襲われた僕達は再びびしょ濡れになった。もう風呂に入ったのと変わらないななんて思いつつシェリーを見上げれば、その大きく裂けた口に海底の石を詰め込んでいた。
『シェリー? それは……』
僕の足元に落とされた石は大小様々だ。シェリーはその石を口の先端で摘んで移動させ、円を描いていく。
『シェリー、これ円にすればいいんだよね、手伝って……大丈夫、かな?』
前世で出会ったシェリーは石粉で円を描き、竜の里への道を作っていた。ただ円を描くだけなら手伝うべきだが、魔法陣のような代物なら手伝うべきではない、後者だろうと思いつつも聞いてみたが、シェリーの返事がYESかNOかはよく分からない。
『…………大人しくしておくね』
手を出さないでいることを決めてもシェリーは何も言わなかった。不器用に石を並べていくシェリーを眺めるだけというのはなんとも言えない気まずさがあり、僕達は全員黙りこくっていた。
数分かけて大きな円が描かれるとその円の内側の地面が消え、液体の上に立っていたかのように沈んでいった。
『わ、わっ……! ぅわあっ! 痛た……地面?』
浮力が異常に小さい液体の中を落ちて、ようやく陸地に辿り着いた。地面には背の低い草が生い茂っており、ベルゼブブ達は僕の周りで僕と同じくキョロキョロと辺りを見回していた。
『きゅぅー……きゅうっ!?』
突如、頭上にシェリーが現れ、僕は咄嗟に透過を使って押し潰される未来を避けた。僕を踏んでしまったと思ったらしいシェリーは慌ててその場から離れ、無傷で立っている僕を見て安心したような鳴き声を上げて寄ってきた。
『よしよし、僕は大丈夫だよ……転んじゃうからあんまり押さないで』
頭を押し付けられてよろけつつ横目で兄達の様子を見る。兄は黒い液体に、ライアーは黒い砂に、ベルゼブブとマンモンは服をしわくちゃにしてはいるが無傷で顔を顰めていた。
『えっと……にいさま達、あれは大丈夫なのかな』
『知りませんよ。それより竜族探しましょう』
竜達は岩山に穴を掘って巣を作っていたなと考えつつ、ふとここが陸地であることを思い出し、シェリーを見上げた。
『あれ……シェリー、陸なのに平気なの?』
『竜の里だからかしら? 興味深いわねぇ……この場に満ちてる魔力、不思議だわぁ……』
僕の前世とその恋人……いや、恋竜と作り上げた空間──あらゆる竜族が平等に暮らせるまさに理想郷。悪魔にも不思議に思うのは長い年月を経て独自性でも生まれたからだろうか?
『……確かに、複数の属性が消し合わず混ざり合わず存在してるってのはとても不思議だ』
左隣に兄が立つ、再生が完了したようだ。
『その繋ぎが支配属性って訳だ』
右隣にライアーが割り込む。マンモンを若干突き飛ばす形になったため、彼に足を踏まれている。
『にいさま、竜がどこに居るか探知できる?』
『うん、ちょっと待ってね。にしても……潰された僕に対して何もないんだね』
どこか方位磁石に似た魔法陣が浮かび、針の役割を果たす細長い模様がぐるぐると回り始めた。
『……四方八方に居るみたいだね、近場に空間転移しようか』
『うん、ありがとうにいさま』
心配しなかったことでへそを曲げてしまっていたようなので、ご機嫌取りに笑顔を見せる。すると兄は目に見えて顔色を良くし、いつもより素早く魔法陣を描いた。
『…………わ、いっぱい居る』
浮遊感が終わって目を開ければ岩場で丸まって眠っている竜達がそこかしこに居た。体色や尾の先端の形、翼や角の形、そして水掻きの有無から、彼らが多種族入り乱れて昼寝をしていることが分かる。
『きゅーぅうーっ!』
どう起こそうか迷っているとシェリーが大きく鳴いた。眠っていた竜達は鎌首を上げて僕達を捉え、じりじりと後退していく。
『あ、あの、話がしたくて。僕は魔物使いなんだけど……』
竜達は顔を見合わせてシェリーと似た鳴き声を交わしている。
『あの、代表……みたいな人、いや、竜、いないかな』
きゅうきゅうぎゅいぎゅいと鳴き声が四方八方から聞こえてくるだけで、返事はこない。
『あの、魔物使い様? ちょっとこれまずい事態かもしれません』
『え? ベルゼブブ何言ってるか分かるの?』
