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だから何の問題もない
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いくらねだってもアルマは俺の頭を撫でる程度しかしない、アルマもネメスィもカタラも話し合ってばかりで俺を抱いてくれない。
「人間、お前らに心当たりはあるのか?」
「全っ然ないな。強いて言えば大金持ちさんに何かされたとかか? 薬でも打てばああなるだろ」
アルマの腕を抜け出して森の魔物にでも抱かれようと思ったが、アルマは俺を離してもくれない。いくら暴れてもインキュバスの力ではオーガに抗えない。
「俺にはある。女神だ」
「……女神ぃ?」
「あぁ、サクに取り憑いて女神を自称している化け物だ」
やはりアルマを欲情させる方向で行こうとアルマの性器に手を伸ばしたが、両手首まとめてアルマの右手に押さえられてしまった。
「お前を生き返らせるなんて嘯いてサクに何かをさせたようだが……よく分からん、何か契約のようなものだとは思うが」
「俺はその女神とやらに生き返らせられたのか? いや、だが……首が取れただけだ、疑死の範囲だぞ」
「違う、お前が生き返ったのは魔神王の力だ。まさか最上級の婚姻の契約をしていたとはな……もっと早く気付くべきだった、魔神王の属性の一部が顕現するような契約なんてするはずがないと思い込んでいたからな」
「……ただの伝統の儀式だと思っていたが、何か効力があるのか?」
「伝統? あんな呪いをか? アレは触れ合うだけで互いを滅ぼしかねない異種族すらも交われるようになる契約だ。寿命がかけ離れ過ぎた異種族の婚姻のため、寿命は折半されることになっている。どちらか一方が事故や他殺で死んだ場合は、死体が欠片でも残っている限りもう一方の魔力を吸って甦ろうとする……足りなければ時間差の心中だ」
尻尾で刺激してやろうとアルマの陰茎に巻き付けたが、カタラの術で尻尾を身体に縛られてしまった。もう俺には羽をパタパタ揺らして抗議することしかできない。
「寿命を折半……!? オーガの寿命は五十年もないぞ、俺はあと三十年もない……インキュバスの寿命はどうなんだ、俺はまさかサクの寿命を縮めてしまったんじゃ……!」
「オーガは肉体に重きを置いた魔物だが、インキュバスは霊体に重きを置いた魔物だ、だから身体が変形するような性交が出来る…………インキュバスに決まった寿命はない、半不老不死だ。肉体が脆すぎるからすぐに死ぬがな」
「そ、そうか……よかった」
しかしどれだけ羽を揺らしてアルマの顔に当てても彼らの小難しい話を邪魔することさえできない。
「…………ネメスィ、お前詳し過ぎないか? 魔物の寿命はともかく、魔物の婚姻の詳細なんてどの本にも載ってなかった、俺は存在すら知らなかった。なんでそんなに詳しいんだよ」
「……今はいいだろう、そんな話」
「よくねぇよ! 女神なんてとち狂ったこと相棒が言い出したんだぞ!? サクがおかしくなった原因……お前じゃないのか? お前、実はネメスィじゃないんじゃないか? サクがお前の偽物見たって言ってたぞ」
「バカを言うな、俺はネメスィ、ネメスィ・ルーラー、勇者だ」
こうなったら媚薬効果のある精液をかけて発情してもらおう。綺麗に割れたアルマの腹筋に性器を擦り付けていれば出るだろう。
「おい、仲間割れをするなよ……」
「お前には偽物も本物も分かんねぇだろ! そうだ、本物のネメスィなら電撃を無詠唱で出せるはずだ。そこの木に当ててみろよ!」
「…………いいだろう」
アルマの腹に性器を擦り付け始めてすぐ、彼は俺を引っくり返して性器に何も触れない状態にしてしまった。
「…………ふ、んっ……本物みたいだな」
「だから言っただろう、無駄な力を使わせるな」
「じゃあ何でお前はそんなに色んなことに詳しいんだよ! 納得はまだいってないぞ!」
「……人間、今はサクの話を」
「黙ってろウスラデカ男!」
いくら腰を揺らしても意味がない。尻尾も手も動かせなければ本格的に何も出来ない。困ったな、どうしよう。
「ずっと前から思ってたんだ、お前は変だって! お前は俺ですら出来ないのに魔樹の位置を完璧に探知できる! 魔樹の実さえ食ってれば何日も何も食わなくても平気な顔してるのもおかしい! 俺が体の一部失ってもお前が治療するって言ったあと起きたら治ってる! 人間はどれだけ鍛えても馬車をずっと引いたりできないし無詠唱で電撃なんか出せない!」
