自称不感症の援交少年の陥落

ムーン

文字の大きさ
9 / 49

今月は十分だけど

しおりを挟む
あの日、俺は鬱金うつがねという男に身体をおかしくされてしまった。

「ん……んっ……ん……んんっ……」

今まで自慰なんてしたことがなかったのに、あの日以来するようになった。ムラムラするという言葉の意味を理解してしまった。

「んっ……! く、ぅっ……!」

快感が高まって射精するということを覚えた。しかし、満足は出来ていなかった。射精までは出来るけれど、あの男にされた時のような強い快感はなかった。

「…………クソっ!」

自分の精液を受け止めたティッシュをゴミ箱に捨て、安アパートのドアを蹴りつけて学校へ向かった。




放課後、俺はすぐに駅へ向かった。まだ五十万近くの手持ちがあるとはいえ、個人情報をほとんど握られているから恐喝される可能性があるし、父に要求される金が一日一万五千に値上がりしてしまったから稼げる時に稼いでおきたい。

「……レイ君?」

サイトで引っ掛けた男だ。頷いて後をついて行く。

「レイ君、ご飯まだだよね? 奢らせてもらっていいかな」

「……ありがと」

「よかった、何食べたい?」

「ハンバーガー」

生活費を浮かせられるからこういう客は大好きだ。サイトで話した時も丁寧だったし、若いし、清潔感がある。リピーターになって欲しいな、媚びておかなければ。



夕飯の後はラブホテル。先にシャワーへ向かおうとすると男に引き止められた。

「待って! 着衣プレイ頼むよ、制服好きなんだ。学校帰りなんだよね? 少しは汗とかかいてるよね、シャワーなんてもったいないよ!」

高校の制服は大学の授業が終わった後で着たもので、あまり汗だとかの匂いはしないと思う。

「あー……オプション、二千円な」

制服の丁寧な洗濯が必要になりそうだが、久しぶりの優良な客だ。このくらいは許容範囲だろう。

「あぁ、学校帰りダウナー美少年……! もう我慢出来ない!」

電卓アプリを弄っているとベッドに押し倒された。骨ばった手がベルトを緩めようとしている。

「……触るなら、前は五千で後ろ六千な」

「分かった。時間料金とかはない感じ? ずっと触ってていいの? 制限なし?」

「まぁ……ラブホの時間内なら。他の制限とかもねーよ。そんな反応出来ないけど、好きにして」

ついこの間までは不感症だったんだ、あの男のせいで多少は性感帯が作られたと認めるけれど、流石にそんな──

「ひぅんっ……!」

──そんなバカな。なんだ今の声、陰茎を握られただけだぞ? むくむく勃っていくし、こんなの俺の身体じゃない。

「んっ……あっ、ゃ、待て、扱くのっ、待てっ……んぅうっ……!」

「めちゃくちゃ反応いいじゃないか、可愛いよ。手コキでこれって……自分でする時も声出してるの?」

「うる、さっ……ぁうんっ! あっ、ぁっ、先っぽやめろぉっ!」

「やっぱりここ弱い?」

亀頭を指できゅっとつままれ、俺は甲高い声を上げて仰け反り、下着の中に射精した。

「ふっ、ふぅっ……うぅう……」

「すごい……演技じゃない、本当に感度いいんだね」

「ぅああっ!? やめっ、やめろぉっ! 出したじゃんっ、もぉ触るなぁっ!」

射精したばかりの萎えた陰茎を精液のぬめりを利用して揉みしだかれる。

「制限なしでしょ? 好きにしてって言ったじゃん」

「んゃあああっ! 先っぽやめてぇっ! やだっ、出るっ、なんか出るっ! いやっ、ぁあああああっ!」

器用な指に亀頭を責められて潮を吹き、開脚した足をガクガクと震わせる。

「な……何が、楽しいんだよぉ……てめぇは気持ちよくなんねぇだろ、俺こんなにして何が楽しいんだよぉっ」

「えー、綺麗な男の子イかせるのは楽しいよ。君簡単にイって可愛いし」

「簡、単……? 簡単にって何だよ、他の奴らもこんなもんだろ……? 他の奴は俺より楽にイかせられるんだよな?」

「今まで五人くらい男子高校生買ったけど……君が一番だよ、ルックスも感度も」

不感症のこの俺がガキの平均以下だって? ありえない。平均か、平均より少し上、その程度に抑えられているはずだ。

「君の精液ローション代わりに出来そうだし、後ろの感度も確かめていいよね? 六千円だっけ」

「……あ、待て、ダメっ、やめっ……ひぁあんっ!」

制服のズボンの前側から入れられた手が陰嚢を手首で押し上げながら、精液まみれの中指を挿入してきた。

