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陽光と雀の声
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チュンチュンと雀の可愛らしい鳴き声。そちらに目をやれば明るい陽光が差し込む窓があった。
「……寝ちゃってたのか」
昨日、暴発したりしつつも何とかシンヤを抱いて、少し休もうと寝転がり、シンヤを抱き締めて瞼を閉じて──気付けば朝だった。
「シンヤくん……」
腕に重みがある。布団をめくるとシンヤのあどけない寝顔があった。恋人との初夜を終え、自分の腕枕で眠る姿を朝に見る。これほどまでに幸せなことがあるだろうか。
「……君となら、僕は……何があったって生きていける気がする」
僕は一般的な幸せな家庭で無気力に育ったつまらない人間だから、受験や就職に失敗したり仕事に就いてもクビになったりした程度であまり躊躇わず首を括ってしまうだろう。シンヤに出会うまではそう思っていた。
「僕を人間にしてくれたのは君なんだよ、シンヤくん……人を愛することを教えてくれてありがとう」
黒い髪を撫でながら臭いセリフを吐き、一人で勝手に恥ずかしくなっているとシンヤがうっすらと目を開けて微笑んだ。
「ひろ、くん……♡」
寝起きのあやふやな呂律で僕を呼び、僕の胸に頭を寄せる。もう起きた方がいい時間だと分かっていたけれど、僕はシンヤを抱き締めて二度寝した。
両親は起こしに来なかった。まさか昨晩の声が聞こえていたりして、気を遣われているのではと背筋に寒気が走った。
「ふわぁ……もう昼前かぁ、寝過ぎちゃった」
「昨日ので疲れちゃった? 可愛かったよ」
「ヒロくん……♡ ヒロくんも可愛かったよ♡」
シンヤに限って他意はないのだろうが、どうにもバカにされているように感じてしまう。もっと素直にならないとな。
「布団汚しちゃったな……どうしよう」
コンドームの処理もせず眠ってしまったため、眠っている間に陰茎からコンドームが外れて中の精液が布団に零れてしまったようだ。もうティッシュではどうしようもないカピカピの汚れになっている。
「……お風呂入ろうか」
二度寝の寝起きの頭は働かない。僕は部屋の露天風呂にシンヤを連れて行った。湯を被って目を覚まし、汗を流してシンヤに絡み、また汗をかいた。
「ぁんっ……♡ んんっ♡♡ ヒロくんっ……中出し、してないんだからぁ……♡ ぁ♡ ナカっ、そんな見なくてもぉ……♡♡」
立たせたシンヤの尻たぶを優しく掴んで割れ目を開き、後孔を拡げてナカを観察する。これはシンヤの後孔を傷付けてしまわなかったかの確認だ。決してやましい気持ちだけでおこなっている訳ではない、もちろんやましい気持ちもあるが。
「ちょっと縁赤くなっちゃってたよ。擦り過ぎかな、次する時はローション増やそうね」
「次……♡ うん♡」
「お昼ご飯食べたらまた外に遊びに行こう、デートだよデート」
「……うん♡♡」
うっとりとした表情で僕を見つめるシンヤに照れながら、僕はちゃんとしたプロポーズはいつ行おうかと未来に思いを馳せた。
「……寝ちゃってたのか」
昨日、暴発したりしつつも何とかシンヤを抱いて、少し休もうと寝転がり、シンヤを抱き締めて瞼を閉じて──気付けば朝だった。
「シンヤくん……」
腕に重みがある。布団をめくるとシンヤのあどけない寝顔があった。恋人との初夜を終え、自分の腕枕で眠る姿を朝に見る。これほどまでに幸せなことがあるだろうか。
「……君となら、僕は……何があったって生きていける気がする」
僕は一般的な幸せな家庭で無気力に育ったつまらない人間だから、受験や就職に失敗したり仕事に就いてもクビになったりした程度であまり躊躇わず首を括ってしまうだろう。シンヤに出会うまではそう思っていた。
「僕を人間にしてくれたのは君なんだよ、シンヤくん……人を愛することを教えてくれてありがとう」
黒い髪を撫でながら臭いセリフを吐き、一人で勝手に恥ずかしくなっているとシンヤがうっすらと目を開けて微笑んだ。
「ひろ、くん……♡」
寝起きのあやふやな呂律で僕を呼び、僕の胸に頭を寄せる。もう起きた方がいい時間だと分かっていたけれど、僕はシンヤを抱き締めて二度寝した。
両親は起こしに来なかった。まさか昨晩の声が聞こえていたりして、気を遣われているのではと背筋に寒気が走った。
「ふわぁ……もう昼前かぁ、寝過ぎちゃった」