「…………カタラ、そんなに俺に不満があったのか。幼馴染みだろう、どうして何も言ってくれなかったんだ」
「お前がずっと隠してんだろ、ちょっと聞いたらはぐらかすし困ったら気絶させるし! それでも今まで何とかやれてたけど……魔物の婚姻に詳しい、女神なんて言い出す……もうたくさんだ! お前は俺が他に何年も研究してることの答えも知ってるんだろ! バカにしやがって……!」
「お、おい、喧嘩するな。あぁもう聞こえていないな……サク、何か身体に変化はないか?」
蚊帳の外に放り出されたらしいアルマが話しかけてくる。俺はあえてぷいっと顔を背けて見せた。
「カタラ…………俺は確かにお前に嘘をついている。けれど、お前への友情は本物だ、お前を信頼しているのも……カタラ、これまで通り俺に着いてきてくれないか?」
「嘘つかれたまんま相棒でいられる訳ないだろ!? お前が今ここでその嘘を話してくれたらっ、俺は……多分、留まれたのに……」
「お、おいっ、カタラ!」
「俺は王都に戻る! サクに使った薬を見つけるんだ、あの家調べりゃいくらでも出てくる! お前は居もしない女神のケツでも追っかけてろ! オーガ! しっかりサク守っとけよ!」
「カタラっ、待て! カタラ! カタラっ……!」
顔を背け続けて「無視しないでくれ」とアルマが涙目になった頃合いを見計らって抱くように頼んだが、アルマは悩むことなく首を横に振った。本当に拗ねてしまいそうだ。
「…………人間、追わなくていいのか」
「追ったところで戻ってくるとは思えない。ここから王都までなら魔物も大して居ないし野垂れ死にはしないだろう、後で連れ戻す。こっちはこっちでサクについてゆっくり考えよう」
「サクについては賛成だが、先にお前が何なのか教えてくれないか? 何かも分からない生き物に大切な伴侶を近付けたくない。あの友人には長年の積み重ねがあったかもしれないが、会ったばかりの俺になら話せるだろう? サクはこの通り何も聞いていないし、俺も彼に言ったりしない、話せ、人間もどき」
「俺は…………スライムに似たショゴスという名の生物を材料としたデミゴッドだだ」
「……よく分からんな」
「自然発生する森のスライムとは違う、環境に合わせあらゆる器官を作り出す万能細胞の集まりの生物がショゴスだ。俺の父はとある神性の特徴をプログラムし、それに載せ、俺を作った。そいつが雷神だったから俺は雷を扱える。ただ俺は失敗作らしくてな、父は俺を捨てた。父の弟は俺を憐れんで引き取ろうとしてくれたが……カタラ含め、孤児院やその周りで上手くやれていたからな、断った」
「神性のコピーだから女神とやらの存在も感知できたと……なら、婚姻の契約に詳しいのは何故だ? オーガでは伝承されていたが、本来は人間は知らない高等なものなのだろう?」
「…………叔父上が魔神王だからだ。魔神王アマルガム、彼は俺の叔父上だ。だからサクとお前を繋いだ魔神王の魔力の属性から効力を推察した、さっきは偉そうに言ったが俺の推察が完璧だとは限らない」
「なっ……!? 魔神王が叔父!? 魔神王なんて物語の存在だぞ……流石にそれは嘘だろう?」
「証明する手段はない」
本当に拗ねていたがアルマは話しかけてすらくれなかった。しかし何故かカタラの術は解けたので、アルマの性器に尻尾を絡ませた。
「人間、お前らに心当たりはあるのか?」
「全っ然ないな。強いて言えば大金持ちさんに何かされたとかか? 薬でも打てばああなるだろ」
アルマの腕を抜け出して森の魔物にでも抱かれようと思ったが、アルマは俺を離してもくれない。いくら暴れてもインキュバスの力ではオーガに抗えない。
「俺にはある。女神だ」
「……女神ぃ?」
「あぁ、サクに取り憑いて女神を自称している化け物だ」
やはりアルマを欲情させる方向で行こうとアルマの性器に手を伸ばしたが、両手首まとめてアルマの右手に押さえられてしまった。
「お前を生き返らせるなんて嘯いてサクに何かをさせたようだが……よく分からん、何か契約のようなものだとは思うが」
「俺はその女神とやらに生き返らせられたのか? いや、だが……首が取れただけだ、疑死の範囲だぞ」
「違う、お前が生き返ったのは魔神王の力だ。まさか最上級の婚姻の契約をしていたとはな……もっと早く気付くべきだった、魔神王の属性の一部が顕現するような契約なんてするはずがないと思い込んでいたからな」
「……ただの伝統の儀式だと思っていたが、何か効力があるのか?」