「おっ……いい締め付け。慣れてる子かと思ったけど、そうでもないのかな? ウリ何回目? ウブで可愛い……」

「んぁっ! あっ、あぁあっ! やだっ、やめろっ、指動かすなぁっ!」

「知ってる? 男の子にはメスイキスイッチあるんだよ。前立腺……この辺だと思うけど、ここ……いや、ここか」

腸内で曲がった中指が前立腺を押した。

「ぁゔんっ!」

その瞬間、ずり下がったズボンからはみ出た陰茎から精液がぴゅるるっと漏れた。

「……君、本当にすごいね。後ろもめちゃくちゃ感度いいんだ」

「ちがうぅ……俺、俺こんなんじゃ……ひぁんっ!? んやあぁっ! やめてっ、やだっ、もぉそこやらぁああっ!」

ぐぢゅぐぢゅと嫌な音を立てて前立腺を指先で転がされ、男にしがみついてまた絶頂を迎えた。しかしそれでも男は指を止めてくれない。

「やらっ! いやぁあっ! イくのいやっ! しょこやらってばぁあっ!」

「えー? でもおちんちんビンビンだし、ここもコリッコリだよ? ほーら気持ちいい気持ちいい」

「きもっ、ひぃいっ……! きもちぃのいやぁああっ! ぁああっ! イくっ、またイくぅぅっ……! 今イってんのぉっ! しゃわんなぁあっ! あぁあーっ!?」

一際深い絶頂を迎え、射精もしていないのにガクガクと腰を揺らしてしまった。

「おっ、空イキ出来たね。もう女の子だよ、よしよし……ガックガクして可愛いねぇ」

「ふぅっ、ふぅっ……可愛い、言うなぁっ……ぁ、あっ……はぁあっ…………イくっ! ふぅっ、あぅぅ……」

挿入されているだけで動きは止まっていたのに、男の中指を締め付けて絶頂してしまった。自分があまりにも情けなくて涙が止まらない。

「気持ちよすぎて泣いちゃうの? はーっ、最高だよレイ君。他の子切って君だけ買うよ」

リピーター獲得は成功だ、それは喜ばなければ。でもまた何度もイかされなければならないと思うと喜べない。

「レイ君、本番いくらだっけ?」

「に…………ゴム、つけて……」

「ゴムあり二万だね。なしはやってない感じ? まぁ、いいけど……入れるよ」

ズボンが膝までずり下げられて足を抱えられ、後孔に亀頭が触れる。

「んっ……」

「お、吸い付いてくる……嫌がってるの口だけだね」

タコの吸盤のように後孔の入口が男の性器にちゅうっと吸い付いてしまう。やめたくても自分の意思ではどうにもならず、大したことのない陰茎が挿入された。

「んぁああっ……ぁひぃんっ!?」

「ん? あぁ、前立腺当たった? ちょっと小突いてあげようか」

「ひぅんっ! んゃああっ! やらぁっ! しょこしゅぐイくぅうっ! ゃあっ、イくのきらいぃっ! イくのやらぁっ! もぉイかしぇんなぁあっ!」

男は中途半端な挿入のまま細かく腰を振って俺の前立腺を責めた。ぢゅくぢゅくと鳴る後孔も、微かな刺激で絶頂を繰り返してしまう前立腺も、泣き叫ぶしか出来ない自分も、何もかも嫌いだ。

「ふっ……締め付けすごいし、そろそろ全部入れちゃうね」

「んあっ……! ぁゔっ、ふ、うぅうっ……!」

結腸には遠く届かないし、前立腺への刺激も弱まった。少し休憩出来るかもしれない。

「はぁーっ……ナカ、トロトロ……最高。動くよ」

「ん……ひぁああっ!?」

休憩出来るかもという希望は抜けていく陰茎に前立腺が引っ掻かれて潰えた。抜き挿しの度にカリ部分だろう出っ張りに前立腺が弾かれるのだ、こんなの我慢のしようがない。

「イくっ! イくぅうっ! いやっ、もぉいやぁっ! イっ、くぅうんっ! んやぁああっ、もぉやらぁっ、イったのこしゅんのやめろぉおっ! イくのやぁああっ!」

絶頂している最中に前立腺を擦られてまた絶頂し、どんどんどんどん絶頂が繰り返される。俺はまた連続絶頂にハマって抜け出せなくなり、数日前まで想像もしていなかった喘ぎ声をホテルの一室に響かせた。
しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

皇帝陛下の精子検査

雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。 しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。 このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。 焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...