俺の名前は今日からポチです

ムーン

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うぇっとすーつ、じゅうご

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何もなくとも雪兎のものをきゅうっと咥え込んでいたのに、へその下あたりで手を組まれて腰を持ち上げるように押され、それだけで俺は絶頂しかけたというのに、雪兎はそんなことを考慮せずゆっくりと陰茎を引き抜く。

「んっ、ぅうぅっ……ぅあぁっ!  ぁ、あっ……」

分からない。息を吸うタイミングも、吐くタイミングも、声をどこで出せばいいのか分からない。
雪兎が俺の状態を気にすることはなく、手によって与えられる圧迫感と抜き挿しの遅さは少しずつ増していく。これが俺だけの感覚なのか、雪兎の行為なのかすら分からない。

「ふぅっ!  ふっ、ぅうっ……ぁ、やっ、く…………はやくっ……」

呼吸のタイミングはようやく分かってきたが、長く続く絶頂寸前の快感に焦らされ、上手く話すことは出来ない。

「んー……僕もさぁ、ちょっとそろそろ……キツイんだよね。でも、ポチにはもっとめちゃくちゃに感じて欲しくてさぁ」

下腹を圧迫していた手が一つに減り、その一つはウェットスーツの中に潜り込むとはち切れそうな俺の陰茎に触れた。亀頭だけに指の腹が微かに触れる、その間も抜き挿しは止まらないし、圧迫は弱まらない。

「ぁあっ、あっ、ふぁああっ……ゃあぁ……」

「限界まで焦らして、一気に刺激を強めたら……それを連続させれば、ずーっとイっちゃうよね?  連続で、休みなく、イっちゃうよね?」

「あっ……?  ぁ、ゃ、やらぁっ、そんなっ、やぁ……」

耳元で囁かれて思考が蕩ける。だが、休みなく絶頂させ続けられるということが、好意が終わった後も俺に変化をもたらすかもしれないとは考えられて、ただただ単純な未知への恐怖が煽られた。

「ポチはぁ、僕にぃ、気持ちよくしてもらうことしか考えられなくなるの」

そして同時に未知への好奇心も煽られる。

「ポチの頭の中は僕で埋まるの。そう、ユキ様、ユキ様……ユキ様に抱かれたい、ユキ様に犯されたい、ユキ様にイかされたい…………そんなことしか考えられなくなる、ご飯の時も、お風呂の時も、僕が居ない時も……ずーっと、僕のことしか考えられなくなる」

何より強いのは快楽への欲望だ。

「ゆきさまぁっ……!」

「そうだよ、僕……君には僕しかいない。君の名前はポチ、僕のペット」

ゆっくりと陰茎を引き抜きながら、いつも以上に落ち着いた甘い声で囁く。俺は身体の一部が奪われていくような感覚を味わいながら、亀頭への微かな刺激に喘ぐ。

「可愛い可愛い僕のペット……全身で僕を感じて、僕でイって」

再び奥を突くために雪兎の陰茎が俺の中を割り進む。雪兎の声を聞いて蕩けた俺はその鈍重な刺激で絶頂した。
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