「伝統? あんな呪いをか? アレは触れ合うだけで互いを滅ぼしかねない異種族すらも交われるようになる契約だ。寿命がかけ離れ過ぎた異種族の婚姻のため、寿命は折半されることになっている。どちらか一方が事故や他殺で死んだ場合は、死体が欠片でも残っている限りもう一方の魔力を吸って甦ろうとする……足りなければ時間差の心中だ」
尻尾で刺激してやろうとアルマの陰茎に巻き付けたが、カタラの術で尻尾を身体に縛られてしまった。もう俺には羽をパタパタ揺らして抗議することしかできない。
「寿命を折半……!? オーガの寿命は五十年もないぞ、俺はあと三十年もない……インキュバスの寿命はどうなんだ、俺はまさかサクの寿命を縮めてしまったんじゃ……!」
「オーガは肉体に重きを置いた魔物だが、インキュバスは霊体に重きを置いた魔物だ、だから身体が変形するような性交が出来る…………インキュバスに決まった寿命はない、半不老不死だ。肉体が脆すぎるからすぐに死ぬがな」
「そ、そうか……よかった」
しかしどれだけ羽を揺らしてアルマの顔に当てても彼らの小難しい話を邪魔することさえできない。
「…………ネメスィ、お前詳し過ぎないか? 魔物の寿命はともかく、魔物の婚姻の詳細なんてどの本にも載ってなかった、俺は存在すら知らなかった。なんでそんなに詳しいんだよ」
「……今はいいだろう、そんな話」
「よくねぇよ! 女神なんてとち狂ったこと相棒が言い出したんだぞ!? サクがおかしくなった原因……お前じゃないのか? お前、実はネメスィじゃないんじゃないか? サクがお前の偽物見たって言ってたぞ」
「バカを言うな、俺はネメスィ、ネメスィ・ルーラー、勇者だ」
こうなったら媚薬効果のある精液をかけて発情してもらおう。綺麗に割れたアルマの腹筋に性器を擦り付けていれば出るだろう。
「おい、仲間割れをするなよ……」
「お前には偽物も本物も分かんねぇだろ! そうだ、本物のネメスィなら電撃を無詠唱で出せるはずだ。そこの木に当ててみろよ!」
「…………いいだろう」
アルマの腹に性器を擦り付け始めてすぐ、彼は俺を引っくり返して性器に何も触れない状態にしてしまった。
「…………ふ、んっ……本物みたいだな」
「だから言っただろう、無駄な力を使わせるな」
「じゃあ何でお前はそんなに色んなことに詳しいんだよ! 納得はまだいってないぞ!」
「……人間、今はサクの話を」
「黙ってろウスラデカ男!」
いくら腰を揺らしても意味がない。尻尾も手も動かせなければ本格的に何も出来ない。困ったな、どうしよう。
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「…………カタラ、そんなに俺に不満があったのか。幼馴染みだろう、どうして何も言ってくれなかったんだ」
「お前がずっと隠してんだろ、ちょっと聞いたらはぐらかすし困ったら気絶させるし! それでも今まで何とかやれてたけど……魔物の婚姻に詳しい、女神なんて言い出す……もうたくさんだ! お前は俺が他に何年も研究してることの答えも知ってるんだろ! バカにしやがって……!」
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蚊帳の外に放り出されたらしいアルマが話しかけてくる。俺はあえてぷいっと顔を背けて見せた。
「カタラ…………俺は確かにお前に嘘をついている。けれど、お前への友情は本物だ、お前を信頼しているのも……カタラ、これまで通り俺に着いてきてくれないか?」
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「お、おいっ、カタラ!」
「俺は王都に戻る! サクに使った薬を見つけるんだ、あの家調べりゃいくらでも出てくる! お前は居もしない女神のケツでも追っかけてろ! オーガ! しっかりサク守っとけよ!」
「カタラっ、待て! カタラ! カタラっ……!」
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「…………人間、追わなくていいのか」
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「…………叔父上が魔神王だからだ。魔神王アマルガム、彼は俺の叔父上だ。だからサクとお前を繋いだ魔神王の魔力の属性から効力を推察した、さっきは偉そうに言ったが俺の推察が完璧だとは限らない」
「なっ……!? 魔神王が叔父!? 魔神王なんて物語の存在だぞ……流石にそれは嘘だろう?」
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