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無精卵ならセーフ
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ふて寝をして何時間経っただろう、洞穴の外はすっかり暗くなっており、洞穴の奥は真っ暗で何も見えない。ドラゴンは丸まって眠っているようだ。
「あ……星綺麗」
寝起き眼でふらふらと洞穴の外へ出る。満天の星空だ、無数の星が所狭しと黒い空に並んでいる。
「……みんなと見たかったな」
月が見えない、天の川らしき星の群もない、竜の里が異次元だからだろうか。
「いつ帰れるんだろ」
もしかしたら魔神王にすらどうにも出来なくて、俺はもう二度とみんなの元へ帰れないのかもしれない。夫も弟も子供も置き去りにしてここで暮らすしかないのかもしれない。
「やだ……せっかく、生き返ったのに……寂しいよ、やだよ……」
心細さからネガティブな想像を止められなくなり、あの時ドラゴンに迂闊に近付いた自分を罵る。みんなへの申し訳なさと寂しさが際限なく膨らんでいく。
「さく……? 外出ちゃ危なイ」
俺のすすり泣きが聞こえたようで目を覚ましたドラゴンが洞穴の中から顔を出した。鋭い鉤爪が生えた手が俺を捕まえようと伸びてくる。
「触んなぁっ! 帰せよ、俺を帰せっ……このバカトカゲ!」
抵抗に意味はなくあっさりと捕まった俺は洞穴の奥に戻され、ドラゴンは出入口を塞ぐように寝転がった。
「帰せよぉ……帰りたい、帰りたいよっ、子供に会いたい……ご飯あげたい、鱗磨いてやりたい、耳掃除も歯磨きも爪磨きも、俺の仕事なのにぃ……」
「さく、泣かないデ」
「誰のせいだと思ってんだよっ! ストックホルム症候群なんか俺には起こらないからな!」
「……おやすミ」
伸ばされた舌を叩き、ぬめる手を服に擦る。そのうちにまた寂しくなってすすり泣く。時間が過ぎれば過ぎるほど、もう帰れないのではないかという考えに現実味が与えられ、涙の量が増えていく。
外が明るくなったのでドラゴンに頼んで洞穴の外に出させてもらった。俺が泣いているのが気になるようなので、気晴らしになるならと額に乗せてもらった。
「……太陽がない」
青い空には太陽らしき光の玉はなく、雲が浮かんでいるだけだった。よくよく観察してみれば影が妙に薄い、光源が強い一点ではない証拠だ、空全体が光っているのだ。
「なんなんだよ……」
こんな作り物っぽい妙な世界で産卵フェチのドラゴンと生きていくなんてごめんだ。みんなの元に帰りたい。
洞穴の中に戻って何をするでもなく寝転がっていると、腹に異物感があるのに気付いた。卵だ、一つ孕んでいる。
「……なぁ、お前さ、俺が泣いてんの鬱陶しくて嫌なんだろ。分かるよ、知らないヤツでも近くで泣かれると気分がじめじめするよな」
フルーツを食べているドラゴンに改めて交渉を試みる。
「俺が泣くのはどうしようもないぞ、家族に会いたいんだからな。お前が俺を帰すまで泣き続ける。お前も嫌なんだろ? 帰してくれ。頼むよ、卵孕んだんだ、産むとこ見せてやるから帰してくれ」
「嫌」
一言で断られてしまった。俺が泣いているのを気にしているようだから期待したけれど、所詮は強姦魔のトカゲだ。
「さく、卵できたの? いつ産ム?」
「……お前が俺を帰さないなら自分で腹殴って潰してやる。産んで欲しけりゃ俺を帰すって約束しろ!」
ドラゴンは何も言わずに俺を見つめている。
「出来ないと思ってんのか? 本気だぞ。無精卵なんだ、潰したっていい。見てろよクソトカゲ」
俺は両手を組んで自分の腹を思い切り殴った。しっかりと卵に当たったが、壊れた様子はない、ただ痛くて苦しいだけだ。
「さく、大丈夫? 卵壊せるわけなイ」
「自力で、無理なら……高く飛んでっ、硬いとこに腹打ち付ける!」
「ダメ、ここから出さなイ」
「……ってことは高いとこから落とせば割れるってことだな」
ドラゴンが眠った隙にでも外へ出てやる。卵を三つくらい潰せばドラゴンも俺の交渉に乗る気を見せるだろう。長く苦しい道のりだが、迎えが来ないのだから自力で脱出するしかない。
「…………お母さん頑張るからな」
子供達の顔を思い浮かべて目を閉じる。ドラゴンが眠っている間に起きるため、眠っておくのだ。流石は夢を操るインキュバス、何時間も眠った後でも簡単に眠りに就くことが出来た。
腹部の痛みで目が覚める。外は暗くなっていたが知らないうちに焚き火が作られており、温かい光が洞穴を明るく照らしていた。
「おはよう、さく。寒そうだったから火つけてみた、どウ?」
「……お腹、痛い」
インキュバスに転生してから長らく味わってこなかった痛みだ、トイレに駆け込みたくなるタイプの腹痛だ。
「ん……ぅ…………苦しい……お腹……」