「昨日ので疲れちゃった? 可愛かったよ」
「ヒロくん……♡ ヒロくんも可愛かったよ♡」
シンヤに限って他意はないのだろうが、どうにもバカにされているように感じてしまう。もっと素直にならないとな。
「布団汚しちゃったな……どうしよう」
コンドームの処理もせず眠ってしまったため、眠っている間に陰茎からコンドームが外れて中の精液が布団に零れてしまったようだ。もうティッシュではどうしようもないカピカピの汚れになっている。
「……お風呂入ろうか」
二度寝の寝起きの頭は働かない。僕は部屋の露天風呂にシンヤを連れて行った。湯を被って目を覚まし、汗を流してシンヤに絡み、また汗をかいた。
「ぁんっ……♡ んんっ♡♡ ヒロくんっ……中出し、してないんだからぁ……♡ ぁ♡ ナカっ、そんな見なくてもぉ……♡♡」
立たせたシンヤの尻たぶを優しく掴んで割れ目を開き、後孔を拡げてナカを観察する。これはシンヤの後孔を傷付けてしまわなかったかの確認だ。決してやましい気持ちだけでおこなっている訳ではない、もちろんやましい気持ちもあるが。
「ちょっと縁赤くなっちゃってたよ。擦り過ぎかな、次する時はローション増やそうね」
「次……♡ うん♡」
「お昼ご飯食べたらまた外に遊びに行こう、デートだよデート」
「……うん♡♡」
うっとりとした表情で僕を見つめるシンヤに照れながら、僕はちゃんとしたプロポーズはいつ行おうかと未来に思いを馳せた。
応援ありがとうございます!
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みんなの感想(7件)
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まだ97話目までしか読めてないんですが、、、最高なカップルですね!!!!?ヒロくんのS精神天然理解しすぎてて相手を思う気持ち尊すぎます!でもシンヤくんも可愛いくて尊!97話での急な攻めムーブも最高すぎました!この先にもまたあるのかな??期待しながら読み進めたいと思います。
感想ありがとうございます!!
宿泊学習の辺りですね、最高と言っていただけてとても嬉しいです!!! ヒロくんのSっ気と思いやりは魅力として書いているつもりなので、そう言っていただけてとても嬉しいです!
男感が強いのはシンヤくんなので、可愛さの影にそういうところ出ていると思います。
執筆頑張ります!!
感想失礼します
拝見させて頂きました!
とても面白いしもえました!(色んな意味でw)
このカプは最高ですね!
正直シンヤくんの親は好きじゃないし
ざまぁされろとか思いますが
ヒロくんが守っているみたいでよかったです
そのうち親の方は徹底的に負かして
シンヤくんの前に現れないようにしたいですねw
色々言いましてすいません💦
これからも応援しております!
頑張ってください!
感想失礼しました
感想ありがとうございます!!
面白いと言っていただけて嬉しいです!
シンヤくんの親は嫌な感じで書いてます。
ざまぁパートあるとしたらかなり最後の方ですかね、スッキリ出来るものになるかは分かりませんが……
とりあえず今もシンヤくんはヒロくんのおかげで幸せですw
応援ありがとうございます!
これからも頑張っていきます!!💪
シンヤくん、ヒロくんから面と向かって“嫌い”を突きつけられて
「ついに自傷くるか?!」
って思ったらすぐ仲直りして
「焦ったぁ、いちゃいちゃ可愛い」
って思ったらシンヤくん可哀想に...可愛い死んだ目しちゃっててもう情緒がぶっ壊れます()
ヒロくん、自分だけじゃなく、シンヤくんとの関係が壊れてシンヤくんのこと傷つけてしまう心配もあってやったことなんでしょうけど、不器用最高です可愛い😍
喧嘩をするには信頼が足りない、、、まさにその通り。゚(゚´ω`゚)゚。
感想ありがとうございます!!
シンヤくん、嫌いなのかな↓ 嫌いではないんだ↑ でも人には知られたくないんだ……↓ って感じに上下しちゃってます。
死んだ目可愛いですよね……!
ヒロくんへの理解度すごくて嬉しいです……! ヒロくんは他人をすごく警戒しているので、人前でイチャつきたくないんですよね……シンヤくんはヒロくん以外気にしないので食い違っちゃいます。
事前に話し合っておけば大丈夫だったので、本当に信頼足りないんです。
信頼upイベントご用意してます!(ง •̀ω•́)ง✧