敵対的な話をしているのだろうか。
『いえ、全く分かりません。普通もう少し分かるものなのですが……』
『……ずーっと竜だけでいたから人語の必要性が薄れてこっちの言葉が通じないんだな。それでも魔力の具合でなんとなく分かるはずなんだが、それも無理だ、方言キツイっつーか仲間内だけの暗号文っつーか』
言葉が違う異種族との会話で悪魔達に匙を投げられてはどうしようもない。竜の言葉を翻訳できる者なんて仲間にいない。
『シェリー、ちょっと伝えて欲しいんだ。僕が魔物使いってことと、ここを避難所として使いたいってこと』
言いながら頭上高くの瞳を見上げると、シェリーは首を下ろして僕の腹や胸に額を擦り付けてきた。
『……ダメそうですね』
『竜っつったらどの動物の言葉も覚えるめちゃくちゃ頭のいい生き物だが……頭悪くなってんなこれ』
『閉鎖的で非生産的な生活続けりゃそうなりますよね』
飼い主は飼い犬が散歩をしたいのか食事をしたいのか撫でられたいのかある程度分かる、時間からの推測を抜きにしてもだ。僕とシェリーの意思疎通はその程度だ。その程度では通訳なんて頼めない。
『どうするんです?』
『……話せないんじゃ疎開先にさせてなんて頼めないよね』
しかしこのまま帰る訳にも──思考の海に意識を落としかけたその瞬間、一回り大きな竜が大気を震わす雄叫びを上げた。
『きゅっ……!? きゅぃいっ!』
シェリーが慌てて僕を掴み、翼を広げて走り始める。数歩の助走で飛び立ったシェリーは水掻きのある手で僕を強く握り締めている……身体が軋んでいる、骨が折れそうだ。
『シェリーっ……! 苦し、い……ねぇ、どうしたの! 戻って!』
『それは悪手ですよ魔物使い様。竜達はどうやら私達を縄張りを侵す敵と認識したようで、シェリー様が逃げる選択をしなければ集中砲火を浴びていました』
いつの間にかベルゼブブがシェリーの手首に座っていた。流石の素早さだ。
『ベルゼブブ、にいさま達は?』
『ここです』
その手にはマンモンの鞄があった。三人とも中に居るのだろう。
『竜と会話する方法を探らなきゃ。とりあえず帰ろっか、シェリー、帰れる?』
『きゅぅいっ!』
真上に向かっての急旋回により僕に負荷がかかる、それどころか旋回の負荷と真上に向かって飛ぶ負荷に耐えるシェリーが手に力を込め始めた。
『竜と会話…………心当たりはありますが』
『どんなでもいいよ、言って』
『……なんかバキバキ言ってません?』
僕の骨が折れる音だ、分かっているだろうに。痛覚は消してあるが骨が折れる瞬間に全身に響く振動は慣れないな。
『クソトカゲ……ぁー、サタン、サタンですよ。あのクソトカゲ、実はトカゲじゃなくて竜なんです』
『トカゲだと思ったことないよ……ぁ、もしかして彼、竜と話せる?』
『かもってだけですよ。私、ただの虫とは会話できませんし。でもマンモンは鳥と会話できますし』
虫にはそもそも会話できるだけの知能がないのでは、そう言ったら虫の姿を取るベルゼブブを馬鹿にしていると思われるだろうか。
『鳥と会話かぁ……なんか可愛いね』
『腹減ったとか眠いとかそんなんでしょ、脳ミソ小さいんですから』
虫の方がずっと小さい、そう言ったら──
『きゅうっ! きゅいきゅぃ!』
シェリーの声に進行方向を見上げてみれば雲に円形の穴が空いていた。そこに到達すると液体に包まれたような感覚があって、数秒すると僕達は酒色の国の港に戻っていた。
『帰ってきた……ね。サタンとなると魔界の底かぁ……』
僕を丁寧に地面に下ろし、水柱を上げて海に飛び込んだシェリーは再生途中の僕の姿を見て悲痛な声を上げていた。握り締めていた時に僕が壊れている感触はなかったのだろうか。平気だからと慰めているとベルゼブブが投げ捨てた鞄が開き、マンモンと兄達が出てきた。
『サタン様なら俺が伝言しとくぜ。戦争についても報告あるし』
『お願い。いつ頃になりそうかな』
『俺はこの後行くつもりだが……サタン様がいつ動くかは正直分からないのよねぇ、サタン様のご機嫌次第かしら』
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