「卵産ム?」
「多分……」
腹が痛くて身体がだるい、とてもではないがドラゴンの横を抜けて洞穴を出て、投身による卵破壊なんて出来なさそうだ。
「……俺を帰すって約束しなきゃ見せてやんない」
身体がだる重い今できるのは、ドラゴンに背を向けることくらいだ。しかしそれもドラゴンが俺を掴んでしまえば関係ない。
「クソっ……」
ズボンを剥ぎ取ったら手のひらに俺を仰向けに寝かせ、親指と小指を俺の膝の裏に通してM字開脚をさせる。人差し指と薬指で腕を押さえ付ける。片手で完璧に拘束されるなんて、インキュバスであることが嫌になってくる。
「ふざけんなよ、ちくしょおっ……」
「はやく見たイ」
「絶対腹押すなよ、押したらことあるごとに全力で目に体当たり仕掛けるからな」
「嫌ダ……」
ドラゴンは大人しく俺眺めることに決めたようだ。しかし、手出しをされなくてもヒクヒクと動いている後孔を見られるだけで酷いストレスだ。
「ん、んん……なかなか、降りてくれない……」
俺の頭よりも大きいかもしれない目玉に見られている恥ずかしさからだろう、本気でいきむことが出来ない。羞恥心が勝手にブレーキをかけている。
「んっ、く……ぅう……」
早く出さなければずっと見られることになるのに、腸壁はなかなか卵を動かしてくれない。
「さく、お尻ぱくぱくしてる。可愛イ」
感想なんて言われたら余計に恥ずかしくなってしまう。苦しいし恥ずかしいしで早く出したいのに、羞恥心は融通が効かない。
「可愛い……舐めたイ」
「ふぅ、ふぅ……ぅ? な、なぁ……舐めたいなら、舐めてみてくれよ。ちょっとほぐした方が出やすいかも……ちょ、ちょっとだからな!?」
赤く太く長く弾力のある濡れたものが後孔に押し付けられる。にゅるにゅると後孔の周りに唾液を塗り込み、舌先を尖らせて後孔の中に侵入する。
「ひ、あっ……!」
快感を与えられると拘束の不快感が薄れる、馬鹿で淫らな身体が拘束プレイだなんて勘違いしているのだろうか。
「ゃ、あっ……ぅあっ、ぁ、ぁああっ! そんなっ、奥……まで」
柔らかく自在に曲がる舌はどんどんと俺の奥へ進んでいく。腹がぼこぼこと歪んでいく不愉快さと、腸壁を舐め回される快感。卵以上の異物感と圧迫感。様々な感覚が俺を襲う。
「ふ、ぅっ、ふぅっ……もぉ、いいっ、もぉ抜けっ……」
ドラゴンの舌がずるずると抜けていく。味蕾だろう舌の粒が腸壁のひだを擦っていく。
「ひっ、あっ、ぁああっ、ぁあぁああっ!」
「……どう? 産まれそウ?」
「んっ、んん……ぁ、きたっ、降りてきたぁっ」
唾液でぬめった腸壁を奥の方から擦って外へと向かう卵、普段とは逆の動きに腸壁は新鮮な快感を覚える。
「まだ見えなイ」
「あっ、ぁあぁっ……! ひ、んんっ、んぁ、ぁあ……! ゃ、あぁっ、イっちゃうっ、やだ、卵でイきたくないぃっ……!」
「白いの見えてきタ」
異物感が後孔へと向かっていくのが分かる。ドラゴンの瞳孔の収縮がよく分かる。
「ゃ、あぁあっ、むりっ、イくっ……! 卵産んでイっちゃうぅっ!」
ぢゅぽんっと卵が出ていくと同時に絶頂を迎えた。排泄の快楽と爽快感はかなりのもので、また味わえる日を待ち遠しく思ってしまった自分を軽蔑した。
「あ……星綺麗」
寝起き眼でふらふらと洞穴の外へ出る。満天の星空だ、無数の星が所狭しと黒い空に並んでいる。
「……みんなと見たかったな」
月が見えない、天の川らしき星の群もない、竜の里が異次元だからだろうか。
「いつ帰れるんだろ」
もしかしたら魔神王にすらどうにも出来なくて、俺はもう二度とみんなの元へ帰れないのかもしれない。夫も弟も子供も置き去りにしてここで暮らすしかないのかもしれない。
「やだ……せっかく、生き返ったのに……寂しいよ、やだよ……」
心細さからネガティブな想像を止められなくなり、あの時ドラゴンに迂闊に近付いた自分を罵る。みんなへの申し訳なさと寂しさが際限なく膨らんでいく。
「さく……? 外出ちゃ危なイ」
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「触んなぁっ! 帰せよ、俺を帰せっ……このバカトカゲ!」
抵抗に意味はなくあっさりと捕まった俺は洞穴の奥に戻され、ドラゴンは出入口を塞ぐように寝転がった。
「帰せよぉ……帰りたい、帰りたいよっ、子供に会いたい……ご飯あげたい、鱗磨いてやりたい、耳掃除も歯磨きも爪磨きも、俺の仕事なのにぃ……」
「さく、泣かないデ」
「誰のせいだと思ってんだよっ! ストックホルム症候群なんか俺には起こらないからな!」
「……おやすミ」
伸ばされた舌を叩き、ぬめる手を服に擦る。そのうちにまた寂しくなってすすり泣く。時間が過ぎれば過ぎるほど、もう帰れないのではないかという考えに現実味が与えられ、涙の量が増えていく。
外が明るくなったのでドラゴンに頼んで洞穴の外に出させてもらった。俺が泣いているのが気になるようなので、気晴らしになるならと額に乗せてもらった。
「……太陽がない」
青い空には太陽らしき光の玉はなく、雲が浮かんでいるだけだった。よくよく観察してみれば影が妙に薄い、光源が強い一点ではない証拠だ、空全体が光っているのだ。
「なんなんだよ……」
こんな作り物っぽい妙な世界で産卵フェチのドラゴンと生きていくなんてごめんだ。みんなの元に帰りたい。
洞穴の中に戻って何をするでもなく寝転がっていると、腹に異物感があるのに気付いた。卵だ、一つ孕んでいる。
「……なぁ、お前さ、俺が泣いてんの鬱陶しくて嫌なんだろ。分かるよ、知らないヤツでも近くで泣かれると気分がじめじめするよな」
フルーツを食べているドラゴンに改めて交渉を試みる。
「俺が泣くのはどうしようもないぞ、家族に会いたいんだからな。お前が俺を帰すまで泣き続ける。お前も嫌なんだろ? 帰してくれ。頼むよ、卵孕んだんだ、産むとこ見せてやるから帰してくれ」
「嫌」
一言で断られてしまった。俺が泣いているのを気にしているようだから期待したけれど、所詮は強姦魔のトカゲだ。
「さく、卵できたの? いつ産ム?」
「……お前が俺を帰さないなら自分で腹殴って潰してやる。産んで欲しけりゃ俺を帰すって約束しろ!」
ドラゴンは何も言わずに俺を見つめている。
「出来ないと思ってんのか? 本気だぞ。無精卵なんだ、潰したっていい。見てろよクソトカゲ」
俺は両手を組んで自分の腹を思い切り殴った。しっかりと卵に当たったが、壊れた様子はない、ただ痛くて苦しいだけだ。
「さく、大丈夫? 卵壊せるわけなイ」
「自力で、無理なら……高く飛んでっ、硬いとこに腹打ち付ける!」
「ダメ、ここから出さなイ」
「……ってことは高いとこから落とせば割れるってことだな」
ドラゴンが眠った隙にでも外へ出てやる。卵を三つくらい潰せばドラゴンも俺の交渉に乗る気を見せるだろう。長く苦しい道のりだが、迎えが来ないのだから自力で脱出するしかない。
「…………お母さん頑張るからな」
子供達の顔を思い浮かべて目を閉じる。ドラゴンが眠っている間に起きるため、眠っておくのだ。流石は夢を操るインキュバス、何時間も眠った後でも簡単に眠りに就くことが出来た。
腹部の痛みで目が覚める。外は暗くなっていたが知らないうちに焚き火が作られており、温かい光が洞穴を明るく照らしていた。
「おはよう、さく。寒そうだったから火つけてみた、どウ?」
「……お腹、痛い」
インキュバスに転生してから長らく味わってこなかった痛みだ、トイレに駆け込みたくなるタイプの腹痛だ。
「ん……ぅ…………苦しい……お腹……」
「卵産ム?」
「多分……」
腹が痛くて身体がだるい、とてもではないがドラゴンの横を抜けて洞穴を出て、投身による卵破壊なんて出来なさそうだ。
「……俺を帰すって約束しなきゃ見せてやんない」
身体がだる重い今できるのは、ドラゴンに背を向けることくらいだ。しかしそれもドラゴンが俺を掴んでしまえば関係ない。
「クソっ……」
ズボンを剥ぎ取ったら手のひらに俺を仰向けに寝かせ、親指と小指を俺の膝の裏に通してM字開脚をさせる。人差し指と薬指で腕を押さえ付ける。片手で完璧に拘束されるなんて、インキュバスであることが嫌になってくる。
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「嫌ダ……」
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俺の頭よりも大きいかもしれない目玉に見られている恥ずかしさからだろう、本気でいきむことが出来ない。羞恥心が勝手にブレーキをかけている。
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「ひ、あっ……!」
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「……どう? 産まれそウ?」
「んっ、んん……ぁ、きたっ、降りてきたぁっ」
唾液でぬめった腸壁を奥の方から擦って外へと向かう卵、普段とは逆の動きに腸壁は新鮮な快感を覚える。
「まだ見えなイ」
「あっ、ぁあぁっ……! ひ、んんっ、んぁ、ぁあ……! ゃ、あぁっ、イっちゃうっ、やだ、卵でイきたくないぃっ……!」
「白いの見えてきタ」
異物感が後孔へと向かっていくのが分かる。ドラゴンの瞳孔の収縮がよく分かる。
「ゃ、あぁあっ、むりっ、イくっ……! 卵産んでイっちゃうぅっ!」
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